◆どんな本?
日米戦争を開戦に引きずり込んだのは誰か?を日米双方の内情を踏まえつつ解き明かした本。
◆所感
近現代史の歴史観で、今最も共感できるのが林先生の歴史観。
なぜ、日米戦争は起きたのか?そもそも、日本とアメリカは戦う必要があったのか?
その疑問に対して様々な証言や一次資料をもとに答えを
...続きを読む提示している。
戦う必要は、まったくなかった。当時の日本・アメリカ双方で非戦論が主流だった。
ではなぜ、日米は開戦に至ってしまったのか?それは、戦争を起こさせようと企んだ勢力があったからだと林氏は主張する。
その勢力とは、ロックフェラーに代表される国際金融資本家たちと、ソビエトやコミンテルンに繋がる国債共産主義者たちである。これら勢力が日米双方に対し、影響力をおよぼしていた。
この、「日米双方に」という点が重要で、つまりは両方の情勢を正確に把握したうえで策謀を練っていたのである。恐るべし。
林氏は、開戦に至ったのは「「平和」が「戦争」に負けた結果」と表現している。
「平和」の側はアメリカの大統領フーバーであり、「戦争」の側は国際金融資本家と国債共産主義者、およびその勢力を内包したルーズベルト大統領および近衛文麿として対比させている。
エピローグの下記一文が印象に残った。
「平和」の側が「戦争」の側に勝つのは生やさしいことではありません。「平和」の側が「戦争」の側以上にしたたかで周到でなければ「平和」は「戦争」に勝てないのです。平和を維持できないのです。これがシンプルですが冷然たる教訓です。
◆こんな人におすすめ
・日米開戦の経緯を、日米双方の視点で理解したい人
・日米開戦にディープステートがどう関わっていたのか知りたい人