作品一覧

ユーザーレビュー

  • 地雷を踏んだらサヨウナラ

    Posted by ブクログ

    内戦が続くカンボジアで戦場カメラマンとして活動し、憧れのアンコールワット遺跡の撮影を試みながらも、1973年11月に消息を絶った一ノ瀬泰造さんの日記と書簡からなる記録。

    0
    2024年06月09日
  • 地雷を踏んだらサヨウナラ

    Posted by ブクログ

    戦争の最前線に飛び込んだ、戦場カメラマンの生々しい手記と写真の数々。
    常に銃弾や砲弾が飛び交う戦場と、ふとした瞬間に年相応の若者らしい顔を見せる兵士達と、戦争が日常の一部と化した国で生きる人々を撮った写真の迫力は凄まじい。

    0
    2022年05月05日
  • 地雷を踏んだらサヨウナラ

    Posted by ブクログ

    私がこの本で一番興味をひかれたのは、銃弾飛び交う中で撮影された緊張感あふれる写真ではない。カンボジアの風景のようにおおらかな泰造さんの独特の文章でもない。
    では何が一番良かったかと言えば、時折挟み込まれる泰造さんと母親との手紙のやり取りだ。
    母親の手紙を読むと、自由にふるまう泰造さんを好きなようにさせながらも、随所で息子の体を気遣い、グラフ雑誌で息子の写真(と思われる)を見つけては一喜一憂する姿に、なつかしい気持ちがこみあげてきた。

    ああ、これが日本の母なのだ。海援隊が母に捧げるバラードで歌ったように、「バカ息子」と母から散々言われ続けながらも息子が最後に「ぼくに人生を教えてくれた/やさしいおふくろ」とつぶやくような、日本がかつて誇り得た母の姿だ。
    これがなければ、私にとって泰造さんは、ちょっとやんちゃでスケベで、写真で名を成そうと気持ちがはやりがちな戦場カメラマンの1人にすぎなかっただろう。

    それにしても、泰造さんをアンコールワットへ駆り立てたものは何なのだろう?
    この本の一章を占める「カンボジア従軍記」が書かれた1972年は、日本では「あさま山荘事件」があるなど、国内でも動いている“現場”はあったはずだ。だが泰造さんにとっての真の意味の“現場”は、日本では見い出せなかったのだろう。泰造さんが求めたものは、雨宮処凛さんがイラクや北朝鮮に求めたのと同じ“当事者性”というものなのだろうか?

    私は泰造さんがカンボジアへ渡ったのは、この母親あっての必然だと考える。つまり、この素晴らしいお母さんのもとで育った泰造さんは、人生の根本を母親から確かに受け取り、そしてそれを実践するとともに母親を超えるべく、本能的に未知の世界へと飛び出したのだ。

    世界を舞台に危険を顧みず確固たる目的意識で(中村哲さんのように)事績を残すのはもちろん素晴らしい。しかし泰造さんのように、ひとまずカメラだけを持ってがむしゃらに“何か”を求めて飛び込む姿にも、私は大きなシンパシーを感じる。

    だがこの本はサクセスストーリーではない。しかしいくら批判好きの現代人も、ここまでされるともう批判する気も失せるわというくらい、私たちの想像の上をいく数々のエピソードが詰め込まれている。
    ここでRCサクセションの「ぼくの好きな先生」に触れたい。いつも1人でたばこを吸っている美術の先生。誰がなんと言おうとも清志郎はそんな先生が大好きだった。けれども今の校内全面禁煙の常識から見ると、評価はがらりと変わってしまう。同じように泰造や彼のお母さんについても、今の常識なんか蹴り飛ばして読まなければ真の良さは見えない。

    願わくば、今の窮屈な常識押しつけ社会に息苦しさを感じているすべての人が、泰造さんの破天荒さに大笑いし、そしてお母さんの素朴な優しさに触れて、自分自身の母子関係にはいろいろあったとしても、「母親っていいな」としみじみ思い直せるように。

    0
    2021年06月30日
  • 地雷を踏んだらサヨウナラ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    エッセイというのか分からないけれど。

    ひょうひょうとしているのに、楽しそうなのに、どこか読んでいて悲しい。
    親御さんの気持ちが分かるからだろうか。当人の押さえきれない夢を感じるからだろうか。

    その後のカンボジアを思うと、何を目指して戦っていたのか、とまた悲しくなる。
    ポル・ポトを考えると、先生は…やっぱり。
    皆どこへ行っちゃったんだろう。
    今の世界を見せたい気がした。そうしたら、きっと伸びやかに世界の中へ駆けだしていくのだろう。その無邪気さを見たい気がした。

    0
    2014年02月27日
  • 地雷を踏んだらサヨウナラ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    日記と書簡中心で、いろんな人に同じエピソードを書いておりダブりがあるものの、文章が軽妙かつ臨場感があるのであまり気にならず。母親からの書簡は泣かせますね。結局、ロンノル政権軍とクメールルージュの最前線であるシェムレアプから、クメールルージュ支配下のアンコールワットに入ろうとして、処刑されてしまったら...しいのだけれど、もちろんそれは後日談。書簡はあっさり途絶えています。常に覚悟はしているんでしょうが。。アンコールワットに行く前に読んでおけばよかった。

    0
    2013年03月03日

新規会員限定 70%OFFクーポン 今すぐGET