作品一覧

  • 心の病気はどう治す?
    3.9
    1巻1,023円 (税込)
    「はじめに」より 本書は、精神医療界のオールスターチームによるメンタルヘルス向上のためのガイドブックです。回復に役立つ知識から社会的課題を解消するヒントまで、ありったけの情報を盛り込みました。  個々に主役を張れるほど著名な精神科医たちに、ウルトラ兄弟のように大集結してもらったのには理由があります。薬にばかり頼って来た精神医療が袋小路に入り込み、史上最大級のピンチに直面しているからです。このままでは患者が益々追い込まれてしまいます。(中略)  各章に登場する精神科医たちは、20世紀から続いてきた薬物療法偏重という生物学的精神医学の激流の中で、時に大波にのまれながらも踏み止まり、患者の「こころ」と向き合い続けた人たちです。葛藤の中で見出された精神療法などの叡知を、生きづらい自分や劣化する社会を変えるために共有し、「みんな」のものにしたい。それが本書の狙いです。 第1章 依存症「ヒトは生きるために依存する」 松本俊彦さん(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長) 第2章 発達障害「精神疾患の見方が根底から変わる」 原田剛志さん(パークサイドこころの発達クリニック院長) 第3章 統合失調症「開かれた対話の劇的効果」 斎藤 環さん(筑波大学医学医療系社会精神保健学教授) 第4章 うつ病・不安症 「砂粒を真珠に変える力」 大野 裕さん(国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター顧問) 第5章 ひきこもり「病的から新たなライフスタイルへ」 加藤隆弘さん(九州大学大学院医学研究院精神病態医学准教授) 第6章 自殺「なぜ自ら死を選ぶのか」 張賢徳さん(日本自殺予防学会理事長/六番町メンタルクリニック院長) 第7章 入院医療「新時代を切り拓く民間病院」 堀川公平さん(のぞえ総合心療病院理事長・院長) 渡邉博幸さん(千葉大学社会精神保健教育研究センター特任教授) 成瀬暢也さん(埼玉県立精神医療センター副病院長/埼玉医科大学病院臨床中毒科客員教授) 秋山剛さん(世界精神保健連盟理事長) 高木俊介さん(たかぎクリニック院長/オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン共同代表) アーロン・ベックさん(認知行動療法の創始者) 田邉友也さん(訪問看護ステーションいしずえ代表) 樋口輝彦さん(国立精神・神経医療研究センター名誉理事長/日本うつ病センター名誉理事長) 野村総一郎さん(六番町メンタルクリニック名誉院長) 和気隆三さん(新生会病院名誉院長)
  • なぜ、日本の精神医療は暴走するのか
    3.7
    「育て直し」と称し子供を縛り付ける病院。軽い気持ちの通院が薬漬けで廃人同然。前近代的な「治療」が横行する精神医療の現場に迫る

ユーザーレビュー

  • 心の病気はどう治す?

    Posted by ブクログ

    すごくすごく興味深い本でした!
    フィンランド・西ラップランド地方の精神科病院ケロプダス病院で生まれた「オープンダイアローグ」の話に驚いた。

    p91 「オープンダイアローグの対話が深まっていくと、意味不明な幻聴や妄想と思われていた患者の訴えの理由が、周囲にも分かってきます」と斎藤さんは語ります。こうして周囲の理解が深まると、孤立から脱した患者が落ち着くのは当然のことです。更に斎藤さんは、「患者自身が病的体験を言語化(物語化)することで、無意識に抑圧されていた葛藤や欲望が分かったり、恐怖が和らいだりする治療的意義もある」と説明します。
    フィンランドでオープンダイアローグを導入した地域では、服薬が

    0
    2025年07月22日
  • 心の病気はどう治す?

    Posted by ブクログ

    新聞広告だったか何だったか、本書の刊行を知る。錚々たる精神科医たちをはじめ、精神医療に携わる面々への取材をもとにまとめられたものらしい。なによこれ、こんなん絶対読まないわけにいかないじゃないの!と、早速手にした。

    いやーよかった。
    どの章も、精神医療の現場を、こうであればいいのに、と願っていた私の思いをそれぞれの医師が汲んでくれたような内容ばかり。
    こんなふうにサポートをしたかったとつくづく思った。
    今の仕事の臨床でも役に立つような具体的な記述も多く、また自分のいつもの取り組みを肯定されたような気持ちにもなり、本当に読んでよかった。
    久留米ののぞえの丘病院の件では、当時齋藤院長が都立松沢病院

    0
    2024年02月11日
  • なぜ、日本の精神医療は暴走するのか

    Posted by ブクログ

    全国で4番目に外来患者数が多いという精神科に10年以上通っている。
    閉鎖病棟だけで200床以上ある病院。
    そこは身体拘束や暴力はないが、多くの患者を電気けいれん療法で廃人にする。
    そこだけの問題かと思っていたが、この本を読んで日本の精神科の多くがそんな有様で氷山の一角でしかない事を知った。
    自分は訳あってそこを逃れられない。
    せめて、この様な本や記事が多くの人の目に触れ民意として日本の精神医療の体質が変わる事を切に願う。

    0
    2022年11月12日
  • 心の病気はどう治す?

    Posted by ブクログ

    薬に依存しているのは、患者だけでなく、この医療業界全体の可能性があることに大きな危機感を抱きました。
    オープンダイアローグは、大学の講義で取り扱ったこともあり、精神医療の分野において、大きな成果を残せると考えています。対話が行われる環境がもっと身近になれば、業界全体が前進するのではないでしょうか。

    0
    2025年03月11日
  • 心の病気はどう治す?

    Posted by ブクログ

    オーディオブックで聴了。精神医療の最前線で働いてきた人たちが、何を考え、どう行動したかが紹介されています。願わくば、この方々の試みが広がりますように。、

    0
    2024年06月24日

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