戦後の韓国歌謡界が、当時輸入が禁じられていた日本の歌謡曲の影響を色濃く受けていたこと、そしてその後米国のブラックミュージックの影響を受けながら、独自のマネージメントのあり方を模索しながら現在のK-POPが誕生していったことなど、面白かった。
YouTubeなどの映像メディアと相まって視覚的要素の重要
...続きを読む性が増してきたという着眼点も興味深かった。
韓国政府が国策としてK-POPの振興を行なっているという言説は、ポジティヴ/ネガティヴ双方の観点からよく言われることではあるが、筆者はこれを否定している。韓国政府はソフトパワーとしてK-POPをうまく活用できているだけであり、K-POPそのものについては指図できるわけではないとのこと。たしかに、ポップカルチャーを国が完全に掌握するというのは、不健全なだけでなく、そもそも現実的に難易度が高く、ソフトパワーとして利用している側面が強いのかなと感じた。