【感想・ネタバレ】K-POP 新感覚のメディアのレビュー

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Posted by ブクログ

K-POPをKとPOPに分けて解釈するという論法で分析されていた。韓国の国内事情、外交事情を踏まえつつ、音楽を取り巻く環境の変化が作り上げたKの部分。そしてアメリカを始めとした音楽史の変遷を捉えたPOPの部分。
K-POPというものは先進国では生まれなかったスタイルなんだろうなという感想を持った。

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2021年04月23日

Posted by ブクログ

戦後の韓国歌謡界が、当時輸入が禁じられていた日本の歌謡曲の影響を色濃く受けていたこと、そしてその後米国のブラックミュージックの影響を受けながら、独自のマネージメントのあり方を模索しながら現在のK-POPが誕生していったことなど、面白かった。
YouTubeなどの映像メディアと相まって視覚的要素の重要性が増してきたという着眼点も興味深かった。

韓国政府が国策としてK-POPの振興を行なっているという言説は、ポジティヴ/ネガティヴ双方の観点からよく言われることではあるが、筆者はこれを否定している。韓国政府はソフトパワーとしてK-POPをうまく活用できているだけであり、K-POPそのものについては指図できるわけではないとのこと。たしかに、ポップカルチャーを国が完全に掌握するというのは、不健全なだけでなく、そもそも現実的に難易度が高く、ソフトパワーとして利用している側面が強いのかなと感じた。

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2022年01月23日

Posted by ブクログ

 韓国のアイドルグループにハマったので読んでみた。K-POPといえば東方神起、BIGBANG、少女時代やKARAが日本でも流行っていたというくらいの知識しかなかったため、そもそもK-POPとは何ぞや?というところから読み始めようと思い本書を手に取った。

 視覚的な特質(スター性)や親しみやすい魅力が協調される日本型アイドルと、歌唱力やパフォーマンス力を持った憧憬の対象であるアメリカ型アイドルの融合から始まったK-POPは、そこからブラックミュージックと出会いラップヒップホップを盛んに取り入れアメリカ型アイドルへさらに舵をきった。それでいて「韓国的な感覚」(韓国語ラップや韓国歌謡の要素、「恨」の感情など)と接続することにより日本型ともアメリカ型とも異なるK-POPのフレームができあがった。という音楽史の流れは非常に興味深かった。

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2021年06月13日

Posted by ブクログ

KPOPの現在に至る変遷をわかりやすく知ることができた。
膨大なチャレンジと文化の融合が今日のKPOPを彩る要素になっていると感じた。

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2021年04月14日

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K-POPの誕生から、現在にいたる道筋をたどる。J-POPに対抗するような時代から、世界的にK-POPが認められた現在へ。BTS、TWICE、EXO、等々。彼らの音楽を聴かないで本だけを読むことの愚かしさを感じた。

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2019年07月17日

Posted by ブクログ

第三世代までのk-popを歴史的な過程を中心に解説している教科書のような本。若干賞味期限が切れている。アイリーンの炎上案件に言及されているが、パワハラではなく読書のほうだった。

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2024年03月30日

Posted by ブクログ

2018年の書籍なのでK-POPのスピード感からすると昔の話になってしまうのは仕方ないものの興味深く読めた。今後ナムジャグルみたく自分たちメインで作詞作曲するヨジャグル出てくればまた一段階跳ねるかもね的な意見については(G)I-DLEが出てきたので彼女たちはここの系譜に入るのかなど現状と比べつつ読むと面白いかも。

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2023年06月02日

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K-POPがなぜここまで世界的に売れたのか知りたかったが、J-POPとの関連性やその歴史を丹念にたどってみても分からないらしい。良いものは良いとすればいいのかもしれないが、最近よく聴くことが多いので知識欲は満たせた。

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2021年01月30日

Posted by ブクログ

なんか正直なところ、K-POPとか論じなくても聞いて楽しめばいいんじゃないと思うんだけど、読んでみた。
この本にも書いてあるんだけど、K-POPはもともとJ-POPの相対概念として生まれた言葉だと。そしていつのまにかワールドワイドな存在になった。それは、「日本のポピュラー音楽は自らをJ-POPと規定したときから、(依然としてCD販売に依存することをはじめ)Jの世界の秩序と感覚を原動力とするようになった。それに対してK-POPは、他者によって規定されたそのときから「K」をめぐるあらゆる境界と秩序を解体しつづけることを原動力にしたといえる。」(p.58)ということに集約されるのではないかな。
自分たちの(よくいえば)あるがままを売りにしたJ-POPに対し、K-POPはまず世界に向かっていきグローバルスタンダードを体得したうえでKらしさを出していったという感じ。BTSを代表例にわりと最近のK-POPのあり方にもかなり紙幅を割いているんだけど、youtubeやSNSを通じて世界的に拡散していくあり方は、やはり前掲の引用文と重なるところで、CDや音楽としてだけでない文化が拡散していく成功例としてとらえるべき。

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2020年07月12日

Posted by ブクログ

著者は吉見俊哉のもとで学んだメディア文化の研究者で、主としてカルチュラル・スタディーズ的な観点からK-POPの歴史をたどるとともに、現在それがどのようなしかたで日本や他の国々で受け入れられているのかを論じている本です。

新書一冊の本でK-POPの歴史を論じているので、マニアックな知識を必要とするような細かい事情には触れていませんが、おおまかに「K-POPとはなにか」をつかむことはできる内容になっています。とくに、90年代以降の韓国アイドルがJ-POPの模倣から離脱し、アメリカの音楽受け入れてきたこと、そしてデジタル音楽の時代にグローバル化の波に乗って隆盛にいたった経緯が、わかりやすく解説されています。また著者は、i-TuneやYouTubeなどを通じて気に入った音楽をフラットに受け入れる現代のK-POP受容のありかたに注目することで、日本におけるいわゆる「第二次韓流ブーム」と「第三次韓流ブーム」のあいだには断絶がなかったという見方を示しています。

すこし違和感をおぼえたのは、TWICEのツウィが台湾旗を掲げて中国からのバッシングを受けた問題について、著者は「ナショナリズムのような「現実」が「ポップ空間」に介入」した事例だと説明し、現実とかけ離れた「ポップ空間」のなかに生身のアイドルを囲い込み管理することの問題へと議論を進めている点です。サナの令和メッセージにかんするいざこざもそうですが、ここで生じている「ナショナリズム」は「ポップ空間」から区別されるような「現実」ではなく、むしろ「ポップ空間」と同質的な、カギカッコつきの「ナショナリズム」であるように思われます。著者には、この点についてこそ、メディア論的な観点から論じてほしかったように思います。

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2019年09月18日

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