金成殱のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
戦後の韓国歌謡界が、当時輸入が禁じられていた日本の歌謡曲の影響を色濃く受けていたこと、そしてその後米国のブラックミュージックの影響を受けながら、独自のマネージメントのあり方を模索しながら現在のK-POPが誕生していったことなど、面白かった。
YouTubeなどの映像メディアと相まって視覚的要素の重要性が増してきたという着眼点も興味深かった。
韓国政府が国策としてK-POPの振興を行なっているという言説は、ポジティヴ/ネガティヴ双方の観点からよく言われることではあるが、筆者はこれを否定している。韓国政府はソフトパワーとしてK-POPをうまく活用できているだけであり、K-POPそのものについては -
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韓国のアイドルグループにハマったので読んでみた。K-POPといえば東方神起、BIGBANG、少女時代やKARAが日本でも流行っていたというくらいの知識しかなかったため、そもそもK-POPとは何ぞや?というところから読み始めようと思い本書を手に取った。
視覚的な特質(スター性)や親しみやすい魅力が協調される日本型アイドルと、歌唱力やパフォーマンス力を持った憧憬の対象であるアメリカ型アイドルの融合から始まったK-POPは、そこからブラックミュージックと出会いラップヒップホップを盛んに取り入れアメリカ型アイドルへさらに舵をきった。それでいて「韓国的な感覚」(韓国語ラップや韓国歌謡の要素、「恨」 -
Posted by ブクログ
なんか正直なところ、K-POPとか論じなくても聞いて楽しめばいいんじゃないと思うんだけど、読んでみた。
この本にも書いてあるんだけど、K-POPはもともとJ-POPの相対概念として生まれた言葉だと。そしていつのまにかワールドワイドな存在になった。それは、「日本のポピュラー音楽は自らをJ-POPと規定したときから、(依然としてCD販売に依存することをはじめ)Jの世界の秩序と感覚を原動力とするようになった。それに対してK-POPは、他者によって規定されたそのときから「K」をめぐるあらゆる境界と秩序を解体しつづけることを原動力にしたといえる。」(p.58)ということに集約されるのではないかな。
自分 -
Posted by ブクログ
著者は吉見俊哉のもとで学んだメディア文化の研究者で、主としてカルチュラル・スタディーズ的な観点からK-POPの歴史をたどるとともに、現在それがどのようなしかたで日本や他の国々で受け入れられているのかを論じている本です。
新書一冊の本でK-POPの歴史を論じているので、マニアックな知識を必要とするような細かい事情には触れていませんが、おおまかに「K-POPとはなにか」をつかむことはできる内容になっています。とくに、90年代以降の韓国アイドルがJ-POPの模倣から離脱し、アメリカの音楽受け入れてきたこと、そしてデジタル音楽の時代にグローバル化の波に乗って隆盛にいたった経緯が、わかりやすく解説され