源孝志の作品一覧
「源孝志」の「グレースの履歴」「わたしだけのアイリス」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
Posted by ブクログ
読書会で紹介していただき、気になっていた小説。倉科カナ主演のNHKのドラマ「TRUE COLORS」の原作。
「色彩のディーヴァ」と呼ばれた気鋭のフォトグラファー・立花海咲は、錐体ジストグラフィーという遺伝性の色覚障害によって、カメラマンの仕事を失う。妹・辻村七瀬の結婚を手紙で知ったことと熊本地震により、天草に帰郷。海難事故で死んだ父親、事故の賠償金を肩代わりした辻村と再婚した母親。海咲は辻村と母を嫌悪していたが、帰郷することで真実を知っていく。そして、自分だけの「色」を見つけていく。
アイリスとは虹彩のこと。網膜に入る光の量を自動調節するカメラの「絞り」の役割をする目の器官。
良かったところは、ほとんどの章タイトルが、その章のキーワードになっていて、さらに色が共通項。この小説に合っているおしゃれな演出。
印象に残った言葉は、立花海咲の「色は不変ではない」という考え方。与えられる光によって常に曖昧に、頼りなく移ろっていく色を定義することは不可能であるという説明を読んで納得。色を失っていくが、帰郷をきっかけに彼女の「色」を見つけていくテーマにもぴったりな言葉だと感じた。
ここまで各種要素がストーリーに結びつく話はなかなかないと感じたため、印象に残った作品。