『きちんと伝わる説明の型とコツ』まとめ
1. 説明の基本姿勢
•説明は「自分が言いたい順」ではなく「相手が知りたい順」に構成する。
•ゴールは「理解されること」ではなく「相手に行動してもらうこと」。
•説明の途中で「現在地」を伝えると、相手が安心する。
•メッセージは3つ程度に絞ると記憶に残りやすい。
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2. 言葉選びと伝え方
•社内の常識や専門用語は社外で通じないことがある。
•特にカタカナ語には注意する。
•コミュニケーションには「ローコンテクスト(明示的)」と「ハイコンテクスト(察する)」があり、日本人は後者に偏りがち。
•意識的に「はっきり言葉にする」ことを意識する。
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3. 話を整理する技術
•「話の地図」を描くように、まず①結論→②ポイントの順で話す。
•「メモ型」(思いついた順に話す)だと、結論や現在地が分かりにくくなる。
•相手のタイプに合わせて説明方法を変える。
- 思考型の相手 → 客観的・論理的に
- 感情型の相手 → 共感を交えて伝える
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4. 思考整理と構成法
•BOX思考:「分けて整理する」ことで理解しやすくする。
•情報は重要度に応じてA(重要)B(必要)C(補足)に分類する。
•限られた時間では、A→B→Cの順で優先的に伝える。
•一度の発表・説明では「1テーマ」に絞るのが原則。
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5. 説明・報告・提案のフレームワーク
•SDS法(概要説明に)
- S:Summary(概要)
- D:Details(詳細)
- S:Summary(まとめ)
•FABE法(提案に)
- F:Feature(特徴)
- A:Advantage(利点)
- B:Benefit(相手にとっての利益)
- E:Evidence(根拠・実績)
•DESC法(建設的な議論・意見伝達に)
- D:Describe(事実を述べる)
- E:Express(自分の意見・感情を伝える)
- S:Specify(望ましい対応・提案を示す)
- C:Consequence(結果・影響を伝える)
•ホールパート法(全体構成に)
- Whole(話の全体像を示す)
- Part(詳細を説明する)
- Whole(再び全体像をまとめて締める)
•GTC法(エレベーターピッチ・短時間説明に)
- G:Goal(自分の伝えたい目的)
- T:Target(相手が求めているもの)
- C:Connection(両者をつなぐアプローチ)
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6. 話し方・伝え方のテクニック
•スピード、声の大きさ、リズムに緩急をつけると注意を引きやすい。
•最後まで聞こえる声量で、母音をはっきり発音する。
•数字はそのまま伝えず、具体的な喩えを使って実感を伴わせる。
•話す前に「締め」を決めておくと、安心して話せて軸がぶれにくい。
•話をまとめるときは
①伝えたいポイントを整理する
②話の締めを決める
③軸からズレる内容をカットする。
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7. 簡潔にまとめるコツ
•一文は45〜50字以内を目安に。
•制限時間を設けると、自然に要点が絞れる。
•情報はできるだけ単純化して伝える。
•ビジネスでは「相手の時間を奪わない」が基本。
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8. 共感を生む話し方
•自慢話ではなく、失敗や苦悩を交えた体験談が共感を呼ぶ。
•聞き手が共感しやすい「4つのF」を意識する。
- Failure(失敗)
- Frustration(欲求不満)
- First(初めての体験)
- Flaw(欠点)
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9. 会議や打ち合わせでの工夫
•継続している打ち合わせでは、前回内容をリマインドしてから話す。
•認識を揃えてから本題に入ると、コミュニケーションがスムーズになる。
•相手の反応が悪ければ、途中で相手のニーズをヒアリングして軌道修正する。
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10. 伝わる説明の3原則
1.相手視点で構成する(相手が知りたい順に話す)
2.情報を整理・単純化する(BOX思考+ABC分類)
3.聞きやすく共感を呼ぶ形で伝える(緩急・喩え・自己開示)