作品一覧 2024/04/26更新 資本主義に出口はあるか 試し読み フォロー 使える哲学 私たちを駆り立てる五つの欲望はどこから来たのか 試し読み フォロー ラカンの哲学 哲学の実践としての精神分析 試し読み フォロー 贈与経済2.0 お金を稼がなくても生きていける世界で暮らす NEW 試し読み フォロー 1~4件目 / 4件<<<1・・・・・・・・・>>> 荒谷大輔の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 使える哲学 私たちを駆り立てる五つの欲望はどこから来たのか 荒谷大輔 著名な思想家が、それぞれの時代の宗教や文化に「引っ張られている」ことが浮き彫りになった。自分自身の思考も、現代特有のクセがついていることを自覚させられた。 Posted by ブクログ 資本主義に出口はあるか 荒谷大輔 右とか左とかよくわからないと思っていましたが、本書を読み現状がねじれの状態にあることを含め、基本的な整理ができるようになりました。 Posted by ブクログ 資本主義に出口はあるか 荒谷大輔 右/左という対立軸をロック/ルソーという思想的対立に読み替えながら、現代に至るまでの資本主義を概観する快作。軸を読み替えただけで、ここまで鮮やかにわかりやすくなるのかと、感銘を受けた。 最終章に関しては、そういうオチにならざるを得ないのだろうと思いつつ、やはり現実的な話にはなりえないなとも思ってしま...続きを読むった。とはいえ、多くの本では逃れがちな「じゃあ、どうすればいいの?」という面に正面から向き合ったという点で評価されるべきであるし、筆者の論に同意できないとしても、それまでのロック/ルソーの議論の展開の仕方で文句なしの★5である。 Posted by ブクログ 資本主義に出口はあるか 荒谷大輔 題名だけをみると、リーマンショック後に多く出版された資本主義批判本が連想され、ある点では実際にその通りではある。しかし、本書は他書のように富の偏在に直接焦点を当てるのではなく、現在の特に旧西側自由主義国家に見られる混乱の原因がその思想的根幹をなす「自由」と「平等」が全く異なる仕方で人々に諒解されてい...続きを読むることにあると指摘し、その発生の起源に立ち戻り徹底的に問い直そうとする試みに特色がある。 本書はその自由主義内部の断絶が、そのルーツである2つの社会契約説の相反する立場にあることを指摘するものだが、出色なのはその異なる立場が現在も民主主義の「保守」と「リベラル」の中に保存されているという一貫した主張を貫いている点だと思う。17世期の社会契約説の誕生日に始まり、産業革命後のロマン主義やマルクス主義、そして二度の大戦の契機ともなった民族主義、そして戦後の安定した経済成長とその崩壊まで、全てを「ロック的なるもの」と「ルソー的なるもの」の相克に収斂させて捕捉できるとしている。この単純化が極めて分かりやすい。 これだけで十分新書としては成功していると思うのだが、終章で著者はさらに踏み込んで「資本主義の出口」のあり様を探る。現在の閉塞の原因は社会契約論が「自らの意志」という「神話」に過度に依存したことにあるとし、これを打破するには身体外部から押し付けられた「私」を放棄し、自ら「ゲーム」を選択することのできる地平(「ゼロ地点」)を確保すべきと説く。「身体レベルでの現実から再び『自由』と『平等』を問い直す」ということが具体的にどういうことなのか、それは現行の資本主義の枠内で実践できるのか、具体的には明らかにされていない。また、昨今のSDG’sを重視する風潮が一時的なものでなければ、著者が諸悪の根元にあるとみる「個々の主体が自由に振る舞うが社会全体の問題には目を瞑る」というアダムスミス的分業が修正されていく可能性もなくはないだろう。しかしいずれにせよ、とにかく新書らしく明快で手軽に政治思想史のエッセンスに触れられるのは素晴らしいと思う。 Posted by ブクログ 資本主義に出口はあるか 荒谷大輔 インパク知9・9 かかった時間120〜150分 めっっっっちゃおもしろい!!! 個人的にはサピエンス全史と同じ種類のおもしろさ。帯に書いてあるのだが「ロックとルソー」で近代以降の社会を説明しきっている。 ロックが、あくまで労働者としての個人の意思決定に委ねた自由な経済活動を肯定する立場なのに対...続きを読むして、ルソーは一般意志的な概念?の参与者としての個人の確立を教養主義によってめざし、結果として存在するはずの、文化や民族の連帯に基づけば福祉も必要だろうという立場である、と分析したうえで、産業革命はロック的で、それの揺り戻しとしてルソー的な理想が目指されたけど、それは革命やら全体主義やらオカルティズムに変容する傾向があり、実際に苦い歴史も作ってしまった。戦後は、高度経済成長の目くらましのおかげで、本来は両立するはずのないロック的な経済活動とルソー的な福祉や終身雇用システムが噛み合っていたように見えるけど、やっぱりボロが出てきて、ロック的資本主義はもう限界だし、ルソー的な福祉はやってる余裕がないし、みたいな話だった。 面白い…書き切れないのでまた書くかも…いまのところ今年イチだわこれ。周りに勧めまくりたい。筆者にファンレターのひとつも出したい。 この方の専門書も読んでみようかと思うくらいには、エキサイティングでおもしろかった!!! Posted by ブクログ 荒谷大輔のレビューをもっと見る