2017年、マリーンズは球団史上ワーストのシーズン87敗を記録した中、監督交代で、この年引退した井口は監督に就任した。
しかも、マリナーズは井口が生まれた1974年以降リーグ戦1位になった経験がない
ロッテの黄金時代を築く、というゴールを設定し、
その上で、監督を受ける上で球団側に提示した条件がい
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☆コーチ陣の選定はできる限り自分の希望通り揃える事
→選手を指導するのはコーチの仕事、コーチを束ねる、コーチに任せて結果が出なければ責任を取るのが監督の仕事
監督自ら叱咤激励することはない(アドバイス適度ならある)
○コーチ人事
今岡真訪(現一軍ヘッドコーチ、当時は阪神の2軍コーチをしてた)の招集。
2軍監督を任せ、若手人材の育成に当てた。
ただ、2020年は打率がリーグ最下位だったため、2021年からは一軍ヘッドコーチを任せ、一軍の打撃力アップに貢献して貰えるようにした。
鳥越裕介(現二軍監督、当時はソフトバンクで2007-2017年の11年間コーチを務めてた)
一軍内野陣のレベルアップを期待した。
当時は鈴木大地しか一軍レギュラー経験者がいなかった。
ルーキーの藤岡をショート、燻っていた中村奨吾をセカンドで育てた
吉井理人(投手コーチ、それまでは日ハム→ホークス→日ハムで8年間)
投手の専門性は井口自身には無いから、投手の育成、起用法については基本的に任せる。ノーと言ったことはない。
(落合監督も同じ考え方)
○選手起用
基本スタンスは「レギュラーを固定する」
バレンタイン監督は真逆で、毎試合チームの打順やスタメンを変化させ、相手を錯乱したり、現有戦力で上手い勝ち方をしてきた。
ただ、黄金時代を作ろうと思ったらそういう「起用法」を上手くして勝つのではダメだと考えレギュラーの固定を意識した。
また、もう一つそう考えるに至ったエピソードが。
井口自身はレギュラーで長年活躍してきたが、晩年、ベンチや二軍での調整を経験する中であることに気づいた。
それは、一軍とニ軍の当落線上にいる選手が想像以上に「ミスを恐れている」こと。
試合に勝つとか以前に、ミスしたら、2軍に落ちるかも、という事ばかり意識している。
勝とうとかリーグ優勝しようとかでは無く、いかにしてミスを減らすかに目がいっている。
キャプテン制の廃止
打撃面、守備面、精神的支柱、などあらゆる面で鈴木大地一人に依存しているチーム体質を改善する事を分かりやすくチームに示すためにやった(もちろん、動きとしては鈴木大地が中心にはなるのだが)
また、それをする事で鈴木大地自身も自分のプレーに集中する事が出来ると考えた。
また、サードにコンバートさせ、二遊間を空席にした事でレギュラー争いを活性化させた。
この効果もあってか、鈴木大地は2019年にキャリアハイの数字達成した。
→キャプテン制は2021年から復活させ、中村奨吾が担っている。
○チームの雰囲気など、成績以外の貢献について
移籍してきた福田秀平、鳥谷、美馬などは若手の相談役になるなど、経験談に触れるなどして若手を育成したり、戦う姿勢をもたらすした。
荻野貴司は背中で語るタイプ。
ベテランが「自分はベテランだからこの程度で良いや」と手を抜き始めると途端に全体から緊張感が失われる。
ソフトバンクで言えば、和田毅、ライオンズは栗山巧など、強いチームにはストイックに練習に向き合うベテラン選手がいる。
その姿勢は若手にも引き継がれていく。
角中も同じようなタイプで、どんな打球でも一塁まで全力疾走する。
些細なことに思えるかもしれないが、この姿勢はチームの秩序を保つ上で非常に重要。
(一時期でいう、阪神の金本もそうだろう。)
チームの雰囲気や体質は少しずつしか醸成されない。
お金さえ出せば優勝するだけの戦力を整えることはできるかもしれないが、それでは真の黄金時代、強いチームになったとは言えない。