森信茂樹の作品一覧
「森信茂樹」の「資本主義をとことん考える」「消費税、常識のウソ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「森信茂樹」の「資本主義をとことん考える」「消費税、常識のウソ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
これからの日本を考える上でトピックはやはり税。主張はシンプルで「我が国も税制を変えることで、経済や社会をよみがえらせることができる」(P.6)。
具体的には「所得控除を減らして課税ベースを広げる。所得税を下げ、イメージ程には逆進性の高くない消費税を上げる。雇用と創業の意欲を高めるために国際的にも高い法人税を下げる。低所得者層への給付の充実。高所得者の所得を捕捉するために資産課税と相続税を強化。これらを実現する上でマイナンバーの有効活用は必須」。
「課税ベースを広げる(課税対象者を増やす)上に消費税増税、法人税減税。出た、財務省(著者はOB)の弱者いじめ。しかもマイナンバーで国民背番号支配。ありえない」という結論は、本書を読む限り早計だと思う。実際、著者の主張は一貫して社会的弱者への就労機会の提供を通じた格差の縮小にある。
所得控除ではなく税額控除、課税ベースの拡大、の一番分かりやすい例は配偶者控除や生活保護だろう。一定の所得を超えて働いてしまうと急に課税されて手取りが減ってしまうため、労働時間を調整している人は多い。これは弱者が働くインセンティブを奪い、貧困からの脱却を難しくしている上に社会保障額が膨らみ納税者の不公平感を高めている。
税額控除は「税金は取るがその額を減らす、控除を使いきれないなら給付する」ことで、切れ目なく「働いた分だけ所得が増える」仕組みを構築する。そのためには一旦全員から税を取る(課税ベースを広げる)必要がある。税と社会保障の一体改革の重要性。
おそらくここに書かれていることは日経新聞を日常的に読む程度の関心があれば聞いたことのある話ばかり。実際、OECD諸国を中心に社会実験的としてもほぼ答えが出ているようで、明快な統計が根拠として本書にも収められている。ここでやり遂げなかったら日本は本当に途上国になる(格差社会が回復困難なまでに進行する)だろう。あとは、「『希望の増税』にしていく努力」(P.324)が我々に達成可能かどうか。
この誠実な本の主張が少しでもいきわたればよいのだが・・・
Posted by ブクログ
税金は素人の身ながら、タイトルを見て面白そうだと思い本書購入しました。結論から言うと、初心者の人間にもわかりやすく解説されていると思います。またGAFAなどの大手デジタル・プラットフォーム企業が大規模な租税回避をしている、というのは新聞等で知ってはいましたが、改めて各社違うスキームを用いているというのがわかり勉強になりました。本書から学んだのは、経済のデジタル化は税制の在り方を根幹から覆そうとしているということです。音楽業界ではデジタル・ディスラプション(デジタルによる破壊的な影響)が起きていると言われていますが、税制の分野にもデジタル・ディスラプションの波が押し寄せているということです。
税に関して現状何が起こっているのか、についての分析編は大変勉強になったのですが、一点気になったのは、著者が描く未来像がかなり悲観的だということでしょうか。もちろん、そういう悲観的な未来像を描かない限り、ドラスティックな税制改革を提案する意味はないわけですが、恐ろしい未来像を国民に想像させたうえで税金のプレゼンスを今以上に高めようとしているかに見えて、あまり良い気がしませんでした。また本書の最後では、国がロボットに対する直接持ち分を持ち収入を得る、というシナリオも描かれていますが、それこそ「1984年」的なディストピア社会ではないかという気もしました。ただいずれにせよ、こういう議論を国民がしていくことが大事なんだ、というメッセージと受け取りましたので、本書は啓発的であったと思います。
Posted by ブクログ
消費税に関する誤解を1つ1つ解き明かし、消費税の増税を強く主張する本。いかに本書で紹介された消費税に関する誤解を少しばかり紹介する。
☆経済成長すれば消費税増税は必要ない?
・・・経済成長すれば国債の支払い金利も上昇するため、経済成長による増収を相殺してしまう。
☆埋蔵金を使えばいいのでは?
・・・そもそも埋蔵金など存在しない。埋蔵金がもしあったとしても使って終わりである。
☆物価が上昇し国民の生活に悪影響→経済の停滞
・・・消費税は業者(小売りや卸、製造業など)から徴収している。業者にとっては消費税は原料の値上げなどと同じようにコストの上昇である。そのコストの上昇分を価格に上乗せするかは各々の判断なので必ずしも物価が増税率通りに上昇するわけではない。また、消費税の増税により将来への安心感が増し、消費が伸びる事で経済成長が実現する事も考えられる。
益税の問題、中小企業が消費税分を価格に転嫁できない、逆進性の問題にも分かりやすく答えている。三木義一氏の『日本の税金』(岩波文庫)と併せて読む事をオススメしたい。
僕の意見は消費税増税賛成である。
反対派の著書も一度読んでみたい。