古橋一浩の作品一覧
「古橋一浩」の「小説 劇場版 はいからさんが通る」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ラノベ
激動の時代、花の東京浪漫譚
満州へと旅立った前編。幾つもの試練が紅緒に降りかかっていく
ボタンの掛け違いか、それとも運命の悪戯か
激動の時代に翻弄されているという意味では紅緒もラリサも同じ存在か
紅緒のひたむきさは女嫌いの青江をも魅了されていくが、彼女は何処までも忍一筋。仮に婚約破棄になっても
それでも他の男性に揺るがないところも、昨今の逆ハーヒロインと違っていい。こっちまで人間的に好きになってしまうよ
一方で忍(=ミハイロフ侯爵)にも試練が訪れる。二人の間に揺れ動くのは恋愛モノの鉄板だがこればかりの理由はね……。
二股どころか何股かけて楽しんでる昨今のハーレムモノの主人公と違い、彼自身の誠実さ故の苦悩か
そんなボタンの掛け違いは、忌まわしき災厄で全てリセットされる。残念ながら激動の時代はこの後も続いていき
東京が焼け野原となった震災以上の悲劇が日本を覆う。紅緒や忍、彼ら彼女らはどんな人生を送ったんだろうか
大正から昭和、平成、そして令和へと受け継がれていく
2017年11月11日の前編、2018年10月19日の後編とリメイクされた映画は
興行的に失敗したらしいが、これを映像化した意義は大きい。古き良き少女漫画の底力を感じさせた
紅緒、花の17歳とその青春
実写からアニメと様々なメディアで映像化されていたが自分が観たのは某アイドルユニットの
ショートストーリーだったので、いざ実際に詳しい話として見た事はほぼなかった
前編の感想を述べると面白い。大正デモクラシーの中で自分らしい生き方を模索するのは現代と何も変わらない
今でこそ個人の自由が尊重されているが一昔前までは「家同士の都合」が主流であり、紅緒や忍も当人の生まれる前に
交わされた不条理な約束を強いられている。自由とまさに真逆の風潮だ
お転婆な紅緒が自身の行動で様々な失敗と騒動を招くも、結果的にそれが功を奏する場面も少なくない
それは華族という特権に縛られてきた伊集院家に「新しい風」を取り入れたい忍にしても新鮮に感じており
当初こそ「おばあ様のために」と割り切っていた彼自身に変化をもたらしている
一方で許嫁という形で不本意だった紅緒が段々と忍に惹かれる変化もニヤニヤしてしまう
ありのままを受け入れてくれる相手ならお転婆でもそりゃ恋に落ちるわな
ようやく心が通じ合い始めた時、奇しくも紅緒のお転婆で暗雲が立ち込めたのは皮肉過ぎる
許嫁という縛りをなくした彼女が取った行動は今の世からすれば場違いかも知れない、損だと言う人もおるだろう
けれど打算だらけ(無論全てではないが)の現代と比べれば何と気丈で美しいのか
創作の世界とはいえ、戦前の女性はこういうご婦人が多かったんだろうか
そんな事をふと読んでて思っていた