伊藤詩織の作品一覧
「伊藤詩織」の「裸で泳ぐ」「Black Box」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「伊藤詩織」の「裸で泳ぐ」「Black Box」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
ずっと読みたい、読まなければと思っていた本。
何度も挫けそうに、心が折れそうになりながら、涙を流しながら、この本を書きあげた伊藤詩織さんの姿が想像でき、私も何度も涙が出た。
彼女が受けた被害を綿密に書き記すというよりも、「あの時、私はどうすればよかったのか」、「日本にこんな制度や機関があればいいのか」など、今後この本を手に取る読者に向けた情報が至る箇所に盛り込まれており、「もし自分がこの状況に陥ったら」と想像しながら読み進めた。私が伊藤さんの立場になっても、震える足で警察に電話したり、緊急外来に駆け込んだりなんてできない。ましてや、汚された服、傷ついた身体を放って他人に助けを求めるなど、できるはずがない。何も知らない状態だったら、多くの被害者が伊藤さんと同じように行動するだろう。
そんな、彼女の「後悔」が、今後も多くの被害者の手助けになるだろうと思った。
また、実際に被害者として受けてきた偏見や批判、理不尽な圧力なども丹念に描かれている。加害者が、政界と密接に関わる大物だったことも関係しているのか、捜査は難航を極めた。伊藤さんはその度に、幾度も心が折れそうになりながら、食らいついた。時には膝を折り、動けなくなる日々もあったという。私は、彼女と同じ仕事に就く身として、この話を絶望的な目線で読み進めた。自分が入る世界は、こうなんだなと思い知らされ、打ちのめされた。正直、自信がなくなった。
同時に、伊藤さんのように闘い続ける女性を、もっと知りたい、聴きたい、書きたい、そしてできることなら支えたい、力になりたいとも思った。
これからの私の人生にも大きく影響する本だった。
伊藤詩織さんを、今後も陰ながら応援しています。
Posted by ブクログ
裸で泳ぐ 伊藤詩織 岩波書店
題名にも馴染めないまま
ドキュメントとエッセイの違いを考えながら
やっぱりエッセイはこそばゆくて苦手だと思いつつ
それでも読んでみた
伊藤さんは自分がADHDだと自己判定しそこをチャームポイントとしているようだけれどそれこそが正常だと思う
私には普通とか正常な人間がどんなモノなのか考えも及ばないし
ドコカシコ歪んでいるのが普通の人ではないかと思う
しかし世の中では当たり前のように自分は正常だと思い込んでいるらしい人でいっぱいである
個性やそこから起こる偏見や差別や比較自体が歪みの証拠だ
反面教師との出合いから逃げるか学ぶかで
人生が真逆になる
競争原理からなる不安恐怖を選ぶか
切磋琢磨からなる相乗効果を選ぶか
この世はこの二つが織りなすことで
成り立っている紙一重の選択だ
伊藤さんは自らの体験の中で
逃げずに学ぶ方を選んだようだ
気付いてみると
これはエッセイでなく
日記の拾い読みだったのだから
妙にリアルなのも当然だ
読む程にニホン語が綺麗だと気付いた
多分英語もドイツ語もスペイン語も
きれいに紡ぐのだろう
Posted by ブクログ
伊藤詩織さんが「ブラックボックス」以来初めて出版したエッセイ集「裸で泳ぐ」。
私の詩織さんへのイメージは、「強くて賢い人」。でも、性被害に遭ったことを実名で公表し、激しいバッシングにも遭い、それにともない名誉毀損の裁判を闘ってくる中で、傷つけられ、不安定になり、悩み、迷い、大小様々な揺らぎがあったことがこのエッセイを通して知ることができる。
それと同時に、ペルーの「コカイン谷」と呼ばれる街や、アフリカのシエラレオネに女性器切除の取材に行ったり、危険を伴う取材にも果敢に取り組んでいるを育てているのには、ものすごい度胸があるのだなと驚かされた。
韓国でのハルモニとの対話、裁判で支援してくれた仲間、昔からの親友、イギリスへ呼んでくれた日本人など、様々な人との出会いを大切にしていきたこと、出会った人たちの存在に救われてきたこともそれぞれのエピソードから伝わってくる。辛いものやお酒が大好きなことも。
その他、英語が堪能で様々な言語に触れてきた詩織さんならではの日本語に対する違和感や疑問や、子どもの頃に遭った理不尽な出来事、家族や恋人との葛藤や衝突についても赤裸々に綴られている。
「被害者」としての経験を抱えながらも、強い信念を持ち、自分らしく生きるために懸命に生きる人の姿がここにはある。私はその姿にとても励まされた。
Posted by ブクログ
私の認識の中では、著者の伊藤詩織さんは、実名・顔出しで性犯罪被害を告発し、また悪辣なネット上の誹謗中傷者と闘う孤高の闘士と思い込んでいた。しかし、本書で綴られる伊藤詩織さんは、自分の生い立ちをふり返り、自分に正直に、真っ直ぐに生きてきた高校・大学時代、そしてジャーナリストとして活動した実績などを通じ、日記を元に自身の人生を行き戻りしながら振り返る。時に性犯罪被害者として激しいフラッシュバックによる心の微妙な変化と揺れ。親友やパートナーに支えられた人生観など、多彩な交友関係を通じて、支え、支えら、悩み、もがき苦しむ様を吐露する伊藤詩織さん。我々が、性犯罪被害やネット被害を受け苦しんでいる人を理解し、自ら考えて発言し、これからどのように行動すべきかを考えさせられる1刷となった。