本書のねらいは、パワハラと指導の境い目がどこにあるのか、どうすればパワハラにならない効果的な部下指導ができるのかについての解説です。
加害者も被害者も人生が変わってしまう、パワハラを防ぎ、どうすれば、生産性の高い、快適な職場で仕事ができるのか、ひとつの社会的なものさしを指し示してくれる本です。
...続きを読む気になった点は以下です。
■パワハラとは
加害者だけでなく、企業も責任が問われる
裁判に至る前にできることがある
快適な職場は、自らつくり上げなければ、世界中のどこを探しても存在しない
厚生労働省のパワハラの概念
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる好意」
力関係に優劣がなければなりません。対等であれば、対立、ケンカとなります。
■パワハラとはどんな行為
暴力
暴言、人格否定
執拗な叱責、恐怖を与える
長期にわたる無視
能力にみあわない仕事を与え意欲を低下させる
■パワハラが深刻化するプロセス
①ちょっとした仕事のミス
②熱心な指導、注意
③ヒートアップ
④精神障害、休職、退職
■パワハラの起きやすい職場
閉鎖的な職場
忙しすぎる職場、暇すぎる職場
人や仕事のマネジメントが徹底されていない職場
■さまざまなハラスメント
セクハラ 性的いやがらせ
モラハラ パワハラと同じ意味
マタハラ 妊婦・出産・育児
ジェンダーハラスメント セクハラ、パワハラに発展
ケアハラ 介護離職
■ハラスメントの共通点
Noといえない力関係
侮辱された感覚を伴う
だれもが加害者にも被害者にもなりえる
エスカレートする
言語と非言語とで行われる
■パワハラのレベル
1:犯罪行為
2:労働法に抵触
3:社員がメンタル不全、安全配慮義務に抵触
4:悪意ある排除 退職へのいやがらせ
5:行き過ぎた指導 悪意はない
6:部下側がパワハラを誘発
■パワハラへの注意
嫌悪感、不安をぶつけてしまう
過大要求
マイクロマネジメント
完璧
他人を喜ばせよ
努力せよ
強くあれ
急げ
■どう指導するのか
行為を叱って、人を叱らず
部下のミスや素行不良を厳しく叱るのは、上司の大切な仕事
適切な叱責や指導は部下の成長のために必要不可欠
人格否定や非難はパワハラに
正すべき行為を明らかにして、それについて指導する
指導において焦点を当てるのは、行為、言い方、態度、判断
叱るときに意識すべきは、公平性
メールやLINEは使わない
真摯な態度で話を聞く
ねぎらいの言葉をわすれない
Iメッセージ 私は~です
YOUメッセージ は相手に責任があると思わせてしまう
コミュニケーションはキャッチボールと考えよ
目次
はじめに
第1章 社会問題化するパワハラ
第2章 パワハラとはそもそも何か
第3章 職場で起こるさまざまなハラスメント
第4章 パワハラと指導の境い目はどこにあるのか
第5章 パワハラへの対処法を知る
第6章 パワハラにならないコミュニケーションを身につける
おわりに
ISBN:9784532113971
出版社:日本経済新聞出版社
判型:新書
ページ数:208ページ
定価:860円(本体)
発売日:2018年08月10日