島田慎二の作品一覧
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ユーザーレビュー
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部下にゴミを拾うことを言っていた自分としてはドキリとしたので購入。
インパクトのあるタイトルで売る、いわゆるタイトル詐欺の可能性が高いだろう、と思っていたが、そんなことはなく、タイトル以上に得るものの多い本だった。
著者はBリーグ千葉ジェッツふなばしの経営母体を再建し、Bリーグトップクラスのチーム
...続きを読むにまで引き上げた辣腕。その経営方針の根底には「経営理念」があることを説く。PDCAや人事評価、そして行動のひとつひとつに至るまでが、経営理念に基づくもの。それはタイトルにある「オフィスのゴミを拾う」ことから、喫煙禁止・デスクのスマホ禁止等、一見メンバーに反発されそうな方針までも納得させるものである。
経営理念やビジョンの重要性を説く本は多いが、この本の主張はなかなかにグッと刺さるものがあった。著者が元々は経営で大きな失敗をしたこと、今ではBリーグを牽引するような立場になっていることも説得力がある。
内容から、直接の対象は「中小企業の経営者」に向けたものと言えるだろうが、チームリーダー等、一定の方針をもってメンバーを主導する人には大いに参考になると思う。何より、バスケが好きだから、という動機だけで働いていた人々を、ビジネス上での成功に導き、「好き」だけで仕事をしていた時よりもいきいきと働けるようにしたという事実は、「好きなことで起業したい」と思っている思っている人にとって非常に参考になると思う。
むしろ、そういう起業家に向けたタイトルにすればいいのに…。
Posted by ブクログ
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スポーツと地域のセンターピンを見つける、動かす
クラブ経営者、リーグ経営者としてステークホルダーと自社組織の利益を最大化する考え方と行動を知る
■概要
ジェッツの社長時代の話(前著のまとめ)とリーグチェアマンとしての考え方がまとめられている。華やかなに見えるスポーツビジネスの世界で、地道にスポン
...続きを読むサーを獲得し、集客につなげるミソと順序がよく分かる。
また各クラブのユニークな取り組み「how-to」が見てとれるのも面白い一方で、本質的な目的や論点は共通しているのも学びになる。宇都宮や琉球といった人気クラブ、DeNAのエッセンスと川崎市との協力関係を築く川崎、典型的な企業チームからホスピタリティ1位となった三河、課題先進県でオーナー企業もないながら存在感の強い秋田。どれもリーグをけん引するクラブであり、スポーツビジネスに関わる人に学びが多い。どうやらBMBと呼ばれるBリーグのクラブ間ナレッジシェアの取り組みがあるらしく、全体のパイを拡大させる取り組みの様である。
■解釈と所感
①ここを解決すれば!という解くべき問い、すなわちイシューを見つけて解を考えやり抜くのが経営者第一。
②どう考えても今のセンターピンでは次のステージに行けない時にセンターピンを動かす(別のピンを用意する)のも経営者の仕事
もちろん①②共に大切だし、まず①ができないとクラブは成長しない。一方で②ができる経営者こそ名経営者。"夢のアリーナなんてもっと後でいい"という声も分からなくもないが、今の"体育館"ではいずれ限界が来るという先見の明が素晴らしいと思う。
・特にアリーナ
アリーナは供用開始まで息が長く、長期的かつ不可逆的な観点が必要だし、現状の演出がいくら素晴らしくとも、クラブのスタッフの設営撤収の負荷を考えるとサスティナブルではない。また自由に日程が決められないと他のエンタメにも悪影響だし、他の地域スポーツや市民利用にも弊害あり。そこを早くから行政や民間のステークホルダーに訴えていくためにも、将来構想にアリーナ基準を設けたのには膝を打った。審判とチケットシステムも何とかしてほしい(これも一朝一夕ではない)し、やらない言い訳をしてはならないものの、アリーナの重要性を分かってない人はこの本を読むか地元のクラブ経営者にインタビューしてみるとよく分かると思う。
・地方創生のためのリーグとその仕組み
なぜ昇降格のないエクスパンション型リーグなのか?スポーツ好きだと昇降格のダイナミズムは残してほしくなる。ただ競技投資が過剰になるのはサスティナブルではない。また長い眼で選手を発掘、育成もできなくなる…
しっかりと各クラブで時間軸を設定して、競技も事業もやっていきましょう、という意味で競技成績による昇降格の廃止は納得できる。これも本質や意図を分からずに「ビッグクラブ有利、地方排他!」と叫ぶ人がいるが、よく本書や著者のnoteを読んでから反論した方が良いのではないか?と思う。そもそも今の競技成績による短年昇降格が果たして良いのか?むしろその方がビッグクラブ有利では?とも思うし。この辺は葦原さんや大河前チェアマンらの意見も聞きたいところ。
Posted by ブクログ
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この題が意味するところを読むほどに納得。中小企業はワンマン社長の方がいいというのも納得です。ただし、正しいワンマンというのがいい。
Posted by ブクログ
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経営理念は全てのアンカー
ステークホルダーだけでなく組織内、何より自分自身への説明責任の道標(アンカー)として、経営理念を大切にしましょう。
■概要
経営理念をちゃんと決めて、それに基づいた行動や評価をしよう。至極当たり前のことが書かれているように見えるが、実際これができている企業は少ない。当た
...続きを読むり前に聞こえるようだが、実は難しい経営理念の実践、そもそも経営理念とは何か?を著者の経験を基に解説する。
著者は現Bリーグチェアマンであり、千葉ジェッツ元社長で有名だが、ジェッツ社長就任前は自身で旅行代理店を経営していた✈️。その時の苦い経験やジェッツ立て直しの経験から経営理念をどう社員の行動に落とし込むかまでを具体的に解説。
・経営理念は抽象的で良い
だからこそ言語化が難しい。期限や定量化されたゴールは目標であって理念ではない。理念は不変的なもの。例えば「関わるすべての人にハッピーを」が理念だとすると、"関わる人"って誰?やハッピーとはどんな状態?定義は?とあえて考える(具体化する)余地が生まれる。だからこそ抽象的で良いのだ
・経営とは可視化である
伝わりやすいかたちで「 見える化」 できるかが重要 。「もしかしたらできるかも?」「この社長についていったらできるかも?」とスタッフに思わせられるかどうかが鍵。高頻度かつ具体的なフィードバックもそのために行う。
・共感を呼ぶストーリー、そこにも可視化が必要
■感想
島田さんと少しでも同じ目線で働くために必要な視点が分かる。行動目標を緻密にするのも一見マイクロマネジメントに見えるが、すべて理念とどう紐づくかを説明できれば煩わしくなく、納得感が生まれるのだろう。ステークホルダーが多く、「説明責任やアカウンタビリティー」が求められるスポーツ組織において、まずは自分自身や組織内に説明できること(納得感)が大切で、そのアンカーとなる⚓️ものが経営理念なのだと理解した。
さっと読めてしまうのでありがたい一方で、学びを心に留める工夫が必要でした。
Posted by ブクログ
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