部下にゴミを拾うことを言っていた自分としてはドキリとしたので購入。
インパクトのあるタイトルで売る、いわゆるタイトル詐欺の可能性が高いだろう、と思っていたが、そんなことはなく、タイトル以上に得るものの多い本だった。
著者はBリーグ千葉ジェッツふなばしの経営母体を再建し、Bリーグトップクラスのチーム
...続きを読むにまで引き上げた辣腕。その経営方針の根底には「経営理念」があることを説く。PDCAや人事評価、そして行動のひとつひとつに至るまでが、経営理念に基づくもの。それはタイトルにある「オフィスのゴミを拾う」ことから、喫煙禁止・デスクのスマホ禁止等、一見メンバーに反発されそうな方針までも納得させるものである。
経営理念やビジョンの重要性を説く本は多いが、この本の主張はなかなかにグッと刺さるものがあった。著者が元々は経営で大きな失敗をしたこと、今ではBリーグを牽引するような立場になっていることも説得力がある。
内容から、直接の対象は「中小企業の経営者」に向けたものと言えるだろうが、チームリーダー等、一定の方針をもってメンバーを主導する人には大いに参考になると思う。何より、バスケが好きだから、という動機だけで働いていた人々を、ビジネス上での成功に導き、「好き」だけで仕事をしていた時よりもいきいきと働けるようにしたという事実は、「好きなことで起業したい」と思っている思っている人にとって非常に参考になると思う。
むしろ、そういう起業家に向けたタイトルにすればいいのに…。