現役プロレスラーのケンドー・カシンが自身の半生を赤裸々に語ったインタビュー本。
カシン初の書籍発売の情報が公になった時は仮に「ケンドー・カシン自伝」とされていたのですが、後に決定した書名は『フツーのプロレスラーだった僕がKOで大学常勤講師になるまで』。
やっばいですよね。やっぱり普通じゃないなって
...続きを読む思いましたよね。
私が最も熱心にプロレスを観ていたのは学生時代で、新日を中心にバトラーツやFMWなど、札幌で興業がある時は頻繁に会場に足を運んでいました。
中でも一番好きだった選手がカシン。もー、一挙手一投足何もかもがかっこよくて仕方がない。
花道で集まって来るファンを蹴るんですよ。信じられない。でも私も蹴られたくて「今日こそは!」とか息巻いてカシンの出番の前の試合あたりから花道に陣取るんですけど、いざ本人を目の前にするとやっぱ怖えー!!!ってなって辛うじて指先で肩に触れるのが精一杯、みたいな。
他にも「俺はプロレス界に必要ない人間だからいつ辞めたっていい」って言い出したり、認定証破いたりベルトを足蹴にしたりそうかと思えば勝手にオリジナルのベルト(むちゃくちゃかっこいい)を作ってきたり、まさに『異端児』って感じで心底痺れていたのであります。
大学卒業後は仕事に追われ、観戦の機会もプロレス系週刊誌を手に取ることも少なくなって行き、ここ数年はカシン要素ほぼゼロの生活を送っていたんですけど、Twitter等でまた色々な情報に触れるようになり、丁度カシン熱が再燃している所に今回の自伝出版。
これまで断片的にしか知らなかった事や推測するしかなかった事が、カシン本人の口から語られる日が来るなんて……。
まず『フツーのプロレスラー』になるまでが既に波乱に満ちているし、デビュー直後にまだ自身のカラーを決めかねていた時期の話も「どうなっちゃうんだろう……」って手に汗握ってしまうし、ブレイクした瞬間のエピソードには興奮してこっちまでコーナーポストに駆け上りたくなるし、PRIDE参戦や全日移籍の経緯にはめちゃめちゃ驚いたし、それ以降(丁度私がプロレスから離れていた時期)にあった裁判沙汰の顛末は当然の事ながらWikipediaで読んだ印象とは全然違っていて。
「この本を読めば、永田裕志、中西学以外は、改めてカシンを好きになるはずである。」(“それがカシンという男ではないのか“より)
なりました。
10冊くらい買って知人に配り歩きたい気持ちです。最高。