作品一覧

  • ハル遠カラジ
    5.0
    1~4巻693~825円 (税込)
    たとえそれが、人でなかったとしても。 これでも私は、身のほどはわきまえているつもりである。 武器修理ロボットとして、この世に産まれた命。 本来であればその機能を駆使して人間に貢献することが、機械知性の本懐とも言えるだろう。 しかし、どうもおかしい。 人類のほとんどが消え去った地上。主人であるハルとの、二人きりの旅路。 自由奔放な彼女から指示されるのは武器修理のみに留まらず、料理に洗濯と雑務ばかり。 「やるじゃねえか、テスタ。今日からメイドロボに転職だな」 全く、笑えない冗談である。 しかしそれでも、ハルは大切な主人であることに違いはない。 残された時を彼女のために捧げることが、私の本望なのである。 AIMD――論理的自己矛盾から生じる、人工知能の機能障害 私の体を蝕む、病の名である。 それは時間と共に知性を侵食し、いつか再起動すらも叶わぬ完全停止状態に陥るという、人工知能特有の、死に至る病。 命は決して、永遠ではないから。 だから、ハル。 せめて、最後のその時まで、あなたとともに――。 第11回小学館ライトノベル大賞ガガガ大賞を受賞した『平浦ファミリズム』の遍柳一がおくる、少しだけ未来の地球の、機械と、人と、命の物語。 ※「ガ報」付き! ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
  • 平浦ファミリズム
    3.8
    1巻726円 (税込)
    家族がいれば、それでよかった。 五年前、ベンチャー企業の社長である母を亡くした平浦一慶。残されたのは、喧嘩っ早いトランスジェンダーの姉、オタクで引き籠りの妹、コミュ障でフリーターの父だった。かく言う一慶も、高校にもろくに通わず、母から受け継いだエンジニアとしての才能を活かし、ひとりアプリ開発に精を出す日々を送っていた。 そんな一慶をなんとか更生させようと、毎日のように電話をかけてくる担任の天野小春や、優等生であるがゆえ嫌々ながら彼にからんでくるクラスメイトの千条真理香。それぞれのエゴを押し付ける周囲に辟易しつつも、親のためにも高校くらいは卒業しようと中途半端に学校に通い続ける一慶。 そんなある日のこと、一慶は、いじめられていた小学生の女の子を偶然救ってあげたことが誤解を生み、児童暴行未遂の嫌疑をかけられ、学校側から退学処分を言い渡されてしまう。家族、教師、クラスメイト、様々な想いが交錯する中、一慶はずっと胸の奥底にひた隠してきた自分自身の心に、もう一度向き合わざるを得なくなる……。 『BLACK LAGOON』の著者・広江礼威氏も絶賛した珠玉の青春小説。第11回小学館ライトノベル大賞・ガガガ大賞受賞作品。 ※「ガ報」付き! ※ガガガ10周年電子特典!シリーズ既刊すべてのカバーイラスト付き! ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

ユーザーレビュー

  • 平浦ファミリズム

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    すげえ青の匂いがする青春小説
    主人公の価値観が文章に落とし込まれている た、溜まんねえ~~~!!!

    やっぱ怖いスね普通の人間は
    そりゃ~他人と関わろうとしないし、他人からの干渉をつっぱねるようになるし、家族以外の人間を信用しようと思わないよね

    なんでもかんでも一人でやろうとしたら過労でブッ倒れた一ノ瀬(姉)が登場したあたりで「一人で出来ることには限界がある」=「一慶に出来ることも限界がある」と示唆されており、いずれ限界にぶち当たるんだろうな~とワクワクしながら読み進めていた 
    まさかパワー系犯罪の人海戦術で潰されることで限界を覚えるとは思っていませんでしたね

    0
    2025年08月03日
  • 平浦ファミリズム

    Posted by ブクログ

    母を亡くし機能不全した家族が再起する話です
    作者の人生哲学がみっちり詰め込まれています

    神童かつ不良というラノベ主人公のテンプレが主軸に進みます
    厭世な主人公が自己と他人を信じ始めることで話がオチます
    家庭と学校の2つの社会を行き来し、周囲の人間を含めて葛藤を詳らかにしていきます
    どのキャラが吐くセリフも全て哲学的で、すべてにメッセージが込められており無駄がありません
    全ページに哲学的な含蓄に富んでいて、よくできていました

    不登校の妹を通して、家庭と学校を繋ぐ展開の器用さもよくできていました
    不登校の女児を、主人公の通う高校にこっそり連れて行くシーンも、絵になりました

    教師の「良いことを

    0
    2024年06月02日
  • ハル遠カラジ

    Posted by ブクログ

    孤児のヒロインと保護者代わりのロボットが旅するのは、人類のほとんどが消失したポストアポカリプス世界。
    ふたりの関係性も世界観も全部ツボです。すべてがエモくて最高すぎる。

    0
    2023年03月24日
  • 平浦ファミリズム

    Posted by ブクログ

    どこか達観している主人公と家族の話。二部構成になっており、行きつく先が大きく異なる二つの物語ですが、どちらも魅力的です。 ベンチャー企業社長の母親を失った主人公、平浦一慶。高校生ながらろくに学校にも行かず、アプリ開発を続け、家族を養っていました。 そんな中、彼はいじめられていた小学生を助けるも、学校から誤解を受け、退学処分を言い渡されます。学校なんてどうでもいいと思う中、家族、学校について改めて向き合うのです。 普通じゃないと称される人たちと、世間からの目。辛い様々を真っすぐ描いた青春小説です。

    0
    2018年06月30日
  • 平浦ファミリズム

    Posted by ブクログ

    ライトノベルっぽくない物語でした。

    物語自体は過去のトラウマから家族しか信じることのできない達観した主人公がラストに近づくに連れ
    て葛藤の中他人を認めていく感じのストーリー。

    キャラクター一人一人に個性があって凡人のいない世界線でちょっと持つもの悩みみたいなのを感じた。

    家族愛に溢れていて温かい素敵な作品でした。

    0
    2024年01月25日

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