【感想・ネタバレ】平浦ファミリズムのレビュー

あらすじ

家族がいれば、それでよかった。

五年前、ベンチャー企業の社長である母を亡くした平浦一慶。残されたのは、喧嘩っ早いトランスジェンダーの姉、オタクで引き籠りの妹、コミュ障でフリーターの父だった。かく言う一慶も、高校にもろくに通わず、母から受け継いだエンジニアとしての才能を活かし、ひとりアプリ開発に精を出す日々を送っていた。
そんな一慶をなんとか更生させようと、毎日のように電話をかけてくる担任の天野小春や、優等生であるがゆえ嫌々ながら彼にからんでくるクラスメイトの千条真理香。それぞれのエゴを押し付ける周囲に辟易しつつも、親のためにも高校くらいは卒業しようと中途半端に学校に通い続ける一慶。
そんなある日のこと、一慶は、いじめられていた小学生の女の子を偶然救ってあげたことが誤解を生み、児童暴行未遂の嫌疑をかけられ、学校側から退学処分を言い渡されてしまう。家族、教師、クラスメイト、様々な想いが交錯する中、一慶はずっと胸の奥底にひた隠してきた自分自身の心に、もう一度向き合わざるを得なくなる……。
『BLACK LAGOON』の著者・広江礼威氏も絶賛した珠玉の青春小説。第11回小学館ライトノベル大賞・ガガガ大賞受賞作品。

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※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

すげえ青の匂いがする青春小説
主人公の価値観が文章に落とし込まれている た、溜まんねえ~~~!!!

やっぱ怖いスね普通の人間は
そりゃ~他人と関わろうとしないし、他人からの干渉をつっぱねるようになるし、家族以外の人間を信用しようと思わないよね

なんでもかんでも一人でやろうとしたら過労でブッ倒れた一ノ瀬(姉)が登場したあたりで「一人で出来ることには限界がある」=「一慶に出来ることも限界がある」と示唆されており、いずれ限界にぶち当たるんだろうな~とワクワクしながら読み進めていた 
まさかパワー系犯罪の人海戦術で潰されることで限界を覚えるとは思っていませんでしたね

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

母を亡くし機能不全した家族が再起する話です
作者の人生哲学がみっちり詰め込まれています

神童かつ不良というラノベ主人公のテンプレが主軸に進みます
厭世な主人公が自己と他人を信じ始めることで話がオチます
家庭と学校の2つの社会を行き来し、周囲の人間を含めて葛藤を詳らかにしていきます
どのキャラが吐くセリフも全て哲学的で、すべてにメッセージが込められており無駄がありません
全ページに哲学的な含蓄に富んでいて、よくできていました

不登校の妹を通して、家庭と学校を繋ぐ展開の器用さもよくできていました
不登校の女児を、主人公の通う高校にこっそり連れて行くシーンも、絵になりました

教師の「良いことをした生徒は褒めてやりたい」と、退学を阻止しようとする金八展開もよかったです

一家に強盗が襲いくる危機に、周囲が駆けつけるシーンもよく、全体的にすごく青春してておもしろかったです
広江先生が勧めてるのでガンアクションも凄いのかなと思いましたが、そんなことはなかったです

どのキャラの葛藤も丁寧に書かれてあり、ムダなく見せ場があり、完成している青春小説でした

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2024年06月02日

Posted by ブクログ

どこか達観している主人公と家族の話。二部構成になっており、行きつく先が大きく異なる二つの物語ですが、どちらも魅力的です。 ベンチャー企業社長の母親を失った主人公、平浦一慶。高校生ながらろくに学校にも行かず、アプリ開発を続け、家族を養っていました。 そんな中、彼はいじめられていた小学生を助けるも、学校から誤解を受け、退学処分を言い渡されます。学校なんてどうでもいいと思う中、家族、学校について改めて向き合うのです。 普通じゃないと称される人たちと、世間からの目。辛い様々を真っすぐ描いた青春小説です。

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2018年06月30日

Posted by ブクログ

ライトノベルっぽくない物語でした。

物語自体は過去のトラウマから家族しか信じることのできない達観した主人公がラストに近づくに連れ
て葛藤の中他人を認めていく感じのストーリー。

キャラクター一人一人に個性があって凡人のいない世界線でちょっと持つもの悩みみたいなのを感じた。

家族愛に溢れていて温かい素敵な作品でした。

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2024年01月25日

Posted by ブクログ

1巻完結。
使い古された逆選民思想を持つテンプレートの孤高厨ヒーローが心地好いシナリオで平均点を貰う話。ライトノベルにしては挿し絵(各章の扉絵はある)やサービスシーンが無いんでラノベ視線で読まれるのは嫌だったんだろうね。
日本人形Jkと金髪JKは良いね。あのアイテムには驚いたよ。

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2023年10月29日

Posted by ブクログ

私はこの本で神格化されてる母親さんに対して、否定的な感想を持ってしまった。
リスクを呑み込んだ挑戦の果てが、家族を危機に追い込むことだなんて何とも馬鹿らしい。

白けた目を向けてしまう私も、この主人公のようにひねくれているのかもしれない。

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2019年08月08日

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