作品一覧

  • 中世ヨーロッパの色彩世界
    3.8
    1巻1,375円 (税込)
    明日、何を着ていこう――冠婚葬祭をのぞけば、服選びで色がもつ意味を気にする人はいないだろう。ところが中世ヨーロッパではそうはいかない。たとえば緑は恋を、青は誠実さを意味し、黄は忌避される色だった。中世の色は現代よりもはるかに饒舌で、絵画や文学で描かれた人々の衣服の色には、単なる色の美しさや好みを超えた、さまざまな意味が託されている。中世の人びとはどんな色に囲まれ、どんな気持ちで色を身につけていたのか、あるいは目の前の人物が纏う色から何を読みとっていたのか。 多彩な史料から複雑で精緻な色彩コードを読み解き、中世人の日々の感情生活を豊かに描き出す。あの絵画もこの伝説もいっそう深く理解できる、色が語る中世世界への招待!(カラー口絵付き。電子書籍版はオール・カラー図版) 待ちに待った初めての逢瀬。恋焦がれた女性が鮮やかな青に緑のオウムをちらしたドレス着て現れたら、相手の男性は有頂天になるだろう。なぜなら、そのドレスの意味するところは「誠実にあなたを愛します」。ところがある日、夢に現れた彼女が全身緑の衣をまとっていたら、悲嘆に暮れてしまうかもしれない。青が意味する誠実さに対し、緑は恋の色であると同時に変動の色でもある。彼女の心変わりが青を脱がせ、緑を着せたのだ――。 このように単なる色の好みや色づかいの美しさを越えて、中世の色は複雑な精神世界を織りなしている。「中世の色は饒舌であり、中世の人びとは意味もなく色をつけることはない」。たとえば黄色には負のイメージがつきまとい、縞柄は道化師や娼婦、気まぐれな運命女神のものである。権威と権力を示す赤、醜い色からやがて「悲しみの色」として大流行する黒……。 ブリューゲルやジョット、ヤン・ファン・エイクの絵画、数々の華麗な装飾写本の挿絵に、アーサー王物語をはじめとする騎士物語、貴族の家計簿や財産目録など多彩な史料から、当時の染色技術も視野にいれつつ、色彩に込められたメッセージを読み解き、色から見えてくる中世世界を描き出すのが本書である。 グリーンゲイブルスのアンはなぜ「赤毛」を嫌ったのか、ルーレットやバカラなどのカジノ台はなぜ緑のフェルトでおおわれているのか、囚人服は縞柄で、スーツにダークカラーが多いのはなぜなのか。現代社会に今なお息づく色彩に秘められた歴史に迫る!(原本:『色で読む中世ヨーロッパ』講談社選書メチエ、二〇〇六年) 【本書の内容】 序 章 色彩文明の中世 第1章 中世の色彩体系 第2章 権威と護符の赤 第3章 王から庶民までの青 第4章 自然感情と緑 第5章 忌み嫌われた黄 第6章 子どもと芸人のミ・パルティと縞 第7章 紋章とミ・パルティの政治性 第8章 色の価値の転換 終 章 中世人の心性
  • 写真でたどる 美しいドレス図鑑
    4.0
    1巻4,290円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 エリザベス女王からミニドレスまで。時代のファッションリーダーたちが身にまとったおしゃれでエレガントな本物のドレスで読む、16~20世紀の最新ファッション! ドレス好き必携!
  • 時代・人物ごとに詳しく解説! 和装・洋装の描き方
    -
    1巻1,600円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「和装」「洋装」の描き方のコツがひと目でわかるよう、丁寧なイラストで解説。和装は基本の着物の描き方、年代別人物ポーズ集など幅広く網羅。洋装は中世・近世ヨーロッパを中心に、貴族から騎士の描き方まで詳細に収録。

ユーザーレビュー

  • 中世ヨーロッパの色彩世界

    Posted by ブクログ

    中世の色彩の話は本当に面白い。「紋章学入門」と合わせて読めば、ヨーロッパ旅行に行った時も役立ちますよ。

    0
    2024年02月26日
  • 中世ヨーロッパの色彩世界

    Posted by ブクログ

    中世ヨーロッパにおける色観念がまとめられている。例や引用が多いのを「分かりやすい」ととるか「冗長」ととるか意見が分かれそうではある。個人的には前者だ。

    0
    2025年10月13日
  • 写真でたどる 美しいドレス図鑑

    Posted by ブクログ

    麗しの紳士服図鑑よりちょっと画像が大きい気がする?
    ともあれ、やっぱりドレスの方が気分は上がるかも(笑。
    16~17世紀のドレスは現物が残っておらず、肖像画の画像で代替されていたのが残念。
    そうね、いい生地やレースは使い回すものね…。
    素敵だなと思ったのがp80の側面にスカラップのある白地に花柄のデイドレス(1836~41年頃)。
    p83のタータンチェック風のツーピース・ドレスはまるっこいシルエットがかわいい(1855年頃)。
    p106には黒のシャンティ・レースとピンクのサテンのドレス(1888年頃)。
    バッスルタイプ。表面をほぼレースで覆ってあって、贅沢の極みっぽい。

    0
    2024年07月10日
  • 中世ヨーロッパの色彩世界

    Posted by ブクログ

    あまり好みの書ではなかったけど、とても勉強になった。黄色が忌み嫌われる色とは知らなかった…緑にも善悪色々な意味があることがわかり、その理由も納得!エメラルドは自分の誕生石でもあるので、始まりの色と言われてとても嬉しかった!

    0
    2024年04月05日
  • 中世ヨーロッパの色彩世界

    Posted by ブクログ

    ・徳井淑子「中世ヨーロッパの色彩世界」(講談社学術文 庫)は書名そのままの書であ る。本書は、「いわゆる色のイメージを中世ヨーロッパの世界に見ていこうとするものである。つまり、中世の人びとが自然の色にどのような感情を託し、またどのように色を創り、そこに社会はどのような意味を付与したのか、を解き明かすことを試みる。これは、逆に色を通して中世人のこころの世界と社会のありかたを見ていくことでもある。」(「はじめに」4頁)そこで「本書は基本的には衣服の色に関わる詮索を、ヨー ロッパのなかでも特にフランスを中心におこなっていく。」 (同5頁)ことになる。そのために中世の文学作品がある。これは、「それらの

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    2023年12月09日

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