牧口常三郎の作品一覧
「牧口常三郎」の「人生地理学」「創価教育学体系」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「牧口常三郎」の「人生地理学」「創価教育学体系」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
初版の段階で、将来の文明の中心をアメリカと予言し、地理学を究めたもののすさまじき実力を見せつけている。
競争の4段階(軍事、政治、経済、人道=道徳)の設定、その4段階目の人道的競争の構想は卓見としか言いようがない。それも、国家の目的をぶれることなく見抜いているからだろう。
第八版から第4編地理学総論を加え、緒言者への批判に答えたと巻末にある。
明治時代の新規学問を立ち上げる苦労を垣間見る。
・自国の平和のためには、単に兵力のみならず、敏活なる外交的活動を要する。
・バルジェス(バージェス)の3つの国家の目的。特に最終目的を人性の完成。人類を神たらしむる。ヘーゲル:道徳は国家の目的なり
・
Posted by ブクログ
鉱物学、植物学、生物学、人類学、気象学など該博な知識からなる巻。
蓮如と風、詩歌などの文学と動植物などの関係は前述部分と連なる。
人類学の部分は、当時の白人至上主義に否を突きつけ、本質を見る視点に舌を巻きつつも、現代の多様性ある平等にはさすがに至らない。
一人の生涯における階級に一般に言われる階級を反映させる視点は鋭い。
【目次】
第二編 地人相関の媒介としての自然
第十四章 無生物
一 無生物と物質的人生
二 無生物と精神的人生
三 無生物と文明
四 岩石の種類および成因
五 鉱物の産出状態
六 有用鉱物の分布
第十五章 大気
一 気界と人生
二 水、陸、気、三界の相互関係とその
Posted by ブクログ
1巻から続く各論。
軍事、詩歌、貿易、地質、生物などその扱っている範囲は広大。人生地理学の名に恥じない厚い記述。
今回は世界を論じ、日本の国家としての在り方(海洋の活用)を示唆する内容であった。
最後、伊勢志摩半島について、紙幅を割いている。行ってみたくなった。
・河の人間の情における影響は山の高崇峻秀等に比すれば、堅忍不抜、孜々として休まざること、および気宇の広闊、度量の雄大等にあるがごとし。
・湖沼と人心との交渉中最も直接にしてかつ最も顕著なるものは山と結合して絶景を表して人心を感動せしむるにあるがごとし。
・自主といい、独立というも、これただ政治上においてのみ。経済上においては等
Posted by ブクログ
明治36(1903)年の刊行。
人間と自然との関係を定性的に記述している。思考法がアクチュアルで、軍事、文明、宗教、気性についての記述が優れているのではないか。
国体、大和民族に言及した部分など時代の制約を感じるが、例えば日本についても単なる宣揚ではなく、その欠点も挙げ、全体的にはバランスが取れている。
時代を考えれば、驚くほど偏見に陥ることなく、断定的な物の言い方を避けている。世界はおろか宇宙を取り上げ、視野も広い。
1巻は、「人生地理学」という学問、書の題名の解題から始まって、郷土の重要性を説き、各論に入っていく。
この時期には日蓮に帰依していなかった牧口だが、日蓮への記述に加え
Posted by ブクログ
著者は創価教育学会(創価学会の前身)の創立者にして会長。そして,本書は明治36(1903)年に発行。日本で初めての地理学の学会は1879年創立の東京地学協会だが,まだ制度的な地理学は確立しておらず,この頃日本人によって書かれた地理学書といえば,明治27(1894)年に『地理学考』の書名で出版された内村鑑三の『地人論』や同じ年に出された志賀重昂の『日本風景論』(その前1889年に『地理学講義』あり)などがある。
一昨年度の講義で『地人論』を扱った際,本書も一緒に買ってちょっと読んでいたが,今回きちんと通読した。「人生」とは「人の生活」のことであり,人生地理学とは人文地理学とほぼ等しい。しかし,志