作品一覧

  • うっかりの玉
    4.0
    1巻1,155円 (税込)
    何をしに台所まで来たのかを忘れてしまったばあさまが、家の中に現れた青い着物の女の子から、忘れたものが入った玉を取り戻そうとする表題作をはじめ、おじいさん・おばあさんを主人公にした短編ばかりを集めたこれまでにない童話集です。著者の大久保雨咲氏は、身近な題材を鋭く、そしてあたたかく切り取る注目の童話作家。『うっかりの玉』は、高齢化社会の今こそ、子どもに、そして大人にも読んでほしい、新しい童話の形です。
  • ドアのノブさん
    3.8
    1巻1,265円 (税込)
    本棚の下に落ちている桃色のボタンが、クリップや五百円玉などと会話を繰り広げる「すきまの闇」や、大好きな家族が引っ越してしまい、取り残された玄関扉のノブの気持ちを描く表題作「ドアのノブさん」など、身近にある「小さなもの」に目を向けた短編童話集です。やさしくてユーモラスでありながら、ハッとさせる視点の鋭さ。童話界の新しい才能、おおくぼ雨咲(うさぎ)さんの作品を読むと、何気ない日常を見る目が変わります。

ユーザーレビュー

  • ドアのノブさん

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ボタン、ドアのノブ、濡れた靴下(の裏側)などを擬人化して、そこから見える世界を描いている。
    身の周りにあるものがこんなことを考えていたら、面白いなあ。
    「線のむこうがわ」
    木材から削られた木片の話。
    街のいろんなところを旅して、あるショーウィンドウでバイオリンを見つける。久しぶりの再会に驚いて「よくわかったね。」と言った時。

    「香りでわかる」
    「気配でわかる」
    「どんなすがたになっても、形がなくなっても、わかる」

    というバイオリンの答えにとても感動した。
    線のむこうがわに選ばれることのなかった木片も、腐らずに次に行きたい場所を見つけられるのも良かった。

    筆箱の赤青鉛筆の話は、彼らの運命を

    0
    2019年12月20日
  • ドアのノブさん

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    主役は日の目を見ることのない物たち。

    「人間はいつもそう。線をひくのが好きなのね。すっと線をひいて、あっという間に、あっちがわとこっちがわに分ける。」

    大人の心にも訴えかけるものがあると思う。

    0
    2024年06月29日
  • うっかりの玉

    Posted by ブクログ

    お爺さん、お婆さんが出てくるちょっと不思議な話ばかり。
    お年寄りの方が記憶を沢山持っているから?
    タイトルのうっかり玉は、その人が忘れてしまった記憶が玉になってころりと落ちているんだそうで。
    思い出せたら、玉も消えます。
    NHKのラジオドラマのような静かなあたたかい雰囲気だった。

    0
    2020年02月11日
  • うっかりの玉

    Posted by ブクログ

    台所の前までくると、ばあさまは「はて。なにしにきたんじゃろう」 しかたなく階段を上ってもどろうとすると、そこには見たこともない小さな女の子がすわっていました。そして、ばあさまがうっかり忘れた用事の“うっかりの玉”を拾ったというのです…。
    不思議な空気の短編が6つ。どれもおじいさんやおばあさんが主人公です。年を取ることがちょっぴり楽しみになるような、素敵な物語たちです。
    フリガナが少ないので、高学年以上ですね。

    0
    2018年01月07日
  • ドアのノブさん

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ドアノブや赤青鉛筆などのモノの気持ちを想像して表現したお話。棚の下に落ちたボタンとか、何かになるはずだった木片とか、なんか少し切ないけど最後に救われたり余韻が残る終わり方で、物を丁寧に使おうかなと思えた。

    0
    2017年11月01日

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