■パソコンやスマートフォンの使用習慣の強さと前帯状回という部分の小ささが関係していることが分かっている。
・これらを日常的に長時間使用していると脳の形が変わってしまう可能性がある
・前帯状回は注意の集中・切り替え,衝動的な行動を抑えるといった機能に関わる重要な領域の一つ
■長時間ゲームを行う子供は言
...続きを読む葉に関する能力が低く長期的にもその能力が発達しにくいこと,脳形態からは記憶や自己コントロール,やる気などをつかさどる脳の領域における細胞の密度が低く発達が阻害されていると考えることができる。
・ゲームをすることにより神経伝達物質(ドーパミン)が過剰に放出され
・ドーパミンが過剰に放出されるとドーパミンが作用する部分,特に大脳基底核にダメージを与え健全な発達を阻害する
■テレビを見る時間が長い子供ほど言語性知能が低く,3年後の変化量も小さいことからその後の言語能力の発達が遅くなる。
■動機は「内発的動機付け」と「外発的動機付け」に分けれらる。
・内発的動機付けは,その行動を行うことそのものから得られる満足感を理由として行動する場合を指す(勉強することが楽しい)
・外発的動機付けは,その行動をすることで自分への有益性や価値を得ることを理由として行動する場合を指す(合格するため。怒られないようにするため。)
■内発的動機付け
・①その行動が持つ興味深さや面白さといったことで高まる場合,②その行動を遂行して個人の欲求が充足されることで高まる場合の二つが考えられる
・「充足される欲求」とは,有能感,自律性,関係性という三つの欲求
・有能感とは,できる自分を感じること
・自律性とは,自分でその行動を選択したという自己決定した感覚を得ること(自分が頑張ったからだと感じられる)
・関係性とは,誰かとつながっていたい,守られたいと思う欲求
■外発的動機付け
・人間の多くの行動は外発的動機付けによる
・外発的動機付けには自主性に応じて大きく4つの段階がある
①もっとも自主性が低い外発的動機付けは「外的な調整」(報酬の獲得,罰の回避)
②「取入れ的調整」とは,罪悪感や不安を避けたりプライドを守るための行動
③「同一化調整」とは,その行動に個人的な価値があると考えるために行う段階で「自分にとって大切なことだから勉強しよう」というようなもの
④「統合的調整」同一化調整の段階での目的が完全に自分の価値観と一致し自然とその行動行うようになる
■内発的動機付けを高めるためには,その個人の難易度に合ったレベルに設定すること,適切な評価をすること,否定的な評価をされないとその個人が感じられることで高まる。(Deci & Ryan)
・難し過ぎず簡単過ぎない
・難し過ぎると達成できず,簡単すぎると達成感を得ることができない
■「笑顔」は子供にとって立派な報酬
・笑顔や褒められることは脳にとっては金銭や食べ物などの物理的報酬と同じ効果がある「社会的報酬」
・社会的報酬は目のすぐ上あたりの眼窩前頭皮質や中心部に近い「線条体」という領域で処理されている
・線条体は「脳のやる気スイッチ」
■「自分で選んで決めた」「自分ならできる」と感じさせる働きかけが重要
・やらなかったら叱ると言った脅しや,締切を設けること,指示することや競争させることは,自分で選んでその行動をしているという感覚(自律性)を減じてしまうため,内発的動機付けを低下させる関わり
・大切なのは自分で選択し,決定する感覚を得る機会を与えること(自律性)
・有能感(自信)を与えることも大切
・褒め言葉や笑顔といった「社会的報酬」でも有能感を高めることができる
■子供が親にしっかりと話を聞いてもらったと感じるか否かという会話の「質」が問題である。
・子供が話を聞いてい欲しいときにしっかりと話を聞いてあげるということ