作品一覧

  • サンマイ崩れ

    サンマイ崩れ

    小説・文芸

    3.7
    1巻638円 (税込)
    熊野本宮に近い山村が大水害で多くの死傷者を出したと聞き、僕は精神科の病院を抜け出した。奇妙な消防団員二人と老人とともに熊野古道を進み、崖崩れで崩壊した隣村の墓地にたどりついた僕が見たものとは? 熊野山地の集落で台風による山崩れが起こった。パニック障害と離人症性障害のため入院中だった僕は、いてもたってもいられなくて、病院を抜け出した。現地対策本部で出会った不思議な老人ワタナベさんと二人の消防団員とともに、土砂崩れで流された墓地の応急処置に向かうが…。第13回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した表題作のほか、書き下ろし中編「ウスサマ明王」を併せて収録する。
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1

    日本ホラー小説大賞《短編賞》集成

    小説・文芸

    3.3
    1~2巻924~946円 (税込)
    1994年から2011年まで日本ホラー小説大賞に設けられていた《短編賞》部門。賞の30周年を記念し、集成として名作が復活! 玩具修理者は壊れた人形も、死んだ猫も直してくれる――。小林泰三の色褪せないデビュー作「玩具修理者」。「10年に1人の才能」と絶賛された沙藤一樹が描く、ゴミだらけの橋で見つかった1本のテープの物語「D-ブリッジ・テープ」など計5編を収録。《大賞》とは異なる魅力があふれた、究極のホラー短編集! <収録作品> 小林泰三「玩具修理者」 沙藤一樹「D‐ブリッジ・テープ」  朱川湊人「白い部屋で月の歌を」 森山東「お見世出し」 あせごのまん「余は如何にして服部ヒロシとなりしか」 ※本書は日本ホラー小説大賞の短編賞受賞作の中から5篇を収録したアンソロジーです。
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成【全2巻合本版】

    日本ホラー小説大賞《短編賞》集成【全2巻合本版】

    小説・文芸

    -
    1巻1,683円 (税込)
    日本ホラー小説大賞、角川ホラー文庫の歴史を彩る名作たちが、まとめて読める! 小林泰三の色褪せないデビュー作「玩具修理者」。「十年に一人の才能」と選考委員から絶賛された沙藤一樹が描く、ごみにあふれた橋で少年の死体と一緒に発見された、一本のテープを巡る物語「D-ブリッジ・テープ」。町会館で見つけた古本を手にしたら……。異色の怪談、朱雀門出の「寅淡語怪録」など、計11編を収録。《大賞》では測れない、規格外の怖さ。奇想天外な《短編賞》の世界を味わってみませんか? <収録作品> 小林泰三「玩具修理者」 沙藤一樹「D‐ブリッジ・テープ」  朱川湊人「白い部屋で月の歌を」 森山東「お見世出し」 あせごのまん「余は如何にして服部ヒロシとなりしか」 吉岡暁「サンマイ崩れ」 曽根圭介「鼻」 雀野日名子「トンコ」 田辺青蛙「生き屏風」 朱雀門出「寅淡語怪録」(「今昔奇怪録」の原題)  国広正人「穴らしきものに入る」 *日本ホラー小説大賞《短編賞》受賞作から11編を収録しました。 ※本書は2023年11月刊行の『日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1』と『日本ホラー小説大賞《短編賞》集成2』を合本したものです。

ユーザーレビュー

  • サンマイ崩れ

    Posted by ブクログ

    翻訳会社を経営する著者が余暇の時間を使って書いた短編が第13回日本ホラー小説短編賞を受賞。なかなかの傑作だった。
    題作の『サンマイ崩れ』:パニック障害と離人症で3度目の自主入院中だった23歳の主人公が、紀伊半島を襲った集中豪雨と山崩れで過疎集落が孤立したとの知らせを受け、精神病院を脱走する。災害対策本部で出会った不思議な老人と粗野な消防団員と共に流された村の墓地へ応急処置に向かうが・・・。
    『サンマイ崩れ』は何より主人公のキャラが凄く立っていた。現実社会の絶望ビームから身を守るために人と距離を置きつつ時に無邪気な面を見せる主人公は愛着すら沸いてくる。そうしたコミカルな面とは対照的な暗澹・不吉な文体。救いようの無いクライマックスに向けて着実に坂を転がり落ちてくよう
    最終シーンは敢えて「小説構成上の大ドンデン返し」ではないという解釈をしたい。そっちのほうがむしろ前半部分で描かれた主人公の精神的な既往症と辻褄が合うような気がしてくる。全体的に重苦しくもどこか儚げな一編だったな。
    中編『ウスサマ明王』はかなり異色で他に類を見ないホラー作品。明治後期の南多摩・八王子の農民と近未来の防衛軍が不思議な形で交錯する。この新しい視点には驚かされた。同時に後半のおどろおどろしさはなかなかのもの。

    0
    2013年07月07日
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成2

    Posted by ブクログ

    日本ホラー小説大賞、角川ホラー文庫の歴史を彩る名作たちがまとめて読める短編ホラーアンソロジー。


    日本ホラー小説大賞30周年記念、受賞作がまとめて読めるホラーアンソロジーです。
    既読の作品は曽根圭介『鼻』のみで、ほぼ初読みでした。

    どれも面白かったですが、個人的に気に入った作品をいくつか。

    まずは田辺青蛙『生き屏風』。屏風に取り憑いた奥方の相手を頼まれる妖鬼の話。全く怖くはないです。怖くはないですが、緩やかに共存する人と妖のいる世界観や、奥方の気高さ、妖気と奥方の友情など、心温まる素敵な話。

    朱雀門出『寅淡語会録』は、町会館で見つけた地域の古い怪異が載った本から始まる話。御当地怪談、因習、民俗学など色々考えながら楽しめておもしろいです。完全オリジナルなのか、アイデア元の怪異があるのか分からないですが、語られる怪異もあまり聞いたことがなく、かつ本当にどこかに伝わってきそうなリアリティがあり興味深い。

    吉岡暁『サンマイ崩れ』。精神科の病院を抜け出してボランティアに行く「僕」の話。
    オチに意外性があり良かったです。心を病んだ「僕」の、常に追い詰められているような語り口も、息苦しさがあって良い。
    ワタナベさんいい人。

    0
    2026年08月05日
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成2

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ホラー小説大賞の集成1は、私には合わなかったため、期待せず読んだ。(1と2同時に買ってしまったので)
    でも、こちらの本はおもしろかった。「サンマイ崩れ」と「鼻」は、オチに驚いた。「トンコ」は、オチが切なかった。「生き屏風」はオチにほっこりした。「寅淡語怪録」は謎が多かった。(でもおもしろかったと思う)「穴らしきものに入る」はオチに笑った。

    ■サンマイ崩れ 吉岡 暁

    →ワタナベさーーん!!なんて素敵なご老人なんだ。元々いい人だったんだろうね。

    たまたま出会った「僕」のために、川を渡ってくれたんだ。てっきり、「僕」に悪霊か何かでもついているのかと思った。

    自殺未遂直後の記憶が全くなかったこと。ボランティアに来たと言ったのに、警察も役場の人も、何も言わなかったこと。アキやんは、ワタナベさんをあやしい、気をつけろと言うばかりで、僕には何も悪態をつかなかったこと。いつもは出る病気の症状が、何故かワタナベさん相手には出なかったこと。

    正直、文字も多いし、精神病を患っている「僕」
    視点では、読むのに苦労した。早く読み終わりたいと思いながら、1週間くらいかけて読んだ。
    でも、オチがすっごくよかった!!!!ワタナベさんの優しさに心打たれた。

    わざわざ病院を抜け出してボランティアに来た「僕」も、優しい人だったのかな?


    ■鼻 曽根圭介

    →どっちもどっちだね。通り魔が、ヒビノを襲わなかったら、こんなことにはならなかったのか?

    救国青年団の制服=私立の高校の制服?

    厨二病かよ〜。
    ヒビノといっしょにいた女は誰なんだ?それも自分の想像?

    どれが妄想でどれが真実なんだ!?


    ■トンコ 雀野日名子

    →トンコは人間から逃げているわけではなく、きょうだいたちの声がするほうへ移動している。

    豚は自分が食べられることに気づいているのかな。生姜焼きを見て、自分のきょうだいだって分かるのかな。

    場長が、トンコのかつてのきょうだいだった生姜焼きを丁寧に扱う様子はよかった。
    この話に出てくる人間はなんか嫌な感じ。公園でジャーキー(トンコのきょうだいだった)を巡って喧嘩した飼い主とか、豚を見たと子どもに報告されただけで、子どもが襲われそうになったと保健所にクレームいれる母親とか、なんか醜いと思った。
    トンコは、きょうだいたちの思い出がたくさんあり、きょうだいたちを求めて移動する様子が切ない。


    ■生き屏風 田辺青蛙

    →正直、ホラー小説か?と思った。怖い要素は何一つなかったような気がする。登場人物が、鬼と屏風に憑いた幽霊だから、一応ホラーなのかな?

    最後は、ふたりいっしょになってよかった!友情だね!


    ■寅淡語怪録 朱雀門 出

    →謎が残る。主人公は、本に選ばれたってことなのかな?
    結局、ぼうがんこぞうって何なの!?死体生け花の煉瓦屋敷とは!?
    世の中のどこかにありそうな話ではあるけど、謎が多すぎる。。


    ■穴らしきものに入る 国広正人

    →笑って読んだ。主人公の穴への執着には脱帽。他にはどんな穴に入れるんだろう。
    酸素ボンベは爆発するのかな?家が火事になったりする?主人公の遺体はコンセントサイズのままなのか?保険金は下りる?
    そもそもこれはホラー小説なの?主人公が穴ライフを満喫する姿はなんだか微笑ましかった。

    0
    2026年03月26日
  • サンマイ崩れ

    Posted by ブクログ

    『サンマイ崩れ』も良かったが、それ以上に『ウスサマ明王』が面白かった。ジャンルは仏教、銃アクション、ゾンビと言ったところか?(笑)一見、B級物になりがちな3要素を、巧みな文体と描写で見事な作品へと昇華しているように感じた。作者の小説は本作のみのようで、実に惜しい。他の作品も書いて欲しかった。

    0
    2019年06月13日
  • サンマイ崩れ

    Posted by ブクログ

    ホラー大賞短編賞受賞の表題作に書き下ろしの「ウスサマ明王」を加えた中短編集。
    表題作は熊野信仰と精神疾患を素材に土俗的な恐怖を描き出す語り口が絶妙。ラストはありがちなものながら、伏線のはり方は見事。
    ハリウッド製のアクションホラーを純和風にアレンジしたかのような「ウスサマ明王」も素晴らしい。

    0
    2010年12月20日

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