サンマイ崩れ

サンマイ崩れ

638円 (税込)

3pt

3.7

熊野本宮に近い山村が大水害で多くの死傷者を出したと聞き、僕は精神科の病院を抜け出した。奇妙な消防団員二人と老人とともに熊野古道を進み、崖崩れで崩壊した隣村の墓地にたどりついた僕が見たものとは?

熊野山地の集落で台風による山崩れが起こった。パニック障害と離人症性障害のため入院中だった僕は、いてもたってもいられなくて、病院を抜け出した。現地対策本部で出会った不思議な老人ワタナベさんと二人の消防団員とともに、土砂崩れで流された墓地の応急処置に向かうが…。第13回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した表題作のほか、書き下ろし中編「ウスサマ明王」を併せて収録する。

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サンマイ崩れ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2013年07月07日

    翻訳会社を経営する著者が余暇の時間を使って書いた短編が第13回日本ホラー小説短編賞を受賞。なかなかの傑作だった。
    題作の『サンマイ崩れ』:パニック障害と離人症で3度目の自主入院中だった23歳の主人公が、紀伊半島を襲った集中豪雨と山崩れで過疎集落が孤立したとの知らせを受け、精神病院を脱走する。災害対策...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年06月13日

    『サンマイ崩れ』も良かったが、それ以上に『ウスサマ明王』が面白かった。ジャンルは仏教、銃アクション、ゾンビと言ったところか?(笑)一見、B級物になりがちな3要素を、巧みな文体と描写で見事な作品へと昇華しているように感じた。作者の小説は本作のみのようで、実に惜しい。他の作品も書いて欲しかった。

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    Posted by ブクログ 2010年12月20日

    ホラー大賞短編賞受賞の表題作に書き下ろしの「ウスサマ明王」を加えた中短編集。
    表題作は熊野信仰と精神疾患を素材に土俗的な恐怖を描き出す語り口が絶妙。ラストはありがちなものながら、伏線のはり方は見事。
    ハリウッド製のアクションホラーを純和風にアレンジしたかのような「ウスサマ明王」も素晴らしい。

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    Posted by ブクログ 2010年04月14日

    表題作は一昨年('06年)の日本ホラー大賞短編賞の受賞作だという。が、それほど面白いか?確かに精神科に入院する主人公の視点は目新しいものはあるにせよ、筋はそう目新しくもなし、結末も散々使い古されているパターンじゃないかと。

    むしろ併録の書き下ろし「ウスサマ明王」は面白かった。一種の怪物ホ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年12月07日

    第13回日本ホラー大賞短編賞受賞という表題作「サンマイ崩れ」と文庫書き下ろし中編「ウスサマ明王」の編まれた一冊。
    「サンマイ崩れ」は、まあ何というか鬱病治療のトリビアと熊野信仰がブレンドされたオフビートなお話で、オチは某有名映画を思い出すが、それを云った瞬間にネタバレになるので伏せる。が、そのオチは...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    夏の余韻の残るうちに、角川ホラーに挑戦である。
    本作は2006年度日本ホラー小説大賞短編賞受賞の表題作『サンマイ崩れ』と書き下ろし中篇『ウスサマ明王』から構成されている。

    『サンマイ崩れ』に関しては、少し残念な印象。
    豊富な宗教的な知識をバックボーンに、未曾有の災害に見舞われた山村を探索する...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2013年01月28日

    表題作は優しいワタナベさんがいつ牙をむくかとドキドキ。
    「ウスサマ明王」は今までにないような切り口のホラーで新鮮だったけど、現代パートの展開がごちゃごちゃして一度でなかなか把握できなかったのが残念。

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