作品一覧

  • 最後の資本主義

    最後の資本主義

    ビジネス・実用

    4.1
    1巻2,420円 (税込)
    ライシュの提案する、新しい資本主義の形。政府か市場か、の二者択一ではなく、市場メカニズムの根幹となる市場のルールを見直すことで、資本主義を壊すことなく、サステナブルな資本主義を構築できる。  市場メカニズムのルール自体が、勝者だけが勝ち続け、富が一方的に上方に移動するような仕組みになっている。ここにメスを入れずして、ゲーム終了時の所得再分配の率だけを議論しても意味がない。ルールそのものを、そして資本主義そのものを、一部の勝者のためだけに利するものではなく、大勢の人が生き残っていけるようなものにしていこう。  このままでは、人間の働くことの価値はますます小さくなり、稼ぐことのできるものは資本のみとなってしまう。技術が発達し、ロボットがどんなにすばらしい財・サービスを提供できても、それを買うことのできる層は消滅する。そしてロボットが代替するのは単純労働だけではないのだ。頭脳労働でさえも、ロボットにとって代わられる時代が来ている。  今こそ、新しいルールの下で資本主義を立て直さなければならない。そうでないと、資本主義はその土台部分から壊れてしまう。
  • あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

    あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

    ビジネス・実用

    4.1
    1巻2,200円 (税込)
    1枚6ドルのTシャツが自分の手元に届くまでの顛末をたどることで読者をグローバル経済の世界へと誘うドキュメンタリー。グローバル化に対する一般的な通説を覆す。
  • コモングッド―暴走する資本主義社会で倫理を語る

    コモングッド―暴走する資本主義社会で倫理を語る

    ビジネス・実用

    4.5
    1巻2,090円 (税込)
    著者のライシュがこれまで展開してきた「新しい資本主義」(政府か市場かの二者択一ではなく、市場メカニズムの根幹となる市場のルールそのものを見直してサテナブルな資本主義を構築する)から一歩進んで、「よき市民社会をつくるためには、何が必要か」に焦点を当てた本。 50年ほど前から、富と権力をもつ一握りの人々が、さらに多くの富と権力を手中に得ようと、社会に広がる「信頼」を搾取し始め、かつてはコモングッドと定義され、履行されてきた暗黙のルールが浸食されることになった。「私はどんな手段を使ってでも可能な限りの富と権力を手中に集める。慎み深く責任を持つなんていうのは負け犬がすることだ」と。 本書は、同じ社会を生きる一員として、人々はそもそもお互いにどんな義務を負っているのかについて再考し、どんな「理想」を共有すべきかについて考える。今よりもはるかに機能する社会、よい社会を取り戻したいのであれば、今は失われてしまった人々の間にあった共通の善、つまりコモングッド(良識)を取り戻さなければならない。 本書はアメリカ社会の話をしているが、アメリカに限定した話ではない。互いにつながっているという感覚を失い、お互いの共通認識としての「理想」をも失っている現代のすべての市民社会において、共通して考えなければならない問題である。そしてコモングッドを取り戻すため、市民として互いに負う義務を学ぶ市民教育を徹底できるか、と著者は訴える。われわれのよりよい社会の将来は、自分の実入りをよくするための「私的投資」としての教育に終わらず、よりよい市民社会を支える公的投資、「みんなのための市民教育」ができるか、にかかっているのである。

ユーザーレビュー

  • コモングッド―暴走する資本主義社会で倫理を語る

    Posted by ブクログ

    原著は2018年発行。ごくまっとうなことを述べていると思うが、世の中はますます悪いほうに。まさかトランプがもう一度大統領になるとは思わなかっただろう。

    「コモングッド(共益)」とは何世代にもわたって積み上げられた「信頼」の集合体である。
    世の中のゲームのルールは「コモングッド」を尊重するものから、「何が何でも手段を選ばず勝ってやろう」に代わってしまった。
    ・「手段を選ばず」勝つ政治
    ・「手段を選ばず」利益を最大化する人々
    ・経済を不正操作するためなら「手段を選ばない」人々

    【原題】THE COMMON GOOD
    【目次】
    第1部 「コモングッド」とは何か
     第1章 シュクレリ
     第2章 私たちはどんなコモングッドを共有しているのか
     第3章 「コモングッド」の起源
    第2部 「コモングッド」に何が起こったか
     第4章 搾取
     第5章 三つの構造的崩壊
     第6章 「コモングッド」の衰退 
    第3部 コモングッドは取り戻せるか
     第7章 受託者精神というリーダーシップ
     第8章 名誉と恥
     第9章 真実の復活
     第10章 みんなのための市民教育

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    2025年02月10日
  • 最後の資本主義

    Posted by ブクログ

    政治献金や天下りをエサに自分たちに有利なように市場のルールを変更する各業界の強欲さに呆れ返る
    法律の成立を妨害し、法律を骨抜きにし、あるいは執行させないよう予算を削らせる
    身勝手の極地だろう
    歪んだ資本主義ではなく、資本主義を歪めたのだ
    こんな市場を誰が信じるというのか
    ビジネスマンとしても大統領としてもトランプがでてきたのは当然だと思えた
    市場万能という神話は誰がルールを決め、ルールを執行しているかを見過ごさせるというのはもっともな指摘だ
    富裕層は嫌がらせのためにこんなことをしているのではない。
    ただただ自分のことしか考えていないだけなのだ
    昔のように下位層で連帯し、歪められたルールを元に戻すことが必要だというのは賛成する
    訳者あとがきで日本はむしろ超富裕層の程度が弱まっているとあったが、これは日本人が逸脱を許さないことと金に対してマイナスイメージがあるせいかもしれない。

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    2017年12月22日
  • あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

    Posted by ブクログ

     本書は、グローバル化する社会を、Tシャツの一生を追うことでわかりやすく可視化したユニークな物語だ。
     グローバル化、とくに市場万能主義が世界にひろまることで、貧困がさらに拡大するという見方がある。反対に、市場拡大・自由貿易こそが世界を貧困から救うのだという見解もあるだろう。しかし、著者が実際にTシャツの一生を追うことで目にしたものは、どちらの主張とも違っていた。
     Tシャツの一生は、いまだに市場原理ではなく、政府による規制や介入・保護などによって決められていた。ほんとうの意味でTシャツが市場と出会うのは、古着としてアフリカに入ってからだ。世界を貧困から救うには、グローバル化する市場経済をどーこーというより先に、発展途上国の人たちの識字率を上げ、政治を立て直すことのほうが重要だという結論に、著者は到達する。
     自由貿易を世界中に押しつけて廻っているアメリカが、必死に自国の繊維産業を保護している姿が描かれる。にもかかわらず、繊維業界は虫の息だ。アメリカの保護主義政策は自国の労働者を守ることはできなかったが、まわりまわって発展途上国の経済のためにはかえってプラスとなっている側面もあったりして……。黒か白かで語られることの多い「グローバル化」について、じっくりと地に足をつけて見直すために、「物語」という形式が非常に大きい効果を上げている。
     個人的な話をすれば、アメリカのヘビーウェイトTシャツが大好きで、10枚単位で注文するくらいだ。「フルーツ・オブ・ザ・ルーム」「ジャージーズ」「ユナイテッド・スポーツ」「アンヴィル」……最近は「GILDAN」(これはカナダメーカーだが)がお気に入り。これらのTシャツのほとんどがアメリカ産綿100%で、ホンジュラスやニカラグアやメキシコでつくられている理由が、アメリカの保護主義にあるとわかってたいそうおもしろかった。
     グローバル化する経済が、世界にどのような影響を与えているのか。そしてグローバル化の意味するものは、いったいなんなのか? わかりやすくて、爽快な読み心地の、じつに優れた論考だと思う。

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    2014年03月30日
  • あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

    Posted by ブクログ

    一枚のTシャツがどこで生まれ,どこで一生を終えるかを追うことによって,グローバル化の現実を描き出した著作。中国産のTシャツの原料である綿花は,実は大半がアメリカのテキサス産であった。そして,アメリカで着古されたTシャツは日本やアフリカの古着市場に送られ,そこで一生を終えているのであった。

    市場経済を「正しい」社会システムと考える著者による本であることをある程度割り引いて考える必要があるが,グローバル化によって貧窮する人びとが生じるのは,市場原理によってではなく,市場競争から除外され,市場に参加することが政治的に抑えられているせいであるという指摘は説得力がある。中国製品が安いのは,市場原理によって安価な労働力が買いたたかれているのではなく,政治的に抑圧された農民が国家によって不当に安価で働かされているからである。一方,アメリカの繊維産業のように,政治的な影響力を強く持つ人びとは,グローバル化や市場開放の影響を巧みに避けることによって利益を得ている。このように考えると,健全な市場原理が世界全体に浸透すれば,たしかにみながハッピーになる世の中が来るかのように思えてくる。

    健全な市場原理が世界全体に行きわたるということはほとんど期待できないということだ。市場原理を浸透させようとすればしただけ,市場を回避しようとする人びとが現れ,そこで利益や幸福の不公正な分配が生じるだろう。そうであれば,健全な市場原理の浸透を目指すことは逆説的に利益の不均衡を生み出すのだと考えられないだろうか。まさに,ポランニーのいう二重運動である。

    著者のバランスのとれた現状分析が心地よい。物事の両面をしっかりと見ることの大切さを教えてくれる。

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    2014年02月08日
  • あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

    Posted by ブクログ

    Tシャツの一生は、原材料はどこで産まれ、どこで加工され、どこで仕上げられ、どの市場へ、最終的にはどこで一生を終えるのか。長い長い旅だ。ものすごく多くの複雑怪奇な政治的思惑がべっとり絡んでいることに衝撃を受けた。「底辺への競争」は悪なのか、保護主義政策はやめるべきか。いろいろ考えさせられる。全体を通して思ったことは、一度生まれた流れは止めることはできないのではないか、一時的に止めることができても、形を変え、角度を変え再びやってくる、そんな印象を受けた。コスト云々でなく、絶えず、柔軟に変化し市場に対応できる者だけが生き残ることができるのであるから、生きている間は落ち着くことはできないものかもしれないと感じた。ビジネスは信頼関係の上に成り立っているというのも改めて思い起こさせられたし、これからの世の中で大事なキーワードのひとつになる気がする。そして、中国恐るべしというのはものすごく感じたし、中国の優位性はまだまだ続くだろうし、底辺への競争には負ける日が来ないのでないか。それ故に数年前にあったチャイナフリーの運動や、トヨタ危機なんかもアメリカ人の特性というか、危機感というか同情意識が過剰に作用した結果なのかもしれないなと思った。

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    2012年02月18日

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