正しい、普通で、ルール通りの生活を送る人たちにとっては、その平穏を乱す悪書でしょう。ルールを外れた、あるいは本当は外れたいと願ったことがある人たちにとっては、救いとなる作品だと思う。成人男性による未成年との性的な関係だけが主題じゃないのはまともな読解力があればわかるはず。そのセンセーショナルな世界設定と露出で、本来読まないような読者層を取り込んだことによりビジネス的に成功した作品だと思いますが、そうして生まれた批判者によるバッシングを引き受けたまま、最後まで書き切ったことに拍手を送りたい。お疲れ様でした。僕はとても好きな作品です。