黒井文太郎の作品一覧
「黒井文太郎」の「イスラム国「世界同時テロ」」「現代戦の洗練と野蛮」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
世界のインテリジェンス機関の具体的な活動イメージや日本のインテリジェンスの問題点に関心がある方に読んで欲しい一冊。
各国のインテリジェンス機関の体制や機能の説明を織り交ぜつつ、直近でホットな話題である紛争でのインテリジェンス機関が果たした役割や失敗などの事例紹介もあり、インテリジェンス機関の動きをイメージしやすい内容となっている。
この本を読めばいかに各国がインテリジェンスを必死にやっているか、その結果国を守ることにつながったり、逆に国民を危険にさらすことになるかが分かる。
2023年10月から始まったイスラエルのガザ地区での紛争については、イスラエルインテリジェンス機関の失敗を取り上げている。過去のハマスの攻撃サイクル(戦力再建サイクル)より短いタイミングでのイスラエル側への攻撃や意表をつく攻撃手法に対して、イスラエルのインテリジェンス機関は兆候を捉えきれなかったし、捉えていても重要性を分析しきれていなかったと見られる。
そして1200人が殺害され、200人が拉致された。
ウクライナとロシアの戦争において、ロシア苦戦の背景には米国のCIA等のインテリジェンス機関から提供されるロシア軍位置情報、電波通信情報、ハッキングや工作員が取得した情報等により、ロシア軍の攻撃を予見してウクライナ軍の防空システムや航空機を移動することで攻撃を回避し、結果的にロシア軍が航空優勢を確保しきれていないことが考えられる。
また、ロシアが得意なディスインフォメーションないしプロパガンダについてもウクライナ側の情報通信インフラが生きていることで効果は限定的だった。この背景にも米国支援によるウクライナのサイバーセキュリティの強靭化が考えられる。
ただし、ロシアの「どっちもどっち論」でウクライナにも非があるような宣伝手法についてはある程度の効果を発揮していることは忘れてはならない。
ウクライナのインテリジェンスの努力が国家を守っていると言える。
中国は習近平体制以降インテリジェンスに関する改革をしており、反スパイ法(スパイ行為だけでなく批判や思想も取り締まれる)、国家安全法(将来の可能性も含めて取り締まれる)、サイバーセキュリティ法(ネット利用実名化による監視)等の法整備をしており、あらゆるデータから国民を監視している。また、2015年から組織改編をしており、国内と国外あるいは軍事と政治経済のインテリジェンス担当機関の棲み分けを整備している。
日本は防衛省の電波情報についてはある程度高いレベルにあり、防諜やテロ対策については警察が対応しているが、対外情報機関の機能は弱い。
情報コミュニティというインテリジェンス関連省庁の連携概念はあり、国際テロ情報収集ユニットという対外情報機関の萌芽はあるが、省庁間の主導権争い等が阻害している一面もあるし、得票につながらない施策に本腰を入れる政治家は少ない。
各国はインテリジェンスについて必死さを持って改革や運用をしているが、日本には単純に必死さや努力が足りないと感じた。
Posted by ブクログ
ウラジミール・プーチン
色々な意味で、最も注目を浴びている人物かもしれない。
世界が米中か、それ以外かと思われる時代に、シリアのアサド政権に肩入れし、ウクライナに侵攻する。
西側諸国の批判も無視して、侵攻する背景に、国際社会の常識が通じない、独裁国家のしたたかさを感じました。
ハードパワーでは、アメリカ、中国に敵わないかもしれませんが、暗殺であったり、各国へのプロパガンダの誘導の怖さがロシアにはありました。特に、アメリカ大統領選でのロシアの介入が、どこまで影響をあたえたかが気になります。
比較的、ロシアに友好的だった日本ですが、どの国にとっても自分の国の利益を真っ先に考える。友好は、お互いの利益の上に成り立つことを考えないといけないのではと思いました。
Posted by ブクログ
ISISの今だけじゃ無くて、始まりから振り返ることにより、彼等の三つの主戦場(イラク&シリア、リビアなどのイスラム圏、世界各地)における活動を分析している。
ISISには、領域を確保している武装勢力という側面と、イスラム過激派に訴えかけることにより、各地でのイスラム過激派を活性化させているインフルエンサーとしての側面、そして、組織に属さないローンウルフ候補を刺激し、ローンウルフとしてしまう側面があり、ムスリムと彼等を分断することと、ISISの活動を直接叩きつぶすことの両方が必要である。
また、彼等の増長を招いたのは、自国民を虐殺することにより、ISISの台頭を許したアサド、アサド政権を支持し、安保理決議を阻止し続け、更にシリアに直接軍事介入してるプーチン、及び、『レッドライン』を設けたにも関わらず、ISISが化学兵器を使用しても介入せずにシリア国民を見殺しにし、状況の悪化を招いたオバマ合衆国大統領にあるとしている。
筆者の見解には意見を同じくする物である。