作品一覧

  • ハルムスの世界
    4.3
    1巻1,683円 (税込)
    出来事=偶然の超短篇 「ある日のこと、オルロフはえんどう豆のピュレをいやというほど食べて死んだ。クルィロフはそのことを知って、やはり死んだ。スピリドノフは勝手に死んだ」 (「出来事(ケース)」より) 長くソ連では当局に禁止されていたものの、いまやロシアはもとより、欧米諸国でカルト的な人気を集めているダニイル・ハルムス。ロシア・アヴァンギャルドの終焉に燦然と輝くハルムスは、そのミニマルな文体、意味と無意味の戯れ、ユーモアと不条理で、「ロシア文学」のイメージを颯爽と覆す。 代表作である生前未刊行の短篇集『出来事(ケース)』と、訳者がセレクトした短篇38篇からなる旧版に、新たに訳出した10篇〈アンコール・ハルムス〉を加えた増補版として待望の復刊。岸本佐知子氏推薦!
  • 犬の心臓・運命の卵
    3.6
    1巻693円 (税込)
    ヒトの脳下垂体と睾丸を移植された犬が名前を欲し、女性を欲し、人権を求めて労働者階級と共鳴し、ブルジョワを震撼させる(「犬の心臓」)。繁殖力を高める生命光線を浴びて、大量発生したアナコンダが人々を食い荒らす(「運命の卵」)。奇想天外な空想科学的世界にソヴィエト体制への痛烈な批判を込めて発禁処分となった、20世紀ロシア語文学の傑作二編を新訳で収録。

ユーザーレビュー

  • ハルムスの世界

    Posted by ブクログ

    『ところで、何の話をしていたのでしたっけ? 何も存在していない、ということでしたよね。中にも外にも何も存在していないのなら、瓶も存在していないということになりませんか? そうですよね? けれども、次のようなことを考えてみましょう。中にも外にも何も存在していない、というのであれば、何の中や外のことなのか、という疑問がわいてきますよね。つまり、何かは存在しているわけです。あるいは何も存在していないのかもしれません。でも、それならなぜ中とか外とか言うのでしょうか? いや、これは明らかに行き詰まり状態です。もう何をお話しすればいいのかわかりません。では、さようなら。』―『現象と存在について No.2』

    0
    2024年04月19日
  • ハルムスの世界

    Posted by ブクログ

     スターリン体制下のソ連における作家活動は想像を絶する。異形の奇妙な作品群は、シュルレアリスムのそれとは趣を異にする。どこかしら日本のプロレタリア文学との共通点を感じる部分もあるが、それとも違う。一見、ユーモラスに書かれているが(特に児童向け?作品において)本当に笑っていいのか躊躇する。一つひとつの作品において、自分が試されているような息苦しさを感じる。

    0
    2024年01月02日
  • 犬の心臓・運命の卵

    Posted by ブクログ

    注訳がとても良かったです。
    ブルガーコフのいたソ連はめまぐるしく変わり、革命に内戦等、街や建物も次々と代わる時代だったそうで、内容もバタバタしてます。

    犬の心臓はまず倫理に反する内容だし、痛烈過ぎて胸が痛かったです。
    可愛いボロボロの犬が、下品な悪党になるなんて...。
    めまぐるしく変わる母国を皮肉りながらも、戯曲の要素もあり色々と知れたし楽しめました。
    なかなかマニアックな内容でした。

    運命の卵はパニック小説でした。
    犬の心臓の後だから結構後味悪いです。
    大量のカエルと鶏と人が死に、カエルが可哀想でした。

    何だかんだと言って、ブルガーコフは動物愛護主義者だったように思えます。
    犬の気持

    0
    2016年10月11日
  • ハルムスの世界

    Posted by ブクログ

    正直に言って、ちゃんと理解できた話はひとつもなかった。でも、何だか面白くて……そして不気味で、不安になった。

    印象に残ったのは、
     〈みんなお金が好きだ〉
     邪魔
     関係

    0
    2025年05月09日
  • 犬の心臓・運命の卵

    Posted by ブクログ

    コロフの訴え、感情の強度が本を飛び出してきた。

    ソ連時代の当時の様子を知ることができることも良かった。共同体や家の考えとか。

    0
    2024年06月01日

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