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出来事=偶然の超短篇
「ある日のこと、オルロフはえんどう豆のピュレをいやというほど食べて死んだ。クルィロフはそのことを知って、やはり死んだ。スピリドノフは勝手に死んだ」
(「出来事(ケース)」より)
長くソ連では当局に禁止されていたものの、いまやロシアはもとより、欧米諸国でカルト的な人気を集めているダニイル・ハルムス。ロシア・アヴァンギャルドの終焉に燦然と輝くハルムスは、そのミニマルな文体、意味と無意味の戯れ、ユーモアと不条理で、「ロシア文学」のイメージを颯爽と覆す。
代表作である生前未刊行の短篇集『出来事(ケース)』と、訳者がセレクトした短篇38篇からなる旧版に、新たに訳出した10篇〈アンコール・ハルムス〉を加えた増補版として待望の復刊。岸本佐知子氏推薦!
Posted by ブクログ 2024年04月19日
『ところで、何の話をしていたのでしたっけ? 何も存在していない、ということでしたよね。中にも外にも何も存在していないのなら、瓶も存在していないということになりませんか? そうですよね? けれども、次のようなことを考えてみましょう。中にも外にも何も存在していない、というのであれば、何の中や外のことなの...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月02日
スターリン体制下のソ連における作家活動は想像を絶する。異形の奇妙な作品群は、シュルレアリスムのそれとは趣を異にする。どこかしら日本のプロレタリア文学との共通点を感じる部分もあるが、それとも違う。一見、ユーモラスに書かれているが(特に児童向け?作品において)本当に笑っていいのか躊躇する。一つひとつの...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月24日
ジャケ買い。暇つぶしにサクッと楽しめる短編集だった。
正直いちいち全部の話は覚えていないけれど、「なんじゃこれ、わけわからん」とかなんとか思いながらずっとニヤニヤ笑いながら読んでいたことははっきり残ってる。
・色んな人がしょうもない死に方を繰り返す
・「どうでもいいからこの話は辞める」と話をぶった切...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月26日
この作者自体も多分にエキセントリック(か、それを装っている)な人だったのだろうが、書かれた背景にある国や時代というものが、ここまで影響するんだなと、ユーモアのセンスは秀逸で、読んで笑いながらも暗い気持ちになった…
に、しても訳者は大変だっただろうな、ロシアに、日本のこの諺と同じようなものがあるのだ...続きを読む
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