作品一覧

  • 資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか

    資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    資本主義を考えるための必読書と絶賛され、各国で翻訳予定のドイツ発ベストセラー待望の邦訳登場! 資本主義はイングランドの片田舎で偶然生まれ、その後幾度もの危機に直面してきた。 にもかかわらず、いまや資本主義はわれわれの世界を規定さえしているように見える。 しかしそれはほんとうだろうか。 資本主義の寿命はどのあたりまできているのか。 多くの危機はその欠陥によるものなのか。 ドイツの気鋭経済ジャーナリストが歴史から資本主義の輪郭を浮かび上がらせる。
  • スミス・マルクス・ケインズ――よみがえる危機の処方箋

    スミス・マルクス・ケインズ――よみがえる危機の処方箋

    ビジネス・実用

    4.5
    1巻3,960円 (税込)
    経済危機はなぜ起こるのか? 貧富の差はなぜ固定するのか? 豊かさはどこから生まれるのか? お金の役割とは? こうした間いを理解するために、経済学の最重要人物スミス、マルクス、ケインズに立ち返ってみよう。彼らが出した答えから、経済学の核心を見ることができる。資本主義はたえざる流動的なプロセスである。彼らはそれぞれの時代において資本主義の本質をつかみ、経済学を刷新した。スミス『国富論』、マルクス『資本論』、ケインズ『一般理論』のポイントと彼らの生きた時代を記述し、資本主義という逆説に満ちた社会システムを明らかにする。いま新たな段階に進み、危機を孕み持つ資本主義への処方箋。

ユーザーレビュー

  • スミス・マルクス・ケインズ――よみがえる危機の処方箋

    Posted by ブクログ

    経済学の3大巨人の物語 著者の造形の深さも巨人並み
    近代経済学が問われている
    経済体制論はケインズで封印してしまった
    現在は「静的最適経済論」
    中世の宗教学と同じ、呪文の世界
    時代は間違いなく「資本主義経済体制」を問うている

    0
    2022年07月19日
  • スミス・マルクス・ケインズ――よみがえる危機の処方箋

    Posted by ブクログ

    アダム・スミス、マルクス、ケインズの生涯をたどり、彼らが見据えたものを再確認しながら経済の捉え方を考え直す試みである。現在の経済学が全くの無用の長物とは思わないが、あまりにもそれが幅を利かせすぎているのが問題だ。そういった意味で、著者の主張には一見の価値がある。

    0
    2021年08月16日
  • 資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか

    Posted by ブクログ

    資本主義経済体制の世界史 産業革命を機に未曾有の経済発展を実現した
    その成功ゆえに「地球環境の制約」という新たな本質的課題に直面している
    加えて「コロナ禍」が加わり、経済体制の見直し・改革論が噴出してきている
    マルクス資本論ブームはその象徴である
    著者は軽々に資本主義経済体制の終焉論には与しない
    代わり得る体制が明らか出ないこともあるが、資本主義はまだまだ使える体制と評価
    しかし新自由主義の行き過ぎは是正しなければならない
    ケインズ的な「マクロ管理」の強化を主張する
    地球という視点で、社会インフラ・ネットワークの再構築を行うと言うことである
    短期的効率主義により、電力・鉄道・通信・道路・教育・医療といった「社会共通資本」は社会的公正からは乖離してきた
    これを民主主義により改革していくことが現下の課題
    バイデン米国大統領の施政方針と重なるものがある
    民主主義の信頼・信認を取り戻さなければ人類に未来はない
    ①世界のバセンスシートの拡大には警鐘 「スーパーバブル」ははじける
    ②世界史では「中国一強」かほとんど 1840年から植民地化が異例
     習近平は世界史の流れを元に戻す 回帰させ正すという考えではないか

    0
    2021年04月30日
  • 資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか

    Posted by ブクログ

    経済史の概説を通して資本主義を丁寧に再定義している。資本主義と市場経済、実体経済と金融経済、金融危機と経済危機といった概念間の明確な分離の上で、資本主義の本質を洞察しようとする試みは秀逸で、個人的には靄が晴れるような体験であった。終盤では未来についての記述も、資本主義の枠組みの内外でそれぞれ数頁ずつ割かれており、短いながらも一貫性があり納得のいく内容であった。著者はドイツ人であり、ドイツを中心とした記述も見られたが、その多くが一般化可能な内容であった。経済学を専攻しなかった人こそ読むべき一冊。

    0
    2020年08月19日
  • 資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか

    Posted by ブクログ

    約4000年前から貨幣経済が始まっていたことは、遺跡の発掘などで証拠が出ている。
    貨幣経済は行われていても、資本主義は無かった訳であるが、産業革命を機に資本の増殖が行われていく。
    産業革命が始まった場所が、イギリスの田舎町だったとは知らなかった。
    特殊な環境が新しいシステムを生み出すという、著者の仮説は非常に面白い。
    時間軸で見てみると、それはほんの200年くらい前の出来事だ。
    マルクスの資本論が発表されたのが1867年らしいが、マルクスがこれを書き始めたのは相当に前らしく、生涯を通じて研究し続けたのだという。
    資本主義の構造を解き明かしたのが画期的で、「余剰価値」と「資本の再生産」という視点を見つけた点が、本当にスゴイことだ。
    この時点で資本主義の欠点に気付き、「このままでは早々に破綻する」と予告しながら、同時に「社会主義・共産主義」への移行を進めようとする訳である。
    それから百数十年の歴史が経過しているが、現時点でもマルクスの唱えた通りの社会にはなっていない。
    社会主義・共産主義は、今でも残っているが、成功している社会制度とはどうしても思えない。
    (ある一部分だけ見てみると、成功している箇所もあるかもしれない)
    一方で資本主義が破綻しているかというと、数々の問題を抱えながらも、今でも他の代替案が見つからずに、何とか手直しをしながら生きながられている。
    立ち止まって冷静に考えてみても「資本が増殖し続ける」という仕組みは、どう考えても無理があるだろう。
    人々の生活は確かに豊かになったが、今でも地球の環境が破壊され続けているのは間違いない。
    こういう点だけ見ても、次の社会制度に移行すべきであるが、それが未だにできないでいる。
    地球環境が元通り回復するのに、数万年や数千万年かかるような破壊を行っている。
    これではいつか破綻するのは目に見えていて、今現在がまさに赤信号が点っている状況だ。
    人間は自らの欲望のために、数々の犠牲を強いてきた。
    その行動はとても賢いものだとは思えない。
    なぜ、資本の増加についてだけ、このような動きをするようになったのかが、非常に不思議だ。
    内容は全く異なるのだが、本書を読みながら物理学の話を聞いているようにも感じてしまう。
    熱力学第2法則は、秩序だったものが無秩序に向かうという法則である。
    それがまさに時間という概念を示すことであるが、日常生活の中でも実感できる内容だ。
    角砂糖をコップの水に入れれば、それは溶けて見えなくなっていく。
    時間が経つと角砂糖に戻るということはあり得ない。
    もし砂糖の結晶を取り出そうとするならば、別の科学実験のような形で行うことになるだろう。
    いずれにしても、自然法則に則った動きのために、我々にも理解しやすい内容である。
    しかしながら、こと「資本主義」については、どうにも自然法則に則っていると思えない。
    なぜ資本は増加するのだろうか。
    それはどういう現象で、どういう理論で増加するのか。
    本当に不思議でしょうがない。
    それもほんの200年程度の歴史にも関わらず、現代に生きる我々にとっては、それが何千年も過去からずっと続いている自然の摂理のようなものだと勘違いしてしまっている。
    資本主義とは、幻のようなもののはずなのにだ。
    最初から「こういう物を作ろう」としてできたシステムではなく、むしろ結果的に出来上がったものであり、それに対し人類はその動きをコントロール出来なくなっている。
    そもそも増殖し続けることが宿命のシステムである訳だから、コントロールなんてできるはずがない。
    地球という有限の器の中で、無限に成長し続けることなど、物理的に不可能なはずである。
    資本主義が永遠に続くならば、人類は無限を求めて、宇宙の果てを目指して出ていくのだろうか。
    そんな愚かしい未来すら想像してしまう。
    さらに本書内で新たな気付きとなったのは、「資本主義と民主主義の関係性」である。
    我々は、資本主義が発展すれば、民主主義も成熟すると信じてきた。
    資本主義が成立する前提は、民主主義が機能していることだ。
    その両者が誕生した時代も、確かにほぼ合致している。
    しかし現実は、様々な点で綻びが出てしまっている。
    巨大な資本を持つ者や企業体が、民主主義政治に大きな影響力を持つようになってしまった。
    大金持ちの1票と、庶民の1票は同一ではないし、果たして同一にすることが平等に繋がるのかどうかも疑わしい。
    現実的に格差が広がって社会の分断が進む中で、民主主義は正しく機能しているのだろうかと感じてしまう。
    資本主義の暴走を止めるはずの民主主義が、逆に資本主義によって侵食されている。
    この危機感は、今の日本に生きる私たちにとっても、他人事ではない。
    それでは、私たちはどうすればいいのか。
    必要なのは「成長しない経済」への移行だ。
    つまり、資本主義というシステムそのものから脱却することを目指さないと、先行きは無いということなのだ。
    今の社会は資本主義というOS(基本システム)で動いている。
    OSを入れ替えるのは、並大抵のことではない。
    今の生活水準を維持したいという欲求と、未来のためにシステムを変えなければならないという理性の間で、我々の感情は揺れ動いている。
    著者は、資本主義がいつか終わることを前提に、その後の社会を構想することの大切さを説いている。
    かつて封建制が終わったように、資本主義もまた歴史の一過程に過ぎない。
    そう考えると、少し気持ちが楽になる。
    今、私たちが苦しんでいる問題の多くは、このOS特有の「バグ」のようなものだ。
    私たち一人ひとりにできることは、何だろうか。
    まずは、この「成長しなければならない」という強迫観念から、少し距離を置いてみることのような気がする。
    もっともっと、と上を目指すのではなく、今すでに存在している豊かさをどう分かち合うのか。
    効率やスピードを重視するのではなく、手触り感のある生活や人間関係を大切にすることが重要だ。
    そういう小さな変化の積み重ねが、次の社会への準備になる。
    本書は、非常に重厚な内容であるが、語り口は非常に論理的で分かりやすい。
    これからの世界がどこに向かおうとしているのか。
    先行きの見えない未来に対して、不安を感じることも多いかもしれないが、歴史を学ぶことで、「今」という瞬間を相対化して眺めることができる。
    複雑な時代を生き抜くために、視座を高く、視野を広く。
    そんな示唆を与えてくれた書籍であった。
    (2025/10/28火)

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    2026年02月22日

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