作品一覧 2023/04/05更新 河江肖剰の最新ピラミッド入門 試し読み フォロー 古代エジプトの女王 王座で新しい役割を果たした6人の物語 試し読み フォロー ツタンカーメン100年 ナショジオが伝えてきた少年王の素顔 試し読み フォロー ピラミッド―最新科学で古代遺跡の謎を解く―(新潮文庫) 試し読み フォロー 1~4件目 / 4件<<<1・・・・・・・・・>>> 河江肖剰の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 河江肖剰の最新ピラミッド入門 河江肖剰 ユーチューブチャンネルが面白いので買ってみた。 一般向けのユーチューブでは端折って話していることを、もうちょっとだけ詳しく掘り下げて書かれている。 なんというか、学者さんにも学者さんの苦労があるんだなぁという感じだった。 雰囲気はだいぶ違うけど、シュリーマンの自伝を読んだ時と似たような感覚があった。 Posted by ブクログ ツタンカーメン100年 ナショジオが伝えてきた少年王の素顔 ナショナルジオグラフィック / 河江肖剰 昨年2022年は、エジプト考古学にとって、メモリアルイヤーだった。シャンポリオンがヒエログリフを解読してから200年、カーターがツタンカーメン王墓を発見してちょうど100年に当たったのだ。これに合わせて各種イベントが催され、大エジプト博物館もオープンし、盛大に盛り上がる…はずだったが、コロナ禍の影響...続きを読むでなかなか思うようにはいかなかった。(まあ大エジプト博物館は、本来ならもっと前にオープンするはずだったのだけど(^_^;)。さすが悠久のエジプト、数年は誤差の範囲である。今年こそ開館なるか) 本誌はツタンカーメン王墓の発見から100年を記念して刊行された、古代エジプトファンのみならず、歴史を愛する者には垂涎ものの一冊! 発見から半年後の1923年当時の記事をはじめ(もう、これだけでも買うしかないレベル!)、ナショジオがこれまでに掲載してきたツタンカーメン関連の特集記事が収載されている。掲載されたカラー写真の美しさには思わず息をのむ。これら副葬品を「美術」というのは正確には当たらないが、やはり美しいと思わずにはいられない。 監修はナショジオとも関係の深い、お馴染み、名大の河江肖剰先生。間に挟まれる先生のコラムが最新の情報を補ってくれる。 書評は書籍だけ、雑誌はしないスタンスだったけど、本誌だけは書かずにいられなかった。やっば、古代エジプト最高! Posted by ブクログ 河江肖剰の最新ピラミッド入門 河江肖剰 エジプトに一緒に旅行した友達が河江先生のYouTubeチャンネルを教えてくれ、そこから本へ。難しい内容もでてくるけど、ガイドから研究者になった経歴が伝わるさっぱりとして読みやすい文章。ピラミッドまた見に行きたい。 Posted by ブクログ ピラミッド―最新科学で古代遺跡の謎を解く―(新潮文庫) 河江肖剰 日本人考古学者による最新知見に基づくピラミッド研究本。 何かの映像で回廊説に納得してたのでそこから出鼻を挫かれた。自分の仮説に間違えがあった事を率直に記載するなど記述が真摯。 ピラミッド研究者達の流れも分かりやすく解説。 11章の当時の暮らしを再現した記述も面白かった。当時の人達のパンを作ったりドロ...続きを読むーンで撮影した実証主義的にピラミッドを解明していこうという姿勢はエセ科学では太刀打ち出来ないものを感じる。 今後の活躍を応援したい気持ちになる。 Posted by ブクログ ピラミッド―最新科学で古代遺跡の謎を解く―(新潮文庫) 河江肖剰 副題に「最新科学で古代遺跡の謎を解く」とあり、ドローンによる3D計測、宇宙線によるピラミッドの透視なども書かれているが、地道で緻密な発掘調査や実験考古学により浮かび上がるピラミッド・タウンの復元こそが、本書の最大の魅力かもしれない。 以下、各章の概略を述べた上で、最後に全体の感想をまとめる。 ...続きを読む<序 章> 昔は絢爛豪華な財宝が発掘の至上課題だったようだが、現代では古代人の生活を復元することが重視される。従来であれば捨てられていた異物が注目を浴びるようになった。モノから情報へ考古学もシフトしていることが語られる。 <第Ⅰ部> ピラミッドがどのように築かれたかについて書かれる。石材の運搬法や傾斜路について言及があるのはテレビ番組と同様。ただ、テレビではその威容からともすれば当時存在しなかったと思われる技術を用いた非現実的な説が紹介されてしまうことも多い。 しかし、本書では「ピラミッドほど古代の人間が当時の技術で地道に建てた建築物はない」(p.76)と言い、古代の道具を再現し実際に建造に関わる作業を試した研究を紹介、神秘性を排したリアルな築造方法について言及されている。「ピラミッド建造に関する問いは、技術的な問題よりも、むしろ、人間の動かし方や纏め方、モチベーションの高め方とその維持、そして彼らの生活全般にかかわっているのである」(p.85)と考え、後半Ⅲ部において実際の生活の様子が言及される。 <第Ⅱ部> まず、 ピラミッドが何故作られたかについて、疑似科学から科学になるまでの研究史が語られる。 次に、以前テレビ等でよく紹介されていたピラミッド公共事業説と、それが自己目的化してしまった非王墓説を分解・一部否定する。同時に、ピラミッドが王墓であることを歴史学的に証明することの難しさと、そこで登場する考古学手法を紹介し、、墓であることの立証に挑む。 そして、クフによるエジプト創世神話の体現、カフラーによるアケト――2つの山に沈む太陽――の創出、メンカウラーによる冥界の創造という3人のファラオの思惑が、ギザの地を完成させた理由として挙げている。 <第Ⅲ部> この書籍の中核となる、ピラミッドを実際につくった「人間」の話。 従来の宗教的・建築的視点とは異なり、ここで紹介される研究では、ピラミッドとその関連する葬祭施設など「死」に関わる建造物のみならず、ピラミッド建造に関わった人々のあらゆる営みに研究対象を広げる。そうすることで、ピラミッドを生んだ社会が再現される。 エジプトの社会・経済基盤のひとつであった「パン」に迫るための実験考古学、労働者を統制した見事なヒエラルキー、労働者は果たして奴隷だったのか?など、様々な描写が鮮やかに描かれる。 また、発掘における小話や、日本・エジプトの発掘環境の違い、避けて通れない社会問題など、現場の息吹が感じられ面白い。 <まとめ> 著者は荒唐無稽な説が蔓延ってしまう一因として、「人間が存在しないピラミッド像」を挙げる。根拠を持たない憶測は憶測を呼び、どんどん現実から離れて行ってしまう。ピラミッドタウンの記述は、ピラミッド像をしっかりと現実に根差したものへと変えてくれる。 一方で、地道で粘り強い研究は興味がなければ退屈だし、読み物としては面白みに欠けてしまう。本書では発掘の面白さやエジプトという国のリアルが描かれていたり、分かりやすい研究史が載っていたりと退屈することがない。確かな研究に裏打ちされたピラミッドタウンの生活の復元描写も、まるでそこに住んでいるかのような臨場感があった。 「大ピラミッドの謎を解明したい!」(p.118)という若かりし頃の著者の野望(?)が、今なお学者としての著者の根底にあることが、こうした本を形づくっているのだろうか。 昔、エジプトの遺跡を著者が紹介してくださるツアーに参加したことがあったが、この本同様に冷徹な学者の視点から、現実に即してしかも非常に面白くガイドをしてくれたのを覚えている。 エジプトの遺跡というと、砂漠の中に点々としているイメージがあり、ギザのピラミッドはともかく、実際にそのように存在するものも多い。その間にもあったであろう当時の人々の営みはなかなか見えてこない(あえてひっそりと作られたものもあるので、絶対間違いというわけでもないが)。 ただ、そう見えてしまうのは、堂々たる遺跡にばかり目が行っていただけで、自分の目が曇ってしまっていたのだろう。本書に書かれているような研究を知ることで、エジプトを見る視点も大きく変わってくる。 ともすれば王墓や虚像、神殿などに目が行ってしまい、まさしくこの本のような砂色のイメージがあった「埃及」ではあるが、次にエジプトへ行った際は、きっともっと鮮やかに見えるだろう。 古代エジプトを知りたい、エジプトに行ってみたい、という気持ちになるであろうことはもちろんのこと、私のように一度行ったことのある人にとっても、今一度新たな目でエジプトを見たい!という気持ちにさせてくれる一冊だった。 Posted by ブクログ 河江肖剰のレビューをもっと見る