何気なくふと手に取った書。
美術館というと、すごくお堅いイメージで、しきたりや振る舞いなどもわからないので、無意識的に敬遠をしていた。しかし、本書を読む事で、そのようなステレオタイプは少し払拭できたような気もする。
どうしても、箱もの行政の一端のような印象を受けてしまう美術館だが、最近では個性を打ち出した企画展や常設展なども行われているので、足を運んでみたい。
そう思い、さっそく足を運んだところ、色々と楽しめる体験が得られた。美術館における企画や建築と美術の見せ方の融合など、一般的なビジネスマンでも参考にできる箇所は多い。ぜひ本書を読んで、アートに触れる体験をしに行こう。
■目次
第一章 兵庫県立美術館の「集客作戦」
「兵庫県立美術館前」のプレート
駅から続く「ミュージアムロード」
「ロックフィールドの灯り」が照らすもの
「ミュージアムシプラ」がお出迎え
訪れる人に楽しんでもらう演出
世界的建築家にモノを言う
貸し出しスペースを有効活用する
毎週末にイベントを開催
美術館に足を運んでもらうためのイベント
隣のバスケットコートを活用
レストラン、ミュージアムショップ
兵庫県立美術館の名前が新聞に毎日のように載る
毎日入場者数をチェックする
映画公開から一年後のジブリ展
ジブリ展を美術館でやる意味
会議室を託児所に
第二章 人を集める展覧会の作り方
展覧会を「当てる」努力を
重要な展覧会タイトル
「常設展」を魅力的に
「見せ方」で感動が変わる
ゲーム感覚で「見る」ことを学ぶ
頭を真っ白にして作品に向かい合う
ジャングルを超えた「見る眼」が育つ
第三章 美術館館長の経営学
美術館館長の一日
公立美術館の裏事情
美術館の民営化は是か非か
行政の問題点
美術館の経済学
世界の館長事情
これからの時代の美術館館長
第四章 オークション・ビジネスの最前線
話題を集めるオークション・ビジネス
サザビーズに入社した理由
私が見たオークション会社
人気を集める「現代美術」
オークション会社で学んだこと
あこがれだったオークションの仕事
人気のコレクション
さよならサザビーズ
第五章 驚異的な集客力を持つ世界のトップ美術館
「美術館」を訪れる旅
美術館を評価する基準
世界の美術館ベスト10
ルーヴル美術館の伝統と革新
プラド美術館
メトロポリタン美術館
テート・モダン
ボストンとシカゴ
ヴィクトリア&アルバート博物館
ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
第六章 お手本にしたい「小さいが魅力的な美術館」
参考にしたい名美術館
キャンベル美術館
鉄鋼王と石油王の遺産
学園都市の二つの美術館
フリック・コレクション
小さい美術館の個性
小さな美術館の可能性
第七章 美術館が街を変える、教育を変える
美術館建築のモダンデザイン
グッデンハイム美術館の「革命」
ポンピドゥー・センターの「超」モダン建築
グッゲンハイム美術館ビルバオの衝撃
入場者が増え続ける現代美術館
金沢21世紀美術館の「成功」
子供たちと美術館を結ぶもの
子供たちの個性は美術館で培われる
美術館が子どもに教えられること
デザインと展覧会の共通点
個性的な建築が感性を刺激する
建築が街を変える
美術館の未来像~たくさんの人が来る美術館へ
対談 蓑 豊×福原義春
美術館の未来を語る「21世紀ミュージアム・サミット」
パブリック・リレーションの重要性
タイトルにこだわる
学芸員の視野を広げる
「存在感のある美術館」へ
指定管理者制度の是非
美術館の「キャラクター」の重要性