岡田康則の作品一覧
「岡田康則」の「科学学習まんが クライシス・シリーズ<ダイジェスト版>」「海のクライシス~地球環境~ 科学学習まんが クライシス・シリーズ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
実家にあった『……のび太の恐竜2006DS』『のび太と緑の巨人伝』に続いて再読。
2007年に公開された『映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』のコミカライズ版。公開に先駆けて、コロコロコミックにて連載されたのち、完全版として本作が発売された。
マンガ版の前作『……のび太の恐竜2006DS』がDS版のストーリーを基にしたオリジナルだったのに対して、本作は映画の内容を忠実に漫画化した内容。
そのため、当時、コロコロの付録冊子を読み終えた後、映画を鑑賞したのだが、話がそのまんま過ぎて、肩透かしを喰らった。
冊子では悪役との決着で物語が唐突に終わり、「続きは映画 or 完全版コミックで!」という煽り文句があった記憶があるが、その割に、映画では、その後にエピローグとしてエンドロールと共に流れるだけだったため、子供ながらに「これだけのために映画館に行ったたのか……」とショックを受けた。
今回、改めて読んでみると、SF要素を活かした展開は、さすがだと思った。
タイムスリップを活用した伏線回収に、パラレルワールドの概念を踏まえたクライマックス。
近年のハリウッドSF映画にも通ずる、複雑になりがちなSF設定を小学生でも分かりやすく描いているのは、ドラえもんならではの魅力だと思う。
また、「魔法」について描く上で、対比的に「科学」を語っている作劇も、興味深いポイントだった。
もしもの世界では、科学者・ニュートンが偉大な魔法使いになっているという描写や、"未来のロボット"ドラえもんを「科学」の代表として再定義し、(現実には存在しない)「魔法」へのロマンを描くアイデアは秀逸。
「魔法は存在しないが、それを想像する力こそが大切」という、物語の落としどころも素晴らしく、それは"魔法"という言葉のみならず、"ドラえもん"や"藤子・F・不二雄さんの作品群"に当てはめることで、メタ的に論じることが出来るメッセージだと思った。
本作は藤子・F・不二雄さんの死後、同じプロダクションの異なる作家が書いており、そういうテーマも含め、強いリスペクトを感じる作りだった。
ただし、魔法というロマンを語るラストシーンが、のび太によるしずかちゃんのパンチラという伏線回収で行われるため、現代的に考えると「(スケベ)男のロマン」と一緒くたになっている部分には少しモヤるところもある。
とはいえ、原作でも、のび太がしずかちゃんの風呂場にたびたび乱入したり、ひみつ道具の効力で「流行りのミニスカートの丈がどんどん短くなっていく……」というエピソード(「流行性ネコシャクシビールス」の回)があったりと、その要素はさほど変わらないため、ここも原作リスペクトということで"あたたかい目"で許すこととしよう。
追記
その後、確認のため、原作を読んでみたところ、パンチラシーンは原作準拠だったことが判明。原作ではギャグ的な伏線回収になっている一方、むしろ、リメイク版では、この場面以前に「魔法というロマン」を強調づける演出があることで、若干意味合いが変わっていた。
平成の時代に単なるパンチラを描くだけなのは厳しいと思った製作陣が苦心した形跡も考えられるが、それが良くも悪くも、パンチラ場面を際立たせてしまったようにも思った。笑
Posted by ブクログ
『のび太の恐竜2006 DS』を読んだ流れで、実家から本作も見つけ出したため、続いて、再読。
メイン声優陣の総入れ替えを経た新生ドラえもん第3作『映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝』のコミカライズ版。前2作同様、コロコロコミックでの短期掲載を経て、結末が追加された完全版。
おぼろげな記憶によれば、映画版のクライマックスでは『猿の惑星』的な物語のツイストがあり、公開当時に難解な印象を持っていた本作。
先日、読んだ『……のび太の恐竜2006DS』の伏線回収が今では容易に理解できたため、当時の疑問も解けるのではと思い、再読してみたが、そんな描写はなく、改めて調べてみると、映画とコミックでは所々の展開が異なっていた。
どうやら、映画の監督を務めた渡辺歩さんは、本作の脚本に対して納得がいかず、映画の描写はいくつか変更を加えているようで、そもそもの作品テーマも若干変わっているそう(Wikipedia情報によると、映画は終盤で「環境問題を火種とした戦争」の物語に、コミックでは「動物と植物の共生」が一貫して描かれているそう)。
監督は完成後の出来に満足がいかず、のちに「駄作」とも語っており、映画版は中々に苦い思い出となった作品とのことだった。
ちなみに、そんな事情もあってか、映画公開の15年後に発表されたノベライズ版では更なる変更が加えられており、映画版をベースに漫画の要素やオリジナル要素が足されているとのこと。
時間があれば、こちらも是非読んでみたいと思った。
改めて、今回の物語を読み返すと、「奇妙な生物の親代わりとなったのび太が冒険に巻き込まれる」という展開自体が、まさしく、『……のび太の恐竜』のレパートリーだなと気づいた。
感動要素が弱い分、正直、個人的な好みではないのだが、ひみつ道具を用いた伏線回収には「ドラえもん」ならではの面白さがあり、その点の満足度は高い作品だった。