作品一覧

  • ポール・ヴァレリーの遺言 わたしたちはどんな時代を生きているのか?
    4.0
    1巻2,750円 (税込)
    堀江敏幸さん推薦!《二度の戦乱を生き、精神の危機を見すえていた詩人の声に耳を傾けながら、著者はそこに諦念ではなく希望を上塗りして、二十一世紀に生きる人間への信頼を言葉で回復しようとつとめた。稀有なユマニストの思索の跡がここにある。》 「わたしはおよそ四十年ぶりにパリにもどって来た」。一生をパリに捧げたフランス文学の泰斗が邂逅する、さまざまな時代の、記憶のなかの人々。みずみずしい最後の随想集。 「わたしを東京にひきとめるどんな係累も、どんな仕事も、すでになかった。そのときわたしは、古来稀なり、といわれる年齢に近づいていたけれど、歳など問題でなかった。残りの人生を賭けるつもりで、半分は運命のめぐりあわせを受け入れて、もう半分は自分の意志で、力が衰えはじめたからだを、若さの盛りにあったわたしを見守ってくれたパリの懐にもういちどゆだねてみようと、こころを決めたのだった。ある年の四月、わたしはおよそ四十年ぶりにパリにもどって来た」(本文より)
  • モンテーニュの書斎 『エセー』を読む
    値引きあり
    5.0
    1巻1,971円 (税込)
    「私とは何か」から「人間とは何か」へ。モンテーニュが「私」の探究を通して「人生の真実」を問うた名著『エセー』。思想の書にして第一級の文学作品であるその本質と魅力を、碩学がみずみずしい名文で綴る、最良の手引きの書。
  • モンテーニュ よく生き、よく死ぬために
    4.0
    1巻1,485円 (税込)
    名文家として知られる第一級のフランス文学者が、長年にわたって胸の内に秘めてきたモンテーニュへの思いを解き放ち、書き綴った名著。モンテーニュの生涯をたどりながら『エセー』の重要なくだりを引用しつつ考察し、またモンテーニュの生涯に戻っていく。そのおだやかなまなざしに貫かれた筆致から、人類の偉大な遺産である巨大な書物の全容が、そしてそこに刻まれた人間の真実である「生」と「死」の本質が浮かび上がってくる。(講談社学術文庫)
  • プルースト 読書の喜び ──私の好きな名場面
    5.0
    1巻1,320円 (税込)
    よく知られた“紅茶とマドレーヌ”やヴァントゥイユの小楽節との再会、海辺の乙女たち、祖母の死――。20世紀最高の小説『失われた時を求めて』から、著者が鍾愛してやまない場面を読み解き、この大作へ読者をいざなう。なぜプルーストはかくも多くの人々を魅了するのか。人間を見る際の認識が精細を極めていることはもとより、知覚対象がもつ生命の再創造を小説の言葉によって成し遂げたこと、それが読む者に精神の躍動、つまりは幸福感をもたらすからである。傑出したプルースト学者が、読書の愉悦をあますところなく伝える珠玉のエセー。

ユーザーレビュー

  • プルースト 読書の喜び ──私の好きな名場面

    Posted by ブクログ

    本当に素晴らしい文章。ブルーストを愛し、深く理解しようと努めていけば、いずれこのような文章を書けるようになるのであれば、頑張って読んでみようかと思ってくる。

    だけど、正直な話、自分には保刈さんの文章は、プルーストの文章をとっくに凌駕しているようにさえ感じられる。美しい文章とはこういうものかと深く感じさせるものがある。

    このような文章を書く人は、日頃の会話ではどのような言葉を発するのだろうと考えたくなる。文章の中で用いられる素晴らしい語彙とその組み合わせは、日常会話の中でもするすると出てくるものなのだろうか?それとも案外日常の会話でつく割れる言葉は極めて平凡で、文章を紡ぎあげる際に、推敲に推

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    2025年04月13日
  • モンテーニュの書斎 『エセー』を読む

    Posted by ブクログ

    キーン、ツーン、グサッ。言葉、思想が様々な形で沁み、突き刺さる。エセー自体だけではなく作者の解釈も素晴らしい。良書。

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    2017年08月21日
  • ポール・ヴァレリーの遺言 わたしたちはどんな時代を生きているのか?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ヴァレリーの講演と自身のパリでの生活や男爵夫人の家での下宿生活、ワーズワースの水仙に出会い文学を志したことなど個人の経験を織り交ぜながら、深く広い知識を持って近代フランスの科学、文化と伝統、国民性の成り立ちと世界大戦による荒廃という試練、現代フランス、現代社会・文明が置かれている機械化と物質による支配について綴る。

    ヴォルテールが異端審問を糾弾し言論の自由、人権の意識が上流階級のみならず市民に萌し、革命の素地を育んだ。
    ヴァレリーの講演から、ヨーロッパの科学と知識による優位が20世紀になり失われてゆき大戦により深刻なダメージを受けたという。また現代文明により物質と機械により人が支配され追い立

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    2023年05月19日
  • モンテーニュ よく生き、よく死ぬために

    Posted by ブクログ

    『エセー』で知られるモンテーニュの生涯を、『エセー』に見られる記述を中心として描く。自己省察が『エセー』のテーマであるが、それを行うためにモンテーニュは様々な他者を持ち出す。それは人喰い人種であったり、当時の宗教戦争であったり、風景描写であったり…、だから、モンテーニュにおいて、自己を見つめることと世界に目を向けることは何ら矛盾していない。むしろ、世界を考察することが自己省察につながる。『エセー』をただの自己省察の文学だと考えていた者にとって、この指摘は非常に啓蒙的であった。

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    2016年04月07日

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