シルヴァンに萌えました。以上です。
……では短すぎるので、もう少し語らせていただきます。笑 いつもの恒例です。笑
ロランさんとマルティナさんの恋路をうかがわせるような描写が、前回からしばしば見られるようになり、今回はそれがかなり色濃く見える内容でした。
魔物との殺陣の応酬であったり、マルティナさんの、そしてルイシュ王子のとある「秘密」の衝撃。
本が好きであるということ、その縁が結ぶ人の出逢いと思い出の美しさは、シリーズ恒例の魅力であり、それに加えて、上記のような新展開に心ときめくこと間違いなしです!お楽しみに!
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以下、感想 兼 個人的雑記となります。
ネタバレ、政治的主張を含みます。
時間の許す方のみお付き合いくださいませ。
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日記に、壁に記された魔法陣に、理解困難な遺跡に、勝者の歴史が隠してきた、失われていた事実が残っている……ときの権力者は唯一であるからこそ、平和は永く保たれる、それは理解できますし、その恩恵を多く受けている身である以上、軽んじるつもりはありません。
けれど、大和朝廷が唯一である必要は、今の日本政府の統治下の日本においては存在しないのです。だからこそ、当時に必要であった検閲の時効を迎えた今だからこそ、広く、自由に、調べ、分かち合い、学べばよいと思うのです。
そしてそうした自由な研究の根拠として使われるのは、何も、出版された公の書物“だけ”である必要はないのだと考えます。特に令和の時代に興味深いのは、TOLAND VLOGのサムさんは、数多くの参考文献から引用されています。その中には、文書や日記や、壁に記された文字や、遺跡の発掘物の形などから読み解く要素も少なくありません。故・田中英道先生は、象形学・フォルモロジーを研究されていて、形や色、姿には、偶然の一致以上の意味があることを、学問の世界に置いて広く伝えてくれました。
ゆえに、本作の、古い日記に記された、ある女性の恋物語が、エルフの実在、現在生きている誰かの血統や、また、迫害の象徴である竜は歴史上不都合な存在とされていただけであり、彼に非があるのではなく、為政者の意図があっただけである事実を読みといて察することが出来たり__そうした大胆な仮定は、決して、陰謀論であったり、突端妄想ではなく、ある程度の根拠になり得るものだと私は認めています。
その上で、その仮定が絶対ではなく、既存の定説と照らし合わせた上での可能性や、今後の行動の決定が大切になるのだと考えています。
薬草と毒草を見分ける知恵、同じ卓を囲んで平和を築く幸せ、自尊自立の力を持つ大切さ、互いを尊重する意識の必要性、利権の者とそれ以外の者との確執の和解とその方法、迫害された者の捏造された歴史とその解決を願う者の祈りの言葉……
どれをとっても、筆者・蒼井美紗さんのやさしさ、想い、願い、愛が込められているようで、とても嬉しく思います。『千年王国』が流行ったことといい、特に本書を発行されているカドカワBOOKSの云う『User Generated Contents』新文芸に集う作品たちは、既存のわかりやすい善悪の構図以上に、悪として扱われた者の立場や、想いや、願いや、彼ら彼女らを愛してしまった誰かの気持ちも表現されていて、素晴らしいなぁと思います。
装甲悪鬼村正を最愛の作品として仰ぐ私なので、悪を滅ぼして終わりというよりは、なぜ彼らはそうなってしまったのか、を想い、偲ぶ人がいてくれる作品にはより強く共感するのです。元寇の仇を◯ろして、彼らを墓に弔った先祖のように、国津神を追いやって尚彼らを祀った天津神の歴史があるように、仇となった者をも敬う心こそ、日本らしさだと思うので。
竜のディアス様を素直に慕うマルティナさん。
竜を愛した女性の健気さに涙したハルカさん。
歴史が伝える『人類の敵』にも、愛さた人がいて、誰かに愛されていた。
魔王は死んで当然の咎人ではなく、さらに云うなら、この世に死んで当然の人などいないと……伝えてくれているように思えたのです。
その上で、騙されないよう、負けないよう、奪われないよう、脅かされないよう、
力は、技は、強さは、武器は、必要なのでしょう。
誰もが笑って、明るく、やさしく、穏やかに、生きられますように____