kotoの作品一覧
「koto」の「いとエモし。 超訳 日本の美しい文学」「いとし、君へ。 超訳 日本の暦 24+72」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
高校時代、私は古文が嫌いだった。「をかし」を普段使わない「趣がある」と訳して、それを良しとするような事が、若さゆえどうにも気持ち悪かったのだ。教科担任になった部活の顧問(3年連続…本当に嫌だった!)の手前、センター試験本番まで古文は安定した得点源にはなったが、私にとって古文はモノクロームの味気ない世界で、面白さを感じる事は一瞬たりとも無かった。
時が経ち、ひょんな事から「をかし」とは当時の「ちょーヤバい」「マジ卍」的なものでは?と思い至った。まだ違和感は残ったが、少なくとも「趣がある」よりはしっくりきて、引目鉤鼻で描かれたあいつらが少しだけ人間に見えた気がした。
更に時が経ち、この本に出会った。私と同じように「趣がある」に違和感を持った著者は、「エモい」を当てはめた。これだ。これが正解だ。
本書の「エモ訳」は著者自身が触れているようにかなり飛躍した部分も多い。しかしその分、令和の世を生きる我々の感覚と近く、こだわり抜いた装丁と相まって当時の彼ら彼女らとの橋渡しをしてくれた。
恋をする。愛する。悩む。楽しむ。悲しむ。推しを推す。強がる。恨む。祈る。懐かしむ。老いる。死を思う。達観する…。いつの時代も人間は同じだ。あれだけ嫌いだった古文の世界が極彩色で眼前に広がる思いがした。
本書で私は初めて古文を楽しいと思えた。しかしそれと同時に、もっと若く多感な時期にこの楽しさを味わえていればと悔しくもあった。
本書はかつて古文が退屈でしかなかった大人にも十分価値のある良書だが、これから古文を本格的に学び始める中高生にこそ読んで欲しいと思う。成績向上に役立つかは分からないが、その若く豊かな感性で古文と触れ合えるのはきっと幸せだろうから。
ちなみに今は岩手県で令和8年度の公立高校入学試験が行われた日の深夜です(当時のことを色々思い出して眠れなくなっちゃったよ)
Posted by ブクログ
手に取ったのはヴィレバンの本棚。
美麗なイラストと表紙の「秋は夕暮れ」の現代(超)語訳。
所々ある「色」の紹介も素敵で一気に世界に引き込まれる。授業で習ったのなんて昔すぎて内容もほぼ覚えてないが「あ、〇〇の作品で使われてたな」とか「聞いたことあるな」っていう歌も多かった。
合間にある「和歌集ってなんですか」と解説があるのも普段読み慣れない人にとっては大変助かります。
個人的に22「桜なんて」在原業平の歌がイラストの美しさも相まって物悲しくも心に残る感覚になったり、 42「静御前ファンクラブ会報」の文章がまるで推しのライブへ行った人のブログなのだが、続く歌はあの頼朝の前で舞った時に歌われたものでこの後頼朝が激怒してる…とか解説付きでみるとああ…。
少し白拍子繋がりで93「静かなる情念」の作者自身の文章も確かに!「エモいな」って思える。
こうやって昔の人の文章が今の時代まで読まれてる、紹介されてるって凄いロマンですよね。いとエモし。