作品一覧

  • エネルギー確保は総力戦 日本の現実解を示そう【特別版】

    エネルギー確保は総力戦 日本の現実解を示そう【特別版】

    ビジネス・実用

    -
    1巻550円 (税込)
    【WedgeONLINE PREMIUM】 エネルギー確保は総力戦 日本の現実解を示そう【特別版】“ ロシア・ウクライナ戦争の長期化により、世界的潮流であった「脱炭素」の推進に〝黄信号〟が灯り始めている。 各国ともに自国のエネルギー確保に奔走しているが、なかでも脱炭素社会の実現を主導して進めようとしていた欧州は、侵攻後、世界中から液化天然ガス(LNG)をかき集め、それによりガス・LNGの価格は一気に高騰した。 影響を受けたのは、化石燃料依存度の高いグローバルサウスなどの国々である。「なりふり構わず」の姿勢から、欧州が掲げた脱炭素という〝美しい理念〟とはいったい何だったのか、疑問に感じる読者も多いだろう。 そうした状況にあっても、資源小国日本の危機感は薄く、国のエネルギー政策は迷走を続けている―― ~同誌23年7月号(6月20日発売)の「持たざる国日本の切り札に? 核融合は希望の〝光〟となるか」(Wedge編集部)と「途上国の現実を受け止め 日本はアジア地域の〝代弁者〟たれ」(有馬 純)、同誌23年12月号(11月20日発売)の「エネルギー転換に必須の多様性 日本は〝地球益〟の追求を」(小山 堅)の記事を加えた特別版です。 Part 1 ロシア抜きには語れない脱炭素 日本も「したたか」な戦略を 加藤 学 国際協力銀行 エネルギー・ソリューション部長 Part 2 あえて言おう 脱炭素必達は困難 現実を直視し国を守れ 山本隆三 常葉大学名誉教授 Part 3 動き始めたエネルギー基本計画 〝従来型〟発想から脱却の時 大場紀章 ポスト石油戦略研究所 代表 Part 4 課題山積の原発再稼働 スローガンだけでは進まない 編集部 Interview 全国民に問いたい 電気はいったい誰のものなのか? 田中 聡 著述家 Part 5  エネルギーの自衛に走るドイツ 日本も国民的な議論を 熊谷 徹 ドイツ在住ジャーナリスト Part 6 地球の恵みをフル活用 資源小国日本にできること 6-1 100年先の地域の未来を見据えて 小水力発電の可能性 上坂博亨 富山国際大学現代社会学部 教授 Column 地域の人が地域のために 福井・水海川水力発電所 編集部 6-2 存在感増す揚水発電 〝天然の蓄電池〟が持つ調整力 編集部 6-3 世界が羨むポテンシャル 日本に「地熱革命」を起こせ 編集部 持たざる国日本の切り札に? 核融合は希望の“光”となるか 編集部 エネルギー転換に必須の多様性 日本は“地球益”の追求を 小山 堅
  • 経済学は温暖化を解決できるか

    経済学は温暖化を解決できるか

    ビジネス・実用

    3.5
    1巻792円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 地球温暖化は、「不確実」な問題である。しかし、だとすれば何の解決策も必要ないのだろうか?市場メカニズムを利用して問題解決を図る排出権取引制度や環境税は、本当に有効なのか?-「経済学」ではこう考える!温暖化問題の現状と解決の手法をきちんと理解するための経済学。
  • 最新 間違いだらけのエネルギー問題

    最新 間違いだらけのエネルギー問題

    ビジネス・実用

    -
    1巻1,980円 (税込)
    2022年に発刊した『間違いだらけのエネルギー問題』をベースに全面刷新! 「はじめに」より 失われた30年の間に、政府はグリーン成長戦略を何度か打ち出しましたが実現しませんでした。同じことを繰り返しているようにも思えます。私たちは、エネルギーの経済性、安全保障、温暖化の問題をどのように考えれば良いのか。できるだけ具体例をあげて解説したのが本書です。前著の、『間違いだらけのエネルギー問題』と『間違いだらけの電力問題』に最新のデーターを加え、アップデートした内容になっています。今のエネルギー問題を理解し、考えていただく助けになればと思っています。  第1章は、エネルギー、電力が経済に与える影響を説明しています。生活が苦しいとする世帯が6割です。生活にも物価にもエネルギー価格は影響を与えますが、そんな中で電気料金を押し上げてきた政策もあります。 第2章は、エネルギー安全保障の歴史にも触れながら、世界が安全保障のためロシア産化石燃料からの脱却図る政策、自給率向上策に触れています。 第3章は、中国、インドを中心に増え続けるエネルギー需要に触れ、最近では需要が低迷していた先進国 でも生成AI、電気自動車などにより電力需要が大きく増える可能性を説明しています。 第4章は、増えるエネルギー、電力需要増に応える政策を説明しています。再生可能エネルギーと原子力がこれからの電力供給の中心になりますが、その課題も解説しています。 第5章は、温暖化問題と、その対策、日本企業の対応を説明していますが、収入が増えない日本で、優先されるべきエネルギー政策の課題は温暖化ではないのではと疑問を投げかけています。読者のみなさんにも考えていただきたい本書の大きなテーマです。 <本書の目次> 第1章 エネルギー価格上昇と私たちの生活 第2章 化石燃料依存から脱ロシア・脱炭素へ向かう世界 第3章 ますます増えるエネルギーと電力消費 第4章 エネルギー安全保障をめぐる争い 第5章 温暖化問題に振り回される日本企業 ※内容は予告なく変更となる可能性がございます
  • 脱炭素って安易に語るな【特別版】

    脱炭素って安易に語るな【特別版】

    ビジネス・実用

    -
    1巻550円 (税込)
    【WedgeONLINE PREMIUM】 脱炭素って安易に語るな【特別版】 地球温暖化に異常気象……。気候変動対策が必要なことは論を俟たない。 だが、「脱炭素」という誰からも異論の出にくい美しい理念に振り回され、 実現に向けた課題やリスクから目を背けてはいないか。 世界が急速に「脱炭素」に舵を切る今、資源小国・日本が持つべき視点ととるべき道を提言する。 月刊誌『Wedge』2021年11月号(10月20日発売)の特集「脱炭素って安易に語るな」に同誌23年2月号(1月20日発売)の「デジタル=エコの虚構 エネルギーの大量消費を見直せ」(ジャーナリスト・ギヨーム・ピトロン氏)の記事を加えた特別版です。 PART1 政治主導で進む脱炭素 日本に必要な“バランス感覚”(編集部) PART2 おぼろげな46%減を徹底検証 “野心的”計画は実現なるか(間瀬貴之/永井雄宇・電力中央研究所社会経済研究所主任研究員) PART3 高まる国家のリスク それでも再エネ“大幅増”を選ぶのか(山本隆三・常葉大学名誉教授) PART4 その事業者は一体誰? “ソーラーバブル”に沸く日本(平野秀樹・姫路大学特任教授) PART5 「バスに乗り遅れるな」は禁物 再び石油危機が起こる日(大場紀章・ポスト石油戦略研究所代表) PART6 再エネ増でも原発は必要 米国から日本へ4つの提言(フィリス・ヨシダ 大西洋協議会国際エネルギーセンター上席特別研究員) PART7 進まぬ原発再稼働 このままでは原子力の“火”が消える(編集部) OPINION デジタル=エコの虚構 エネルギーの大量消費を見直せ(ギヨーム・ピトロン ジャーナリスト、聞き手・土方 細秩子  ジャーナリスト)
  • 間違いだらけのエネルギー問題

    間違いだらけのエネルギー問題

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻1,430円 (税込)
    ★★最新刊のお知らせ★★ 2025年10月、本書をベースに全面刷新した『最新 間違いだらけのエネルギー問題』が発売されました。 現在好評発売中です!「最新 間違いだらけのエネルギー問題」で検索! ■ロシアのウクライナ侵攻に深く関わるエネルギー問題 2021年から起きた欧州エネルギー危機、そしてロシアによるウクライナ侵攻において、EUのエネルギー問題がクローズアップされている。供給の不安定化、化石燃料価格の上昇をもたらしたのは、拙速な脱石炭、再生可能エネルギー導入が原因だった。温暖化対策を進めるための策が、ロシアへの脆弱性を増す結果となってしまったのである。 世界では既に弊害が広がりつつある再エネを、これからさらに増やしていこうとする日本は、「間違った」エネルギー政策で国民の負担を増やし、ますます貧しくなってしまうのだろうか。そうならないために、今「正しい」エネルギー政策への転換が必要である。 [目次] 序章 国民をさらに貧しくする再生可能エネルギー 第1章 再エネ拡大で繰り返される「悪夢の10年」 第2章 貧困化する日本の非現実的な温暖化対策 第3章 「環境と経済の好循環」の裏側 第4章 停電から戦争まで 再エネが引き起こす悲劇 第5章 脱炭素と水素社会がもたらす未来 第6章 「CO2に価格」で世界は大混乱 第7章 日本を衰退させないエネルギーの選択 <著者略歴> 山本隆三(やまもと・りゅうぞう) 常葉大学名誉教授。NPO法人国際環境経済研究所所長。京都大学卒。住友商事地球環境部長、プール学院大学(現桃山学院教育大学)教授、常葉大学経営学部教授を経て現職。経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。現在日本商工会議所、東京商工会議所「エネルギー環境委員会」学識委員などを務める。著書に『経済学は温暖化を解決できるか』(平凡社新書)、『電力不足が招く成長の限界』(エネルギーフォーラム社)など多数。 ※この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『間違いだらけのエネルギー問題』(2022年6月17日 第1刷)に基づいて制作されました。 ※この電子書籍の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
  • 間違いだらけの電力問題

    間違いだらけの電力問題

    ビジネス・実用

    3.5
    1巻1,650円 (税込)
    ◎どうすれば電気代が下がるのか。停電期の危機を回避するにはどうすればよいのか。 温暖化対策と脱炭素の行方はどうなるのか。知っているようで知らない、知っておくべき電気の話。 人口減少社会の中で、社会基盤であるインフラを維持することは簡単でない。行き当たりばったりでエネルギー、電力問題に取り組んでいると、ある日突然電気がこなくなるかもしれない。電気は社会を支える重要なインフラであり、さまざまな視点、角度から電力問題について考えなければならない。国内外の電力、エネルギー事情に詳しい著者が、電力にまつわるいろいろな話を分かりやすく解説する。 [目次] 第1章 エジソンの時代から変わらない発電方式 第2章 世界と日本の発電事情 第3章 増える電力需要、上がり続ける電気料金 第4章 少子化にも影響を与える電気料金 第5章 停電危機はなぜ起きる 第6章 脱炭素時代のエネルギーと電気   この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『間違いだらけの電力問題』(2024年7月20日 第1刷)に基づいて制作されました。 ※この電子書籍の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。

ユーザーレビュー

  • 間違いだらけの電力問題

    Posted by ブクログ

    「アメリカには逆らえない」という事を再認識しました。
    低コストでCO2を排出さない方法が原子力から水素エネルギーを作りだ出すこと。頑張れ日本の技術者達‼️

    0
    2024年09月01日
  • 経済学は温暖化を解決できるか

    Posted by ブクログ

    少し昔の本。東日本大震災前だが、世界的なエネルギー問題の現況(本筋は10年後の今も変わらない)と環境経済学の初歩を、新書という媒体にスムーズに収めてあるのでコスパは高い。

    0
    2022年03月05日
  • 経済学は温暖化を解決できるか

    Posted by ブクログ

    [ 内容 ]
    地球温暖化は、「不確実」な問題である。
    しかし、だとすれば何の解決策も必要ないのだろうか?
    市場メカニズムを利用して問題解決を図る排出権取引制度や環境税は、本当に有効なのか?―「経済学」ではこう考える!
    温暖化問題の現状と解決の手法をきちんと理解するための経済学。

    [ 目次 ]
    第1章 温暖化問題の短い歴史と現状
    第2章 温暖化問題の「不確実性」を考える―経済学の視点から
    第3章 米国とEUの温暖化問題への取り組み
    第4章 日本の温暖化問題への取り組み
    第5章 温室効果ガス削減の経済学
    第6章 経済的手法は温暖化問題に有効か

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    [ 参考となる書評 ]

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    2011年05月28日
  • 間違いだらけの電力問題

    Posted by ブクログ

    地球温暖化・気候変動のためにCO2削減が必要ならば、火力発電から太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電にどんどん移行していけば良い、と考えてしまう。

    しかし、そんなに話しは単純ではなく「電力は産業・経済力に直結しているのだ」ということに釘を刺しているのが本書と言えるだろう。著者は国内外の電力、エネルギー事情に詳しく、どちらかというと電力業界から見たエネルギー問題であることに注意はするとして、重要な視点であることは確かだろう。

    日本において、現在の社会をそのまま維持するために必要な電力のエネルギー源を全て、自然任せの太陽光や風力のようなエネルギー源に置き換えることはできない。

    なぜなら、総電気量という意味でも足りないし、電気の発電量と消費量を常にバランスさせなければ停電するという意味で、不安定な電源である太陽光、風力だけでは原理的に無理である。

    大きな蓄電池を大量に設置したり、発電した電気で水素を作るなどして溜めることも規模的に難しいし、そもそも電気が足りてないなら、発電した電気はそのまま使うべきである。

    水素社会になることを目指すとしても、日本のような資源のない国では外国で作られた水素を輸入するしかなく、結局エネルギーの外国依存は脱せない。

    現代、エネルギー料金、電気料は国の全ての産業の基盤であり、これが高騰すれば世界的な競争力が低くなり、国民の収入も減り、少子化はますます進むだろう。

    そのような社会への影響の考慮なくして、安易なエネルギー転換を論じるのは無責任かもしれない。

    0
    2025年02月08日
  • 間違いだらけのエネルギー問題

    Posted by ブクログ

    ■水素社会でエネルギー安全保障と経済活性化
     水素に燃料を切り替えることにより、脱炭素は進む。だが、日本国内で大きな付加価値額を作り出すことがなければ、経済にはエネルギー価格の上昇だけをもたらす可能性があるただ、経済効果とエネルギー価格を別に考えれば、日本が水素社会になることには大きなメリットがある。
     経済産業省は、2020年10月に菅前総理が発表した「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」目標を受け、12月に「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を発表した。「2050年カーボンニュートラル」への挑戦を「経済と環境の好循環」につなげるための産業政策とされているが、同様の試みは過去にも行われていることは既に指摘した通りだ。この戦略の中では重点分野が挙げられているが、その中に水素も含まれている。2030年に300万トン、2050年に2000万トンの水素利用が想定されている。
     日本が水素社会に変わることには大きなメリットがある。 それは、エネルギー自給率が向上することだ。日本は一次エネルギー供給の9割近くを輸入に依存しているが、水素社会になり、国内における電解中心に水素製造が進めば、今まで輸入される石炭、重油に依存していた国内企業への国産エネルギーの供給が可能になる。もっとも、電力を輸入エネルギーで製造したのでは自給率の向上にはつながらないので、発電を何で行うかも重要だ。仮に、発電を再エネと原子力で行うとすれば、一度燃料を輸入すれば長く利用可能な原子力は準国産エネルギーとされ自給率に算入されるので、国産エネルギーでの水素製造が可能になる。
     仮に、水素社会により化石燃料の輸入代金が不要になるとすれば、大きな効果だ。2020年はコロナ横の影響により化石燃料価格が低迷し、輸入代金も低水準になったが、通常日本は年間10兆円から20数兆円を、原油、石炭、LNGの輸入に投じており(図5-2)、この代金が不要になる効果は大きい。
     ただし、水素のコストが化石燃料より高くなれば、経済にはマイナスの影響が生じる。オーストラリア褐炭からの水素の日本着目標価格は、図表5-3が示す通り、1立方メートル当たり30円(1㎏当たり約340円)だが、2021年12月日本着の化石燃料価格に基づき発熱量当たりの価格を比較すると、石炭の約3倍、LNGの2倍弱の価格となり、2030年の価格目標が達成されたとしても、化石燃料を代替すればエネルギーのコストアップにつながり経済にはマイナスの影響が生じる。
     先に述べた米国が電解により製造する水素で目標とする、1㎏当たり1ドルの価格が実現すれば、日本着の化石燃料とは価格面では競争可能になる。ただし、米国内では価格競争力のある天然ガス、石炭が産出されるので、価格面だけみると依然として水素に競争力はないが、CO2を排出しないメリットを考慮すれば水素利用が広まるだろう。オーストラリアから水素が供給される問題は、日本のコスト以外にもある。オーストラリアで水素を製造しても日本では雇用面の効果はほとんどない。他国で製造されるエネルギーに依存するのであれば、エネルギー安全保障には寄与しない。加えて、日本国内でも荷揚げからの輸送コストが必要になることだ。
     水素運搬船製造 荷揚げ、輸送の雇用は国内でもあるだろうが、 水素を製造するプラントの雇用は海外に行ってしまう。 水素を可能な限り安く製造しなければ、折角の 化石燃料購入費用削減効果を得ることはできない。さらに、国内の需要地の近くで水素を製造しなければ、輸送コストによるコストアップも引き起こされる。

    ■水の電解装置で高いシェアを誇る中国
     この問題を克服する方法はある。現在米、英、仏、露、中などが開発を進めている小型モジュール炉(SMR)を利用し、水素需要地、例えば高炉製鉄所の近くで水素を製造することだ。ロシアでは既にSMRが運転を開始しているが、米国では日本企楽も投資を行っているニュースケール社のSMRが2020年代に運転を開始することが計画されている。
     7万7000kWのSMRを工場で製造し、現地で組み立てるため、工費も工期も大型炉との比較では有利とニュースケール社は説明している。建設期間は着工後3カ月、投資額は1回当たり2850ドル、100万の設備でも約3300億円だ。操業費用も大型炉の15%に留まるとされている。安全性も高まっており、過酷事故に至る蓋然性も極めて低いとされる。このSMRを日本で製造し、水素需要地の近くに電解装置と共に設置すれば、地元で競争力のある水素を供給することが可能になり、雇用も創出される。SMRが日本で建設可能になるまでは、再稼働が行われた既存原発の電気を利用し電解による水素製造を考えるべきだろう。
     ただ、注意すべき点もある。水の電解装置では、主流となっている水酸化カリウムを使用するアルカリ型水電解装置と、純水を使用するPEM型と呼ばれる固体高分子型電解装置の2種類がある。今、福島県浪江町において福島水素エネルギー研究フィールドと呼ばれる水素製造の実証事業が行われているが、利用している設備はアルカリ型だ。ドイツも水素製造プロジェクトを開始したが、電解装置はPEM型だ。
     ドイツがPEM型を採用した理由は、再エネのような変動電源からの電気に対応することが容易だからと説明されている。しかし、その裏にはアルカリでは中国が極めて高い価格競争力を持ち世界シェアの50%を持っており、中国との競争をPEM型にしたとも言われている。ドイツはPEM型で世界をリードし、電解装置で 覇権を握る目標を立てている。仮に日本が水素製造でも中国製に依存するようになると、太陽光発電設備の二の舞だ。ドイツのように、どうすれば国内製造、雇用に結びつけられ、輸出産業に育てることが可能か考え、技術を選択することも重要だ。

    ■エネルギーの選択に際し考えること
    ・供給の安定化
    ・価格競争力
    ・気候変動問題

    ■経済を豊かにしながら脱炭素を進める
     欧州では、天候に依存する不安定な電源であるため安定化のための費用が必要な再エネだけで脱炭素を進めることは難しいとの意見が強まっている。一方、日本は再エ電力主力化を政策の中心にしており、安定供給と電気料金への影響についてどのような配慮があるか不透明だ。さらに再エネ導入による地域経済への好影響と雇用を期待できないことは、第三章で述べた通りだ。では、脱炭素をどう進めればよいのだろうか。生活を豊かにするためにも、少子化を止めるためにも、収入が増えることが大切な条件だ。そのためには、生産性が高く、高収入を生み出すことが可能な産業を地域で育成することが必要になる。そのヒントは水素と原子力にある。


     経済に大きな影響を与えずに2050年に脱炭素を実行するには、既存原発の利用を進め、SMR(小型モジュール炉)と電解装置による水素製造を中心にするしかない。今の再エネ主力電源化が進めば、結末は産業と生活に影響を与えるエネルギー価格、電気料金の上昇と、電力供給の不安定化だろう。収入と雇用にもマイナスの影響を与えるので、少子化がますます進み、やがて日本は経済大国ではなくなるだろう。

    0
    2022年12月10日

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