あらすじ
◎どうすれば電気代が下がるのか。停電期の危機を回避するにはどうすればよいのか。 温暖化対策と脱炭素の行方はどうなるのか。知っているようで知らない、知っておくべき電気の話。
人口減少社会の中で、社会基盤であるインフラを維持することは簡単でない。行き当たりばったりでエネルギー、電力問題に取り組んでいると、ある日突然電気がこなくなるかもしれない。電気は社会を支える重要なインフラであり、さまざまな視点、角度から電力問題について考えなければならない。国内外の電力、エネルギー事情に詳しい著者が、電力にまつわるいろいろな話を分かりやすく解説する。
[目次]
第1章 エジソンの時代から変わらない発電方式
第2章 世界と日本の発電事情
第3章 増える電力需要、上がり続ける電気料金
第4章 少子化にも影響を与える電気料金
第5章 停電危機はなぜ起きる
第6章 脱炭素時代のエネルギーと電気
この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『間違いだらけの電力問題』(2024年7月20日 第1刷)に基づいて制作されました。
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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「アメリカには逆らえない」という事を再認識しました。
低コストでCO2を排出さない方法が原子力から水素エネルギーを作りだ出すこと。頑張れ日本の技術者達‼️
Posted by ブクログ
地球温暖化・気候変動のためにCO2削減が必要ならば、火力発電から太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電にどんどん移行していけば良い、と考えてしまう。
しかし、そんなに話しは単純ではなく「電力は産業・経済力に直結しているのだ」ということに釘を刺しているのが本書と言えるだろう。著者は国内外の電力、エネルギー事情に詳しく、どちらかというと電力業界から見たエネルギー問題であることに注意はするとして、重要な視点であることは確かだろう。
日本において、現在の社会をそのまま維持するために必要な電力のエネルギー源を全て、自然任せの太陽光や風力のようなエネルギー源に置き換えることはできない。
なぜなら、総電気量という意味でも足りないし、電気の発電量と消費量を常にバランスさせなければ停電するという意味で、不安定な電源である太陽光、風力だけでは原理的に無理である。
大きな蓄電池を大量に設置したり、発電した電気で水素を作るなどして溜めることも規模的に難しいし、そもそも電気が足りてないなら、発電した電気はそのまま使うべきである。
水素社会になることを目指すとしても、日本のような資源のない国では外国で作られた水素を輸入するしかなく、結局エネルギーの外国依存は脱せない。
現代、エネルギー料金、電気料は国の全ての産業の基盤であり、これが高騰すれば世界的な競争力が低くなり、国民の収入も減り、少子化はますます進むだろう。
そのような社会への影響の考慮なくして、安易なエネルギー転換を論じるのは無責任かもしれない。