マンガやアニメのようなサブカルチャー(オタク文化)を真面目に考察していて、それが新鮮で面白かった。セカイ系、エヴァというキーワードで社会(?)を考察しているような。
エヴァンゲリオンは見たことがあるが、初めて見た時に感じたことがそのまま書かれていた。前半は使徒との戦いや細かく組み上げられた世界観が
...続きを読む面白かったが、いつの間にかよくわからない流れになる。最終回ではシンジが周りに「おめでとう」と言われるわけのわからない展開。当時は、なんだこれはと理解できずにいたのを思い出す。
エヴァは第19話あたりをピークに、映像の質はどんどん下がる。これは制作体制上の問題から、スケジュールが破綻したためとある。併せて、物語の視点はどんどん登場人物の内面へ移り、「アダム」、「リリス」、「人類補完計画」といった謎への解答は放棄される。こういった点が、実は大ヒットに繋がったと書かれている。
セカイ系とは、(後半の)エヴァっぽいもの。少年の自意識。自分を中心とした世界。なるほどなと思う。そういったものがヒットするようになっていたんだなと。
エヴァは社会的にも大きな影響を与えたが、この本ではそのひとつとして「作品受容の態度」が挙げられている。自分が見た時は、エヴァの前半・後半でのギャップについていけなかったんだなと思う。今はエヴァは面白いと思うが、その理由なんかが納得できたように思う。
この本を読んでいると、5年や10年で流行や作品の傾向、視聴者の考え方や好みは大きく変わるんだなと感じる。昔の作品が新たにアニメ化されたり、時間を経て続編が出たりというのはよくある。今はルパンやおそ松さんのアニメが放送されている。制作側は、そういった時代の変化をどう捉え、作品に反映しているのか。昔の作品とはどう変わっているのか、これからそんなことを考えながら見てみたいなと思う。
昔のエヴァと新劇場版のエヴァとの違いも、調べてみると面白そうだ。
なんとなく思ったが、中二病とセカイ系はどこか似ている。