中村天風と「六然訓」変革を実現する哲学 合田周平
・ヴィジョンとは
現在のより良き延長を目論むのではなく、とことん変革を追及し継続する心意気がなければ意味がない。
・心身一如
精神の安定を図る事で、心と体を調整し「心身一如」を実現し、社会に貢献しうる人物となる。
自分自身が自然人として強いオーラ
...続きを読むを発散すれば、それに魅せられて多くの心ある人たちが集まってくるものだ。
・精神は「心と身体」を調整する「場」であり、すべての社会人が幸福な障害を全うする司令塔である。
自己の人生をよりよく導く事も、企業経営で成功する事も、その中核には人間の精神が大きく作用する。
・歴史に学べ
今の現状は過去の結果である。過去の何が原因でこの結果になっているかを特定する。
過去の自分の「思考と行動」の結果が現在である。
・人生とは
日々に声明を活かす現場である
初志貫徹の硬直した直線志向ではなく、ファジーな発想で、好奇心の赴くまま、とことん行動しうる能力を身につける。
・好奇心とは
好奇心とは善であり、そのことに真剣さをわすれてはならない。
・人生は一筋の川の流れ
人間の事業欲について、天から背中を押されないのに、自分の私的な欲望と利益を重視して事業を興すとき、めったに成功する者ではない。
・執着と集中の相違
目の前の事柄に心の全てを注いでしまう事を執着と言い、これに対しこれまでの経験を活かして多様な視点から観察する事を心の集中という。
・悠然楽道
社会には多様な考え方があるが、和して同ぜずでもよし、強調しても妥協する事はしない。
・死生観
死を恐れる気持ちを、生を喜ぶ気持ちに振り向けば、死は賛美し得るものではなく大自然の営みに見委ねるべき事である。
・倫理とは
倫理と言われる多くは、人間のその時代の生存上の都合や環境などに合わせて都合よく作られたものである。
善悪を判断する際は、「相対的な倫理」ではなく、「絶対的な真理」を本位に考える事である。
・見惑とは
物事を見分ける時に生じる心の迷い。この迷いは物事の分別を誤認した経緯が明らかになれば、心の煩悩は即座に消え去る。
・思惑とは
自我そのものの感情のため、見惑のようにはいかない。永遠の課題であり、深く思いをめぐらすことが肝心
・名聞
人から良く思われようとする心。偉く思われよう、名を高めようという心。誤解されると黙っていられない心。
・利養
皆卑しさを持っている。自己中心的・打算的。なかなっ公平や無私無欲は難しい。
・勝他
他とに勝とうとする心。人より優れたいと思う心。
・自己批判は成長を促す。
人の事をほめていると、自分の欠点に気付いてくる。みだりに人を批判しない。
他人の事に干渉し、批判するという無用な行動を慎み、常に自己を厳格に批判して、ひたむきに自己の精神の是正に努力する姿勢が大切。
・ビジネスでは
いかなる事態が生じても、笑って事に当たりうる覚悟と度胸がなければならない。
正しい観察者としての態度を心に宿し、「厳然自粛」の心得で困難な経済環境であることをよく認識しつつも、強い心で事に対処する。
・先輩
努力して「上達の境地」に達するほど、優れた先輩の存在がますます大きく秀でて見えるものだ。
プロとしての完璧を目指すとき、誰もが味わう感覚である。
・理想
確固たる理想とは、自分にどんなことがあろうとも心を迷わせない。
「理想」を持つことは立派に自己を活かす宗教である。
立派な理想を持つ人は、神や仏に頼る進行を持つ必要はない。
■幸福な時間
幸福な時間を持つことは、物理的には一時であっても、精神的にはこれまでの長い人生に匹敵するほどの哲学的な意味を持つ。
理想的な時間を連続して持った人生を実感したことになる
・自分を向上させようという意欲
意欲が薄くなった人は、どうしても老衰を早める。
自然界に通じ、天然の生命力を受け入れる窓を自力で開けようとしないからだ。
・自己暗示
執着心はマイナスを生む。力を入れる事を考えずに、力を働かせることに重点を移す。
・感謝
喜びを感じるから感謝するのではなく、感謝する心があるから喜びが生まれる。
・難局を処理する心得
「悠樹は常に勝利をもたらし、恐怖は常に敗北を招く」
・経験が夢を呼ぶ
若い時の夢は人生の夢とは言わない。真実に迫るような夢とは、ある程度の社会経験を積む事で訪れる。
・リーダー
自分自身はもとより、人々の夢を駆り立てるカリスマ性が要求される。
人々のやる気を駆り立てるのは、夢を抱くという感情の高ぶりが「情念」となって、その人の背中を押し続け行動させる。
・ブレない
ブレないとは、最初に設定した道順を頑固一徹に守り抜く事ではない。
その時々の状況や環境変化を敏感に察知して、自分の考え方と経験からくる叡智で、
変化対応能力を存分に発揮し、目的達成の道順を修正するのも大切な決断なのだ。
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