田中西二郎の作品一覧
「田中西二郎」の「嵐が丘」「園遊会まで」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
トム・ハーディへのインタビューで、映画インセプションで彼が演じた役(イームス)のモデルの一人であるというのを知って読んだ。
最初はホーソンがそのモデル?と思ったけど、最後まで読むと主人公の方かなぁと。old manって言ってたしやっぱりそっちか。
内容は最初はなんだか展開が読みやすい昔の小説という印象で正直あまり面白くなかったんだけど、途中から怒涛の展開、主人公の変貌…いや変貌は寧ろ見事にしておらず終始一貫しているんだけどそのブレなさがどんどん得体の知れない印象を与え、この周りの登場人物や読者がいかに主人公を見誤っていたかに気づくという。こういう騙され方はとても面白い。
そして感情描写が少ない分想像が掻き立てられて良い。
恋愛物としても、こういう実は最初から一目惚れだったんですみたいな展開ツボ。
キャラクターもみんな個性的で一筋縄ではいかない感じ、グリーンのその土地の描写の巧さ、全体的にとてもハマったのでこれはまた読み返してしまうタイプの本だな。多分読む度にダイキリを飲みたくなるね。
Posted by ブクログ
「無邪気」は、たいていは肯定的に受け取られることが多いと思う。天真爛漫で裏表がない感じ。でも、誰か周りの「無邪気」に、ある種の傲慢さや脳天気さ、無神経さを感じたことのある人は、決して「無邪気」を好意的には受け取らないだろう。
この小説に出てくるアメリカ人のパイルは、無邪気で正義感と理想に燃えている善良なアメリカ人青年。なんだか読んでると、ブッシュを連想してしまうのは偏見かしら。小説の舞台がインドシナ戦争だから、よけいにイラク戦争下のブッシュを連想してしまう。パイルが良かれと思ってやっていることは、じつはちっとも事態を好転させはしない。でもパイルはそこに気づかない。
この小説は、2つの場面がすごくリアル。ひとつは、淡々と描写される戦争の様子。もうひとつは、小説の語り手で老年にさしかかったシニカルなイギリス人、ファウラーの嫉妬。ファウラーの愛人である若いベトナム人女性フォンは、パイルにとられてしまうのだが……「が」がポイント。
淡々とした語り口だから、かえって胸に迫るといえるかも。でもひとつ文句をつけるなら、フォンがまったく受動的で人形みたいなところ。これって、ヨーロッパ男の、アジア女への幻想なのか。それとも、人種や文化的背景は関係なく、単に男の幻想なのか。ちょっと都合がよすぎて、できすぎの感じがするのだった。