きたがわめぐみの作品一覧
「きたがわめぐみ」の「1ねんせいじゃ だめかなあ?」「おわにさま」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
ぶうたんは、赤ちゃんの頃、
ママがぶたと間違えて拾って育ててため、
本当はライオンなのだが、ぶたとして生きている。
「どうぶつをたべない、ねらわない、おそわない、の
三びょうし そろった、やさしい そうしょくライオン」なのである。
森のみんなにライオンだと知られると大騒ぎになってしまうので、
ママが作ってくれた「ぶたの へんしんセット」をつけて暮らしている。
大胆すぎて笑ってしまう設定なのだが、
みんなに本当のことが言えない本人は、真剣に悩んでいるのだ。
作者は、「あらしのよるに」シリーズのきむら ゆういち。
こちらの方がより子ども向けで、ユーモラスであるが、
どことなく「あらしのよるに」と共通のテーマが見える。
見た目と中身のギャップ、本当の自分、本当の居場所など・・・。
テーマ性では、ネアンデルタール人に育てられたクロマニョン人、
エイラを描いたジーン・アウル作品とも同じものを感じた。
ある日のこと、友だちのうっしーの姿が急に見えなくなる。
探しているうちに、りすけもみいみもいなくなってしまう。
探している間に、ぶうたんは、
うっしーやりすけやみいみとの温かいエピソードを思い出す。
彼らはかけがえのない友だちだ。
友だちをさらっていった者たちの正体がわかり、
ぶうたんは、敵を相手に、へんしんセットを脱ぎ捨てて
たたかうのだが・・・。
中身が変わらなくても、姿が変わってしまっては、同じには見えない。
ぶうたんは、それを噛み締めなければならなかった。
表紙のぶうたんは、涙も枯れ果てて放心状態なのだが、
その少し前のシーンでは、
夕日を前にがっくりとうなだれる、ぶうたんの後姿がある。
本の向こうの彼に、かける言葉が見つからない、と思ってしまうほどだ。
そんな、彼に言葉をかけたのは、母親だった。
母親のその言葉は、この先どんなことがあっても
彼を支えるものであるだろう。
そして、ぶうたんの決断は、エイラの決断と同じものであったのだ。
ここで終わって、続きを想像にゆだねても良いが、
さらに続編があってもおもしろそうだなぁと思う作品である。
いや、かなり続きを期待している自分がいた。
Posted by ブクログ
ある朝、ぶうたんが目を覚ますと、
兄のびいすけと姉のばあこが足音を忍ばせて、
こっそりと出かけようとしていることに気づく。
着替えてあとをつけていくと、コロロン広場には、
みいみとりすけも待っていて、うっし~が来るのを待っているところ。
4人は声を潜めて何か話している。
うしろからうっし~に声をかけられ、ぶうたんもみんなもびっくり!
みんなのあせり方が、なんか変。
ママのたんじょうびパーティーを企画していたと知り、
ぶうたんは大ショック!
どうしてぼくにだけ教えてくれなかったの!!
そうかぼくだけのけものなんだ。
どうせぼくは、ぶたじゃないし・・・。
ママは捨てられていたあかんぼうを、
ライオンの子とは知らずに拾い、ぶたとして育てたのだ。
ライオンの姿のまま外に出たら、森中大さわぎになるので、
ママは、ぶたのへんしんセットをつくってくれた。
ぶうたんは、それを着て、過ごしているのである。
たんじょうびパーティーはあさってということで、
みんなで準備をはじめたものの、
みんなはどんどん役割を決めて動いていくのに、
ぶうたんが何をすればいいのと聞いても、
何もしなくていいよ、とか、何かあったらたのむよ、と言われるばかり。
ぶうたんは、どうせぼくなんてと、
すっかりふてくされてしまうのだが・・・。
その後の事件で、ぶうたんは、正義感と本能を目覚めさせることになる。
ぶうたんは、その過程で、
自分の知らなかった自分の体のことがわかってくる。
自分のつめが出たり入ったりするのにはじめて気づいて、
素直に感動しているところがかわいらしい。
この日、ぶうたんは、もうひとつ別の才能にも気づくことになる。
このもうひとつの才能の方が、
ライオンだから力が強いということよりももっと大切なのかもしれない。
ふてくされていたぶうたんが、笑顔になったところもかわいい。
自分に何かができると思うことは、素朴にうれしいことなんだ。