作品一覧

  • ロシアの思考回路 その精神史から見つめたウクライナ侵攻の深層
    4.0
    1巻1,056円 (税込)
    プーチンはなぜ「神の代理人」のように振る舞えるのか? 「力」か「自由」か――歴史の変革時に常に「力」を選び続けてきた ロシアの思考回路をロシア正教会の歴史からひも解く! これまで日本には、ロシア正教会の教えに裏打ちされた ロシア人のものの考え方を知るための本がありませんでした。 本書は、日本で初めてのロシア人の思考回路を解明した本です。 この本の目的は、不可解に思えるロシアの行動の中にある必然性やロジックを認識し、 ウクライナ侵攻の深層を浮かび上がらせることです。 少し前の話になりますが、ウクライナ侵攻後、 ロシア正教会のキリル大司教はプーチンに祝福を与えました。 10月3日のプーチン大統領70歳の誕生日にも祝福を与え、 「プーチン氏はロシアを統治するよう神によって定められている」と主張しました。 キリル大司教の言動は日本人には不可解ですが、 ロシアとロシア正教会の歴史を知るとキリル大司教の行動原理がわかるようになります。 ロシア正教会によって培われてきた強力な統治者を渇望する気持ち、 モスクワこそがキリスト教の中心地とする考え方、政治と宗教の強い結びつきなど、 ロシア人の宗教観、統治者観を知れば、 プーチンが神の代理人のように振る舞える背景や、 ロシア人が西洋に向ける複雑な視線を理解できるようになります。 著者は30年以上にわたって中世ロシアを研究し、 ロシア人の精神史に詳しい三浦清美・早稲田大学教授。 本書は、「この不幸な戦争に一刻も早く終止符を打つための一助となりうるものを」との 思いで書かれた、ロシアを深く理解するための必読書なのです。 はじめに ロシア人インテリゲンツィアの声 第1章 「ルーシの世界」のはじまり 第2章 キエフ・ルーシの改宗 第3章 統治者は「地上における神の代理人」たりえるか 第4章 「ロシア」の誕生 第5章 ウクライナの誕生 第6章 宗教的原理主義の行方 おわりに ロシア、ウクライナ 略年表
  • ロシアの源流 中心なき森と草原から第三のローマへ
    5.0
    1巻1,595円 (税込)
    第三のローマ=モスクワはいかに生まれたか。東から西から、ルーシの地に歴史の圧力がかかる。モンゴル、十字軍、異教リトアニア、そしてビザンツの正教会。中世期、激動するユーラシアでルーシがロシアへと固まってゆくドラマを追う。(講談社選書メチエ)

ユーザーレビュー

  • ロシアの源流 中心なき森と草原から第三のローマへ

    Posted by ブクログ

    【脈々の懐】ロシアという国の成り立ちを,ロシア正教の発展と絡めて論じた作品。知っているようで知らない東欧中世世界の案内役を務めてくれる一冊です。著者は,サンクト・ペテルブルグ国立大学で学んだ経歴も持つ三浦清美。

    知っているようで実は知らない歴史の展開に,「なるほど」を連発した読書体験でした。馴染みのない読者にとっても読みやすく,また面白いと思わせる形で記述がなされているのもお見事。今日のロシアについて関心があるという方にもぜひオススメしたい作品です。

    〜ロシアの「帝国的世界像」の根本にあるものが,カトリックの一極支配を拒絶するために自らが一極支配になるという矛盾に満ちた構造であることは記憶

    0
    2018年07月02日
  • ロシアの源流 中心なき森と草原から第三のローマへ

    Posted by ブクログ

    小公国が分立するロシアは、如何にして大帝国となったか?
    「タタールの頚木」と呼ばれたモンゴル支配、十字軍、異教国リトアニア、そしてイスラム勢力(オスマン・トルコ)によるビザンツ帝国滅亡など、東西から大きなエネルギーが襲い掛かり混濁した地、ルーシ。
    人々の魂の拠り所となった東方正教、その世俗的支配者「アウトクラトール」の誕生など、ルーシが「第三のローマ」としてのロシアへと成長してゆく歴史です。
    ここで注意すべきは、「タタールの頚木」を圧制と抵抗という観点からのみ捉え、モンゴル(タタール)が「ロシア」の形成に果たした役割が抜け落ちていることです。
    「ロシア」の形成について、欧州・キリスト教

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    2009年10月04日
  • ロシアの思考回路 その精神史から見つめたウクライナ侵攻の深層

    Posted by ブクログ

    ロシアは、日常と非日常が並立しつつ、モダンとも併存しだだすのかな。ルネッサンスのルネッサンスという感じか。イワン雷帝の悪をも飲み込むというのか。

    ゾロアスター教のことは言及していなかったが、ユダヤ系ハザール人のことは書かれていたな。

    佐藤優さんが、プーチンは、北朝鮮の家族主義的な国家運営に影響されつつあるのでは、と話していたが、その根っこに関連する話があったな。ピザンツ皇帝と霊的父親像をダブらせるのかな。

    ウクライナのクライは、分かつが、語源だと。納得できる、係争の地なのね。

    0
    2024年12月05日
  • ロシアの思考回路 その精神史から見つめたウクライナ侵攻の深層

    匿名

    購入済み

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    ロシアの行動原理を知れば知るほど解決することの難しさが理解できる。この先どうなるのか、全く目が離せない。

    #タメになる

    0
    2023年11月04日

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