作品一覧

  • AIに意識は生まれるか
    4.2
    1巻2,200円 (税込)
    AIと人類の未来は 「意識」が握っている。 そんな「意識」は神秘的だが、決して神秘ではない。 僕は意識を作ることで、そのことを示したいと思う。 AIに意識は生まれるのか? AIに人間は征服されてしまうのか? そんな我々の不安や素朴な疑問は、ヒトの意識と大きく関係している。 では、ヒトの意識とはいったい何なのか? 3歳の時、 「マリモ」が生きているのであれば、マリモにも感覚はあるのだろうか? あるとしたらそれはどういうものなんだろうか? と素朴な疑問を持った少年は、今日本最高峰の意識研究者となった。 意識という巨大なテーマのもとで、 哲学・神経科学・コンピューターサイエンス……と様々なジャンルの学問を 越境しながら、神秘に満ちた意識の世界をじっくりと解明し、 人工意識やAIのフロンティアについても語りつくす。 最後には神経学者であり、クオリア研究者でもある 土谷尚嗣氏との特別対談を所収。 【「はじめに」より】 僕がまだ三歳だったころ、家族旅行で北海道に行ったことがある。そのときのことだったと思うのだけれど、たぶん阿寒湖で、親が僕にマリモを見せてこう言った。 「このマリモはね、生きているんだよ」 その言葉から受けた衝撃を、僕は今も鮮明に覚えている。 といっても、まだ三歳児だったから「生命」とか「主観的経験」なんていう言葉は、もちろん知らなかっただろう。ただ、その時の衝撃を、大人になった今の僕の言葉で言い換えると、こんな感じになる。 「『マリモである』とは、どういうことなんだろう? このマリモにも感覚はあるんだろうか? あるとしたら、それはどういうものなんだろう?」 それからしばらく経ち、小学生のときの話。風が強いある日に、僕は一本の木が揺られるのを見ながら、こう思った記憶がある。 「この木は生きているんだろうか? 生きているなら、その場から動けずに風に吹かれ続けるって、どういう『感じ』なんだろう?」 子どもだった僕は、何がわからないのかもよくわからなかったけれど、研究者になった今なら、かつての僕の疑問に言葉を与えられる。 僕は、「意識」について知りたかったのだ。(中略) 現在の僕は、研究者として、意識を「作ろう」としている。 この本は、現在に至る僕の道のりをたどることで、みなさんにも備わっている「意識」の神秘と、それを神秘ではなくする方法があることに気づくまでの道のりを、追体験してもらうことを目的にしている。 それだけではない。人工の意識は、僕たちの生活を大きく変えつつあるAI(人工知能)と密接な関係にある。 もしAIが意識を持ったら、人類の将来は大きく変わる可能性があるからだ。 【目次】 Part1 世界はフィクションかもしれない Part2 意識とクオリアの謎 Part3 意識を研究する Part4 意識のありかを探せ Part5 クオリアが作り出すフィクション Part6 内側から見た意識 Part7 意識の統合情報理論 Part8 意識を作る Part9 意識を持つAI Part10 人工知識とクオリアの意味
  • アタック
    5.0
    全日本選手権に挑む3つのチーム。それぞれのチームは葛藤を抱えながら、240kmのレースを走る。そこには、走り続けてきたベテランと、走りはじめたばかりの若手がいた。3つのチーム、10年の時を超えて描かれる、それぞれの「アタック」。王者の苦悩とチームの世代交代がぶつかる心理戦!ロードレースノンフィクション「エスケープ」に続く第2弾。
  • エスケープ 2014年全日本選手権ロードレース
    4.7
    2014年全日本選手権ロードレース。冷たい雨の中行われた当レースは、誰もが予想できない異例のレース展開となった。221.2km、5時間41分49秒にも及ぶ戦いの最中、主要チームと選手たちは何を考え、どう走っていたのか? メディアでは報じられなかった、選手たちの知られざる思惑とドラマを描くスポーツノンフィクション。 サイクルロードレースでは、常に「逃げ」集団(エスケープ)が見られる。逃げとは、大集団から少数に選手が飛び出し、先行することを目指す。 逃げ集団の多くは、自チームにエースを助ける「アシスト」選手と一か八かの逃げ切り勝利を狙う選手によって構成され、捕まる運命にある。しかし、2014年の全日本選手権ではメイン集団が逃げ切りを許してしまった。 本書では、主要選手への取材に基づき、逃げ集団とメイン集団の中でどのようなドラマが展開されていたかを描く。
  • 何をしたんだ、清川くん
    -
    1巻1,320円 (税込)
    勉強もダメ、スポーツもダメ、何でもダメな自虐系男子の主人公が、 ある日突然、美少女たちの集いである通称「ハーレム」を抱える 学校一のイケメンにして人気者・清川くんと入れ替わってしまった! 喜ぶ主人公だったが、ハーレムの実態は甘くなく、 なぜか清川君は「ハーレム」の美少女達に強い恨みを持たれていたのだった……。 主人公の体を借りて失踪した真の清川くん、消えた「4人目の美少女」 無数の「選択肢」を潜り抜けながら 疾走する失踪劇の先にある、ハーレムの真実とは。 ――いったい何をしたんだ、清川くん。

ユーザーレビュー

  • AIに意識は生まれるか

    Posted by ブクログ

    AIに至る前段階というか意識の話が著者の人生と共に説明される。クオリアとか意識の統合情報理論とか知らない事ばかりで勉強になる。優しい語り口で書いてあるので分かった自分としては気になってるが後で思い返そうとすると駄目だった。再読すべき本。
    あと本筋と関係ないけど英語学習の重要性が認識できた。

    0
    2025年08月03日
  • AIに意識は生まれるか

    Posted by ブクログ

    タイトルにAIという言葉が入っているが、全体の趣旨としては、意識研究の全体像をまとめようとしている本。哲学、言語学、神経科学、コンピューターサイエンス…と色んな分野の研究が出て来て面白い。
    でもただの説明文という感じでもなくて、著者の人生の歩みとともに論が進んでいくので、どちらかというとエッセイっぽさもあり、おかげで超読みやすかった。

    「はじめに」で小学校のときに抱いていた疑問として「木は生きているとしたら、動けないのに風に吹かれ続けるだけってどういう感覚なんだろう?」(=木に意識はあるのだろうか?)が紹介され、それについての謎がその後の研究で少しずつ解明されていくという構成もわかりやすくて

    0
    2024年03月03日
  • AIに意識は生まれるか

    Posted by ブクログ

    AIについてというよりは、金井先生の意識研究における歩みを一つの本にまとめた本。

    知人に勧められて読んだが想像以上に面白かったし、何よりとても分かりやすかった。多岐に渡る意識研究を明快に解説しながら筆者の破天荒な研究者としての人生を随筆のような形で楽しむことができる。

    最終的には人工意識の話に移るが、意識とは何か、という問いや脳科学全般に興味がある学生などには特におすすめしたい。

    0
    2024年02月10日
  • エスケープ 2014年全日本選手権ロードレース

    Posted by ブクログ

    2014年の全日本ロードレースのノンフィクションという感じだけど、選手のバックグラウンド、レース展開がプロフェッショナルのナレーターみたいに淡々と描かれていて読みやすい。逃げとプロトン、その中の心理戦、ちょっとした勘違いでレース展開が変化していく様子、特に最後の一周は結果は知っていてもどうなるの?と思わせる。一つのレースを描いた小説としてはピカイチではないか。最後の一文、読後感爽快。

    0
    2019年08月22日
  • アタック

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    全日本選手権ロードレースを書いたノンフィクションの第二弾です。本作は、舞台となる那須をホームタウンとする新興チームの那須ブラーゼンと、同じく栃木県を本拠地とする強豪の宇都宮ブリッツェンの二チームを中心に描かれるので、どうしてもこの二チームへの思い入れが強くなってしまいます。
    特に、「エスケープ」を読んだ者なら2014年度の覇者、佐野淳哉選手に一角ならぬ思い入れがあるので、その佐野淳哉選手がレースを託した鈴木龍選手に優勝して欲しい、と思いながら読み進めてしまうのは仕方のないことなのかも知れません。
    こんな書き方すると鈴木龍選手が優勝できなかったことが分かってしまいますね。そこは残念ではあるのです

    0
    2018年07月05日

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