作品一覧

  • 漱石文明論集
    4.5
    1巻1,012円 (税込)
    圧倒的な優位にたつ西洋文明を向うにまわし漱石は「自己本位」の立場を同時代のだれにもまして痛切に生きた。血のにじむようなその苦闘の跡を示す「現代日本の開化」「私の個人主義」など五篇の講演記録を中心に、かれの最も奥深いところから響いてくる肉声というべき日記・断片・書簡を抄録した。『漱石文芸論集』と対をなす。

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  • 漱石書簡集
    4.4
    1巻968円 (税込)
    漱石の手紙を読むとこの類まれな人物のあらゆる心の動きがその温もりとともに伝わって来るように感ずる。全集版におさめられた二二五六通の手紙から友人の正岡子規、妻の鏡子、弟子の寺田寅彦・小宮豊隆などに宛てた一五八通を選んで注解を付した。漱石を知るための基本資料であるばかりか、それ自身が見事な作品である。

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ユーザーレビュー

  • 漱石文明論集

    Posted by ブクログ

    同期から誕生日プレゼントとしていただいた作品。
    文学好きで知らない人はいない評論の名著との紹介を受けた。
    こんな粋なセンスを持った人と当たり前のように繋がれる今の自分の環境には本当に感謝したい。
    現代日本の開花、私の個人主義、模倣と独立の3つだけ読んだが、本当に笑っちゃうくらいの洞察力に基づいた説得的な内容。
    他者の個性を尊重して自己本位に生きる、自己の標準に沿って模倣でなく独立を重んじて生きる、これからの生きる指針にしたい。

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    2023年08月12日
  • 漱石文明論集

    Posted by ブクログ

    いやーこの人すごいね。現代の種々の問題を当時すでに。将来日本を動かすような高校生大学生に読んでほしい。

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    2023年07月15日
  • 漱石文明論集

    Posted by ブクログ

    自分は、まだ会社に1人一台パソコンがなかった頃に就職した。その内パソコンが当然に与えられ、Excelの使い方を覚え、海外含む顧客とのやりとりがメールになり、様々な業務はあっという間にインターネットを前提とするものになった。

    仕事は楽になったか?感覚的には寧ろ逆だった。加速度をつけて仕事は増え、余裕はどんどんなくなる。おかしくねえかと思いながら考える暇もなく渦に巻き込まれた。
    で、これは内発的か?というとやっぱり違う。海の向こうからやってきた技術に否応もなく(あるいは積極的に)「俄然外部の圧力で飛び付かなければならなくなった」訳で、スマホいじってパソコンの前で青息吐息で仕事にとりかかるたび「皮

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    2023年06月06日
  • 漱石文明論集

    Posted by ブクログ

    漱石が近代人として評価されていることの真の意味を知った。学習院での講演「私の個人主義」では、小説だけでは見えにくい漱石の思想の遍歴が披露される。
    明治期、様々な外来思想が輸入され社会が大きく変わる時代のなかで、戸惑いのなかに生きる漱石が啓示のように感じたであろう自己本位の思想。先進的な社会であろうとも後進的な社会であろうとも、外部の環境に影響されない自己本位の思想。自己が価値判断の基準となること、そのためには自分勝手という意味ではない真性の個人主義が必要となること。そんな漱石にとっての切実な悩みと回答が学生の前で力説されている。
    絶対的な身分社会の江戸期には生じない思想であろうし、輸入品として

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    2019年02月28日
  • 漱石書簡集

    Posted by ブクログ

    某文学館で「夏目漱石の手紙」の展示をやっていて、見に入ったら思いのほか面白く、ミュージアムショップで買ってしまった本。

    手紙が好きでものすごくたくさん書いた漱石。
    友人の正岡子規。妻の鏡子。後進の芥川龍之介――そのほかたくさんの人々に、実にいろいろな手紙を書いています。
    手紙というのは書き手の人となりが如実に表れるもの。
    漱石の手紙には、意外にも、正直さと、相手を思う気持ちと、何よりもユーモアがあふれています。
    自虐的であったり、シニカルであったりしても、常にサービス精神が見え隠れしているところが魅力。
    妻への小言とか友への愚痴とか、若者への羨望とか、いろいろありながら、そこには漱石の相手を

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    2017年12月28日

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