小池和男の作品一覧
「小池和男」の「海外日本企業の人材形成」「聞きとりの作法」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「小池和男」の「海外日本企業の人材形成」「聞きとりの作法」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
労働や賃金の専門家(文化功労者)による、賃金に関する一考察。「能力給」を批判し、査定つき定期昇給といった「年功序列」を推奨している。精緻な研究・分析により、きわめて学術的な説得力ある内容となっている。言っていることは単純であり、わかりやすかった。
「高賃金国の生きゆく道は、英などの西欧や米など先行国を見定めれば、明白である。他国の地で製造業に限らず、宅配、コンビになど様々な産業で事業を行い、その地の人を雇用し、納得して働いてもらう。そこから得た収益の日本への還流こそ肝要である」pv
「複雑な社会現象を解明する王道は、他と比較することである」p4
「ホワイトカラーには定期昇給が日本以外にも多くの先進国にあり、その昇給額は査定によっている。肝心なのは、そうした方式を戦後日本企業がブルーカラーにも適用したことだ。世界にさきがけて実施したのである」p68
「一見くりかえしにみえる職務のなかで「ふだんと違った作業」、そうじて上手と下手の差を、職務評価の専門家たちがはたしてどれほどよく把握できるか。標準化を念頭におけばおくほど、むつかしくなろう。それにくらべ、その職場をあづかる管理職、職長なり課長たちのほうが、はるかに痛切にわかるだろう。こうした面倒な作業部分の判定評価は、その仕事をよく知る人の「主観的」な評価、判定以外、いったいなにがありえようか。つまり、職務評価の有無は頼りになる区分ではない、と考えざるをえない」p112
「高度な仕事は標準化できない」p113
「職務を明確にし標準化しなければ、としばしば主張される。いまもなお研究者からも主張される。それゆえ、まさに単一賃金の職務給が理想となろう。それならば、肝心の「問題」や「変化」への対応という、効率を左右する作業を見逃す。見逃すだけならばともかく、それを抹殺する。それでは競争力の核心を殺すことになる」p114
「同一年齢勤続層をとっても格差は、成果給以前に比べ成果給をいれても拡大していない、それどころか格差は減っている」p152
「目標管理制度を実施したら、各人が低い目標を設定するようになった。この傾向はどこの国の企業でも当然に起こることであろう。目標の設定は上司と話し合って決めることになっている。だが、各人が精一杯の目標を掲げたか、あるいはその実務能力に比べやや低めに設定したか、それを上司がすべて見抜けるわけではない。それこそ世界共通の経済学でいう「情報の非対称性」の典型例ではないか」p161
「(目標管理制度を導入すると)より致命的なのは、「隙間業務」をこなす人がいなくなる。職場内で誰かがこなさねばならない業務で、だれの目標にもならない業務が当然にでてくる。それをだれもこなさない」p162
「業績や仕事ぶりはなかなか数量にはあらわせない。そうであれば、数量にたよれず、仕事をよく知る上司が主観的に評価するほかあるまい」p163
「上司の査定では恣意性が残る。それはやむをえない。あとは、いかにそれを少なくするか、その方策であろう」p167
「(公開こそ恣意性を防ぐと言うが、米では公開したことにより)査定をつける上司は訴訟を恐れ、査定の差が小さくなったようだ。米のすばらしい分析のすべてが、日本よりはるかに差をつけないことを示している」p167
「定期昇給の廃止は続いており、成果主義はおさまっていない。短期すぎる視野のおそれ、そのあやうさが懸念される」p171
「輸出ではなく、海外直接投資の増大、そこからの還流が将来の日本の経済を支えるのである。それこそ国際的にみて高賃金国の生きる途である」p179
「上限下限を明記した範囲給のなかで、昇格しなくとも査定つきの定期昇給で、個人差はありながらサラリーは上がっていく。すくなくとも下がらない。おなじ仕事についていても、しだいに技能が向上するよう促すのである」p180
Posted by ブクログ
修士時代、企業インタビューをこなすのに備えて読んだ本。
研究者向けだったと思いますが、いま僕がインタビューをあまり苦手意識なくできるのは、こうした本で得た擬似体験といくつかのインタビュー経験、それに編集者時代の取材やらをこなした日々の賜物。
(2017年7月23日追加)
数量分析だけで説明できる現象はそんなに多くはない。
質的比較分析の本をちょうど読み始めたところ。
外部研究者に比べて、内部観察の壁が高くない、監査という仕事にとっても、文化人類学・社会学的なフィールドワークの基本を実践していければ、もっとよりよいインサイトが得られるはず。
そんな思いを新たにした再読。
3章構成。1、2章のみ読めば、監査人には十分。
・慣れない人は、30分以内の短い聞き取りから。
・調査計画は、予備調査項目みたいなもん。
・半構造化インタビュー
・じっくり考えないとなにもできないという重厚タイプのひとは、わたくしの経験では、聞きとりにはむかない。聞きとりはあるていど「軽佻浮薄」でないと勤まらない。かるがるしく決断する必要がある。
・職場をみる
・相手への敬意、相手に教えてもらうとの気構えが大切である。
・議論をしない。
・つぎの質問のメモも大切なのだ。
Posted by ブクログ
聞き取り調査実施における考え方やTipsをまとめた書籍。修士論文に関わるインタビュー実施の際に読んで参考にした。
■重要ポイントのメモ
1.調査計画(聞きとりの前に)
・当然だが、相手のコスト(時間)への配慮が重要。
・一人の話し手に聞く時間を1回1.5~2時間以内、2回程度にするなど、1人当たり1社当たりの負担を減らして、複数組織を比較した方が了解を得やすい。
・仮説設定時は二段階の手続きを用意する。1つ目は分析概念の設定、2つ目は測定指標の設定である。
・企業選定前に有価証券報告書などで企業について調べるのは大事。
・比較しながら語ることの出来る人をインタビュー相手に選ぶのが良い。比較こそ事実に接近する近道である。
・話し手の人数は一人が最も良い。自分の意見をはっきり言ってもらいやすい。
・依頼する際に、何を、誰に、どれほど話を聞きたいのか、それを具体的に細かく書いた依頼書を企業に送ること。その際に自分の履歴を示す情報を付加して、自己紹介をしておくこと。
・先方の宛先を固有名詞で書くこと。
※学術研究の場合は、書類を書く手間を惜しまず、財団の公募に申し込むこと。各財団の関心分野を知り、自分の問題意識と重なるところを見つけるのが肝要。
2.聞きとり
・個々の質問は前もって決めておかない。聞くべき要点はかなり仮説によって決まっているとしても、実際の質問は相手の答えによって違ってくる。
・具体的に聞くこと。また、最近の例を聞くこと。
・聞きとりは話し手と聞き手の共同作業。聞き手はある程度軽佻浮薄でないと務まらない。軽々しく決断することが必要となる。
・追加質問の重要性。相手の話を踏まえた上で、さらに切り込んだ質問を用意すること。
・メモは重要な点を浮き彫りにする。目に付く情景、各種掲示物など、時間がある限り素早くその一部をスケッチすることも大事。
・毎回聞きとりの”直前に”聞き取り要領を用意すること。
・相手の協力を得るは、「周到な準備」と「的を得た質問」が必要。
・相手の承諾を得られれば録音はしたほうがいい。しかし、それでもメモを真剣に取ること。
・なるべくその日の内に、遅くても次の日までにメモを浄書して、聞き取りノートを作っておくこと。前後矛盾しててもいいので、単語の羅列ではなくとにかく文章にしておく。
・聞き取りノートは門外不出とすること。話し手のプライバシーを最優先。
3.聞き取り調査の説明力
・非数量的な知識を扱うとしたら、個別の例を聞き、なぜ、どのようにしてという点まで理解しやすいように説明することが極めて重要。
・聞き取りの事例をなるべく小さな種の中におさめる。そのうえで、2、3の種にわたって観察事例を拡張する。
・アンケート調査も併用する場合は、聞き取りを先に行う。
・