吉本哲郎の作品一覧
「吉本哲郎」の「地元学をはじめよう」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「吉本哲郎」の「地元学をはじめよう」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
吉本哲郎 (よしもとてつろう)
1948年水俣市生まれ.宮崎大学農学部卒業.1971年,水俣市役所に入る.都市計画課,企画課,環境対策課課長,水俣病資料館館長をへて,2008年退職.現在,地元学ネットワーク主宰.国内外で,地元に学んで人・自然・経済が元気な町や村をつくる地元学の実践にあたる.著書に『わたしの地元学 水俣からの発信』(NRC クリエイティブ),『風に聞け,土に聞け──風と土の地元学』(地元学協会事務局)がある.
「地域にあるものを新しく組み合わせて何かをつくることと、料理をすることはよく似ています。知りあいの料理人がこんなことを教えてくれました。 「冷蔵庫をあけて、あれがない、これがないというのは二流だ。冷蔵庫をあけて、あるもので料理するのが一流の料理人だ」 私は、黙ってあたりまえにやるのが超一流だ、あるもので料理するのはふつうの人だとつけ加えています。 地域の扉をあけて、「あれがない、これがない」で料理するのは二流、あるものでやるのが一流、でも黙ってあたりまえにやるのがほんとうの超一流だと考えています。そしてそれはふつうの人たちなのです。どの地域にも、ふつうの超一流の人たちがたくさんいるのです。私が提唱する地元に学ぶ地元学は、そんな人たちに光をあてていくものです。」
—『地元学をはじめよう (岩波ジュニア新書)』吉本 哲郎著
「 「これまで、知識、学問を身につけ、大きな世界を知ること、そしてそこに出て行くことが知的で立派な人間のたどる道だと思って、暮らしてきた。しかし、その世界では一人の人間の役割は見えてこない。私たちは、役割の見える小さな世界に生きているほうがもっと幸せだったのではないか」(内山節立教大学教授・哲学者)」
—『地元学をはじめよう (岩波ジュニア新書)』吉本 哲郎著
「地元学は、あるものを探します。ないものねだりではなく、あるもの探しなのです。あるものは目に見えるので、写真を撮り、それは何かと、地元の人たちに聞いていきます。そして、驚いたこと気づいたこと別に絵地図をつくります。つくった絵地図を見て、これはどういうことなのかをさらに書いていきます。この取り組みから、それまで見えなかったことが見えてくるのです。そして結局は、自分が見えてくるのです。 地元学は、地域のもっている力、人のもっている力を引き出していきます。いま地元学で若者たちにおきていることは、地元学に関わるなかで、あるがままの自分をそのままあるものとして見ていき、自分のもっている力に気づいていることのように思えます。」
—『地元学をはじめよう (岩波ジュニア新書)』吉本 哲郎著
Posted by ブクログ
地元学って何だろう。地元学をすすめるために必要なこととは。
まさに,「地元学」を始めようとする人たちのための入門書です。ですから,その取り組み方もしっかり書いてあります。まるで、小学校の総合学習の手引き書のようです。それくらい「すぐに使える」内容です。
「地元学」について,著者は次のように述べています。
地元学派,あるものを探します。ないものねだりではなく,あるもの探しなのです。あるものは目に見えるので,写真を撮り,それは何かと,地元の人たちに聞いていきます。そして,驚いたこと気づいたこと別に絵地図をつくります。つくった絵地図を見て,これはどういうことなのかをさらに書いていきます。この取り組みから,それまで見えなかったことが見えてくるのです。そして結局は,自分が見えてくるのです。(本書,p.213)
過疎化が激しくて,もうぽしゃっていくしかないと地元の人が思っているような土地。そんなところで,どのように地域おこしをしていくのか。その方法論が示されています。もっとも,産業化していくようなところまでの指南書ではありませんが,いくつかの事例から,その方向は示してくれています。
あたりまえこそすごいことだ。あたりまえにあるものを探そう。でも,外の人でないと気づきにくいから,外の人たちといっしょに調べよう。あるもの探しだ。何もないところから,新しいものは生まれない。新しいものとは,あるものとあるものの新しい組み合わせなのだ。(本書,p.23)
地元の人たちにとっては当たり前すぎて空気のようになっているものこそ,その土地の特徴であり,他地域と差別化できる部分かもしれません。それを気づかせてくれるのは,地元の人ではなく外から来た人,観光客だったりするわけです。
そういえば,娘の学生時代の友達が,はじめて釣りをしたときに大変感動していたことがありました。海の近くに育った娘にとっては小学生のころから釣りは当たり前。その当たり前に喜ぶ友達の姿。
もうひとつ,こんな視点も大切だと思います。
私は,経済には三つあるといっています。
1 お金の貨幣経済
2 手伝いあう結(ゆい),もやいなどの共同する経済
3 家庭菜園で野菜をつくり,先祖に供える花も育て,海・山・川の幸を採取して食べたりする自給自足の経済
です。豊かさはお金だけではなくて,共同と自給自足の経済の総和であったはずなのに,いつ,お金だけが豊かさを計る尺度になってしまったのでしょうか。(本書,p.14)
お給料だけ見ると田舎暮らしはそんなにたいしたことはないかもしれない。でも,ゆったりした自分の家に住み,海や山で遊び(採取し),ご近所からお裾分けを頂いたりすることまで含めると,なんと豊かなことでしょう。
じつは,地元学はポジショニングのことなのです。自分がいまどこにいるかわかるから,自分が見えてくるのです。やることも見えてくるから,自信がついてくるようです。(本書,p.210)
Posted by ブクログ
大事なことは住んでいるところを住んでいる人が説明できること
アイデンティティ閉塞症
変化をゆっくり馴染ませるためには地域と自分を知り地域の個性や特徴を把握していること、そうやって自分の地域に自信を持つことが大事。
あるものを活かす。足元にあるものを確認し意味を把握して昔ながらの知恵特風を含めて新しく組み合わせていく。地域の持っている力と人の持っている力を引き出す。
事実に驚け、それは何故かと深く考えよ
地元にあるものを探したら次にそれはどういうものなのかを深く考えていく。見えるものからそれまで見えなかったことをわかるようにしていく。
地域の人にこれはなんですか、なんと呼びますか、何に使いますかと聞く 地元の人の言葉で記録する
Posted by ブクログ
著者は熊本県水俣市環境課の職員をされていた方です。
本書は、水俣病の話から始まります。日本三大公害のひとつとして、小学生で習うものになっていますが、その実情は言葉では表すことができません。
本書は、岩波ジュニア新書ですが、そういったところは包み隠さず書かれています。差別、農作物、海産物、今でさえ、この課題は抱えています。
著者はその背景が基として、地元学というのを提唱しています。
いきいきした地域をつくるために何が必要なのか?ということに対し、地域のもつ人と自然の力、文化や産業の力に気づき、引き出していくことだと説明されています。
それを実行するための手法・地元学であり、今後より活性化するとのことです。
本書は、地域の方との関わり方、調べ方から活かし方までを説明されています。学生時代のフィールドワークの考え方にも似ていて、それの学ぶ上では本書はオススメなのだと思いました。
この地元学は、今後の地元、地域発展に向けて、考える上で必要な考え方だと感じました。