作品一覧

  • 厨師、怪しい鍋と旅をする
    3.8
    優れた厨師(ちゅうし)を輩出することで有名な斉家村(せいかそん)に生まれた見習い料理人・斉鎌(せいれん)は、ある日見知らぬ男から不思議な鍋を借り受ける。しかしそれは煮炊きをしないでいると腹を空かして動物や人間を襲い始める、とんでもない鍋であった。鍋を返すまで故郷に帰ることは叶わない──流浪の身となった斉鎌は、鍋とむらに代々伝わる霊力を持った包丁を頼りに、戦場の飯炊き場、もののけの棲み家、名家の隠居所などで腕を揮いつつ、鍋の元の主を捜し歩くが……。若き厨師と怪しい鍋が旅の途上で出会う人々と不思議、そして料理。無類の面白さに満ちた美食中華幻想譚!/解説=南條竹則
  • 狂書伝
    3.7
    1巻1,320円 (税込)
    時は明代の中国。揚子江流れる豊かなまちに稀代の名筆家と謳われる男がいた。この男陳遷は、しかしながら権勢家にして行いは残虐非道。人々を恐怖と憤怒に陥れていた。彼を懲らし同時に世を正すべく暗躍する、仙術を使う異能の女・斑娘。その運命を握るのは一通の手紙……書の魔力に取り憑かれた人々の狂奔を描く傑作中華伝奇小説!

ユーザーレビュー

  • 厨師、怪しい鍋と旅をする

    Posted by ブクログ

    中国の明時代の話?題名通り、若い厨師(料理人)がとんでもない鍋とあちこち巡って、怪しいことや不思議なことやえぐいことに遭遇する話。後の妻にも出会う。淡々と語られるのがみそだねえ。鍋は結果悪いことはせんかったよ。いかにも中国風の物語群で、面白いこと無類。勝山海百合、いいね。

    0
    2023年05月25日
  • 狂書伝

    Posted by ブクログ

    初めての作家だが、なかなかいい味わいの小説を書くなあ。中国・明時代の江南常松の何とも言えないというか、じわっと怖いというか、えぐいというか、不思議というか、そんな物語を淡々と描いている。権力を握っている地方高官・書家の陳遷が自分勝手で傲慢で、その息子の陳鋼が無茶苦茶な乱暴者で、なんとも胸糞悪い。幼いころに仙人に攫われて修行させられ、歳を取らなくなった斑娘が陳家のもとから曰くのある手紙を手に入れるために、陳遷の娘を誘拐する。それやらなんやら、いろいろな人物が入り乱れて物語は展開する。若い女性の手紙を偏愛する変な趣味の男なども出てくる。視点人物もしょっちゅう変わるし、そんなごちゃごちゃ感がかえって

    0
    2023年05月02日
  • 厨師、怪しい鍋と旅をする

    Posted by ブクログ

    厨師、つまり料理人として渡り歩いている斎錬の持っている鍋は預かり物であるが、なんでも美味しくする不思議な鍋である。鍋だけでなく、彼の腕も確かなので、美味しそうな話が続く。色々な場所で料理をしての話が、オムニバスのように続いていって、それらのエピソードが所々で繋がっていく構成になっている。穏やかな語り口で、大きな起伏があるわけではないけれど、面白かった。

    0
    2019年05月03日
  • 厨師、怪しい鍋と旅をする

    Posted by ブクログ

    サイン本を購入。
    中華×ごはん×幻想怪異の短編集で、主人公・斉鎌がほどよくとぼけた風合いなのが良かった。人情ものだけでなく、ごうつく張りが痛い目を見るとか、お話のテイストも色々、登場人物も(まさに)煮ても焼いても食えないタイプが多くて楽しく読めました。面白かった!
    基本的にどれも後味の良いお話なのも、気軽に読めた一因かも。誰か頑張って漫画かアニメ化してほしいな……。
    そもそも「永年さまざまを煮てきたから、水を煮ただけで美味い出汁がとれる」鍋、魅力が強すぎる(笑)

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    2018年12月01日
  • 狂書伝

    Posted by ブクログ

    十七、八歳の姿に見える斑娘。

    官僚で、書画の収蔵家である陳遷。
    その収蔵品のなかにある、災いを招く手紙を処分して欲しいと斑娘は弟に頼まれる。

    その手紙を手に入れるため陳遷の愛娘を人質にする...

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    2023年07月14日

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