勝山海百合のレビュー一覧

  • 厨師、怪しい鍋と旅をする

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    中国の明時代の話?題名通り、若い厨師(料理人)がとんでもない鍋とあちこち巡って、怪しいことや不思議なことやえぐいことに遭遇する話。後の妻にも出会う。淡々と語られるのがみそだねえ。鍋は結果悪いことはせんかったよ。いかにも中国風の物語群で、面白いこと無類。勝山海百合、いいね。

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    2023年05月25日
  • 狂書伝

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    初めての作家だが、なかなかいい味わいの小説を書くなあ。中国・明時代の江南常松の何とも言えないというか、じわっと怖いというか、えぐいというか、不思議というか、そんな物語を淡々と描いている。権力を握っている地方高官・書家の陳遷が自分勝手で傲慢で、その息子の陳鋼が無茶苦茶な乱暴者で、なんとも胸糞悪い。幼いころに仙人に攫われて修行させられ、歳を取らなくなった斑娘が陳家のもとから曰くのある手紙を手に入れるために、陳遷の娘を誘拐する。それやらなんやら、いろいろな人物が入り乱れて物語は展開する。若い女性の手紙を偏愛する変な趣味の男なども出てくる。視点人物もしょっちゅう変わるし、そんなごちゃごちゃ感がかえって

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    2023年05月02日
  • 厨師、怪しい鍋と旅をする

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    厨師、つまり料理人として渡り歩いている斎錬の持っている鍋は預かり物であるが、なんでも美味しくする不思議な鍋である。鍋だけでなく、彼の腕も確かなので、美味しそうな話が続く。色々な場所で料理をしての話が、オムニバスのように続いていって、それらのエピソードが所々で繋がっていく構成になっている。穏やかな語り口で、大きな起伏があるわけではないけれど、面白かった。

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    2019年05月03日
  • 厨師、怪しい鍋と旅をする

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    サイン本を購入。
    中華×ごはん×幻想怪異の短編集で、主人公・斉鎌がほどよくとぼけた風合いなのが良かった。人情ものだけでなく、ごうつく張りが痛い目を見るとか、お話のテイストも色々、登場人物も(まさに)煮ても焼いても食えないタイプが多くて楽しく読めました。面白かった!
    基本的にどれも後味の良いお話なのも、気軽に読めた一因かも。誰か頑張って漫画かアニメ化してほしいな……。
    そもそも「永年さまざまを煮てきたから、水を煮ただけで美味い出汁がとれる」鍋、魅力が強すぎる(笑)

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    2018年12月01日
  • 狂書伝

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    十七、八歳の姿に見える斑娘。

    官僚で、書画の収蔵家である陳遷。
    その収蔵品のなかにある、災いを招く手紙を処分して欲しいと斑娘は弟に頼まれる。

    その手紙を手に入れるため陳遷の愛娘を人質にする...

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    2023年07月14日
  • 厨師、怪しい鍋と旅をする

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    ネタバレ

    厨師とは、厨房の師、即ちる料理人のこと。清朝時代と思われる中国で、妖異の鍋と包丁のようなものを持ち放浪の旅をする厨師、斉鎌の奇妙な体験をつづる中華ファンタジー短編集。

    中島敦を今風に読み易くしたような、中華味の物語が味わい深くて面白い。スゲー怪物やとんでもない事件は起こらないものの、民話調の不思議な怪異譚がなんとも心地よい。初読の作家さんだが、面白かったので過去作を追いかけてみようかと思う。

    無性に饅頭が食べたくなる。そして、解説は物語や作者ではなく、ほぼ饅頭の解説になっているっていうもの面白い

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    2022年11月06日
  • 厨師、怪しい鍋と旅をする

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    優れた厨師を輩出することで有名な斉家村に生まれた見習い料理人・斉鎌は、ある日見知らぬ男から不思議な鍋を借り受ける。しかしそれは煮炊きをしないでいると腹を空かして動物や人間を襲い始める、とんでもない鍋であった。鍋を返すまで故郷に帰ることは叶わない―流浪の身となった斉鎌は、鍋とむらに代々伝わる霊力を持った包丁を頼りに、戦場の飯炊き場、もののけの棲み家、名家の隠居所などで腕を揮いつつ、鍋の元の主を捜し歩くが…。若き厨師と怪しい鍋が旅の途上で出会う人々と不思議、そして料理。無類の面白さに満ちた美食中華幻想譚!

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    2019年04月12日
  • 狂書伝

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    念が籠り災いを引き起こそうとしている書を手に入れ成仏させようとする主人公は、不思議な力を持ち大胆だが、万能ではなく冷淡でもなく、故に傷つけるものの少ない方法を選ぶ。問題の書は目指す場所にあるのか、手に入るのか。
    記録文書の様に淡々と重ねられる文章に可笑し味と奥行きがある。
    登場する人物達はそれぞれの立場で当たり前に思っている生き方を変えない。その人にとってはそれが当たり前なのだと実感させる描写で、感情移入はできない人物にも納得してしまう。
    ほんの少し登場する舟の少年や知のある義母が印象的。

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    2014年07月27日
  • 厨師、怪しい鍋と旅をする

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    タイトルに惹かれて読んだ。不思議なタイトルだが、タイトルそのまま、不思議なお話だった。
    2020/9/26

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    2020年09月26日
  • 厨師、怪しい鍋と旅をする

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    何とも味のある、中華幻想譚。表紙もいい味出していますよね。
    厨師(料理人)の斉鎌は、何でも美味しく仕上げるけれど、長く使わないと腹を減らして人等を襲うという、便利だけど乱暴すぎる不思議な“鍋”を借り受けます。この鍋を持ち主の男に返す為、図らずも流浪の厨師になってしまった斉鎌。
    彼が行く先々で起こる、不思議な出来事に関わったり、関わらなかったりする展開です。
    淡々とした文体も、この作品の独特の“味わい”に一役買っているように思います。肝心と思われる部分を敢えて端折ったり、ぼかしたりしているのも読者側の妄想に任せているのかなと(多分、“敢えて”だと思います。多分・・)。
    そして、“鍋”関係なく、斉

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    2020年08月09日
  • 厨師、怪しい鍋と旅をする

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    中国の昔話に材を取ったような話。料理でいっぱいにしないと人や動物を襲う摩訶不思議な鍋と旅をする料理人の話。面白かった。

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    2019年08月21日
  • 狂書伝

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    3.6。結構酷い事をサラッと書いてるのが、逆に酷さを際立たせてる独特の筆致が良。ただこの著者は、中長編より短篇や小話が連なる形式の方が好みかも。

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    2019年07月31日
  • 厨師、怪しい鍋と旅をする

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    3.7。譚、という言葉が似合う連作短篇。つづられる内容にぶれる事の無い、この一歩ひいた訥々とした空気感好き。

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    2019年07月31日
  • 厨師、怪しい鍋と旅をする

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    不思議な鍋が事件を巻き起こして、厨師が美味しい料理で解決!的な話かと思って読み始めたけど違った。
    結局、みんな幸せになれたみたいだしいっか。

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    2019年05月30日
  • 狂書伝

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    時は明代の中国。揚子江流れる豊かなまちに稀代の名筆家と謳われる男がいた。この男陳遷は、しかしながら権勢家にして行いは残虐非道。人々を恐怖と憤怒に陥れていた。彼を懲らして、同時に世を正すべく暗躍する、仙術を使う異能の女・斑娘。その運命を握るのは、一通の手紙…筆の魔力に取り憑かれた人々の狂奔を描く傑作中華伝奇小説!

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    2019年04月15日
  • 狂書伝

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    ネタバレ

    ディー判事好きの私には、好みの一冊。ほんのすこしの仙術は出てくるものの展開としては推理小説。終盤、主人公のキャラが普通の人間に見えるけどまぁ気にはならないか。

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    2014年08月31日